高校サッカー準決勝。「中6日」の過ごし方が勝敗を分けた?「ふるさとは遠きにありて思ふもの」。一時帰郷しなかった前橋育英が逆転劇で頂上決戦へ

note
チーム・協会

【高校サッカー準決勝。「中6日」の過ごし方が勝敗を分けた?「ふるさとは遠きにありて思ふもの」。一時帰郷しなかった前橋育英が逆転劇で頂上決戦へ】

【これはnoteに投稿されたセイノさんによる記事です。】
全国高校サッカーは準決勝が終わり、頂上決戦に進む2校が決まった。第1試合は前橋育英(群馬)と東福岡の優勝経験校同士の好カード。この勝敗を分けたのは、準決勝までの「中6日」をどう過ごしたかにあると思う。一方は帰郷した。もう一方は別の場所で過ごした。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」。帰郷しなかった前橋育英が決勝へ駒を進めた。

全国高校サッカー選手権の決勝は例年、1月の第2月曜に行われる。準決勝は決勝の2日前に行われることが多い。そして準々決勝は1月4日。

年によって、準々決勝と準決勝の間隔が異なる。第103回の今大会は中6日だが、前回大会は中1日だった。

中1日の場合、宿泊地をそのままにしておくのが一般的だろう。ただ中6日も空くと、どう過ごすかが問われてくる。東福岡と前橋育英は好対照の日々を送った。

前者の東福岡はいったん福岡へ帰郷した。一度、「ホーム」に戻り、リラックスして再び上京する。

後者の前橋育英は群馬に戻らずに、事前に予約していた静岡県御殿場市で合宿をしたという。

前橋育英の山田耕介監督によると、第87回大会で4強入りした際に地元に戻ると、祝福ムードに包まれて、緊張感がなくなってしまったという。そして準決勝敗退。苦い記憶を教訓に、帰郷せずに過ごしたのだ。

そして迎えた11日の準決勝。先取点を挙げたのは東福岡だった。前半11分に伊波樹生選手がゴールを決めた。今大会、東福岡は無失点。前橋育英には重圧となるはずだった。

しかし、後半になると前橋育英はゴールラッシュ。後半3分、そして9分に佐藤耕太選手が次々に決めて逆転に成功した。さらに13分には白井誠也選手が追加点を挙げた。

前橋育英が3-1の逆転勝利で決勝へ駒を進めた。全国優勝を果たした96回大会(2017年度)以来7年ぶりの頂点をめざす。

前橋育英の鮮やかな逆転劇。敗れた東福岡も先取点を奪い自慢の堅守で戦った。好ゲームだった。

何が勝敗を分けたのか。やはり「中6日」の過ごし方ではなかっただろうか。室生犀星の名詩「ふるさとは遠きにありて思ふもの」とあるように、あえて帰郷せずに過ごす。

メンタル面のハングリー精神を宿らせておく。静岡で合宿を張り、一時帰郷をしなかった前橋育英がメンタルのハングリーの差で勝利を手にしたのではないか。

「ふるさとは遠きにありて」。望郷で有名な詩は勝利のメソッドにもなっているかもしれない。

2度目の全国制覇まで「あと一つ」。前橋育英は、勝って故郷に錦を飾ることができるのか。13日の決勝が楽しみだ。
見出し画像:龍星光 / RyuseiHikaru
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

メディアプラットフォーム「note」に投稿されたスポーツに関する記事を配信しています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント