「前を向いてやっていくしかない」。100キャップを達成した歴戦の男が伝えるチームへの喝
東京サントリーサンゴリアス 中村亮土選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
0勝1分2敗といまだ勝利のない東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)の第4節。クボタスピーアズ船橋・東京ベイにリードを許しながら、試合終盤残り1分、起死回生の同点トライ。だが、決まれば勝ち越しとなる髙本幹也のコンバージョンはゴールポストに当たったあと、クロスバーにも弾かれて無情の無得点。まさかの2試合連続引き分けで、今季初勝利とはならなかった。
「(2試合連続引き分けは)経験がないし、ほかのチームでも聞いたことがないですね」
この試合でチーム公式戦100キャップの節目を迎えた歴戦の中村亮土をもってして、まさに経験のない事態。節目の一戦を勝利で祝えなかった中村は試合後、まずは自身の「これまで」よりもチームの「いま」について語り始めた。
「(開幕からここまで勝てない経験は)ないですね。ただ、結果として表れてないだけで地力は間違いなくあるし、今までやってきたことを積み上げている段階。ヘッドコーチの(小野)晃征さんも言いましたけど、1%のところにこだわりをもってやれるかどうか。次の1週間、よりこだわって勝てる準備をしていきたい」
試合2日前には、かつてのチームメートで元オーストラリア代表の世界的スター、“ギッツ”ことマット・ギタウ氏がプレゼンターとなり、100キャップ目の記念ジャージーが贈られるサプライズも。そんな過去100試合の中で、特に忘れられない試合として振り返ったのは、マットとともに成し遂げたトップリーグ時代の2017-2018シーズンの優勝を決めた一戦だった。
「ギッツと戦った埼玉パナソニックワイルドナイツ(当時・パナソニック ワイルドナイツ)との決勝戦は思い出深いですね。やっぱり、このチームで優勝したい。今季だってまだまだ可能性はある。プレーオフに勝ち上がって優勝できるチームにしていきたいです」
なかなかトンネルを抜け出せない今季の東京SG。それでも「暗くなる必要はない」と、自身のキャリアと重ね合わせながらこう語ってくれた。
「僕自身、最初の3年くらいはなかなか試合にも出られなかった。それでも、前を向いてプレーするしかない。辛いときこそ、自分にフォーカスを当てて、自分がどうなりたいかを模索し続けながらガムシャラにやることで結果が出るようになりました。いまのチームも似たような状況ですが、下を向く必要はないし、まだ終わったわけじゃない。自分たちのやるべきことを、やりたいラグビーを追求しながらやっていけば、自ずと結果は出てくるはずです」
次戦、101戦目での今季初勝利を目指して。33歳、中村亮土はチームとともに前を向く。
(オグマナオト)
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