鹿島アントラーズの2025シーズン編成考察&展望予想
【これはnoteに投稿されたタケゴラさんによる記事です。】
編成考察
ポジション構成図。今季は4-4-2でスタートすることになりそうだ。 【タケゴラ】
年齢別の分布図 【タケゴラ】
<IN>
DFキム・テヒョン(←鳥栖)
DF小池龍太(←横浜FM)
DF松本遥翔(←鹿島ユース)
DF佐藤海宏(←鹿島ユース)
MF松村優太(←東京V)
MF下田栄祐(←いわき)
MF荒木遼太郎(←FC東京)
FWレオ・セアラ(←C大阪)
FW徳田誉(←鹿島ユース)
<OUT>
DF須貝英大(→京都)
MFミロサヴリェヴィッチ(→FKラドニチュキ・ニシュ) ※期限付き
MF藤井智也(→湘南)
MF須藤直輝(→高知) ※期限付き
MF名古新太郎(→福岡)
MF仲間隼斗(→柏)
MFギリェルメ・パレジ(→退団)
<期限付き移籍→完全移籍>
DF林尚輝(→東京V)
MF中村亮太朗(→山形)
FW染野唯月(→東京V)
キーパー
早川友基
山田大樹
梶川裕嗣
パク・ウィジョン
唯一、人の入れ替わりがなかったポジションである。昨季まで不動のレギュラーだった早川が現状一歩も二歩も抜け出しており、今季もアクシデントがない限りは彼がゴールマウスに立つことになるだろう。2番手以降の山田、梶川、パク・ウィジョンという序列も今のところは変わっていないが、彼らがどれだけ突き上げられるかはもちろん、ラフなボールを選択することが減ることで、繋ぎで良さを見せられる梶川が存在感を見せて序列を上げられるかは一つの注目ポイントになりそうだ。
センターバック
植田直通
関川郁万
☆キム・テヒョン
津久井佳祐
(三竿健斗)
(☆松本遥翔)
※☆は新加入
※()はサブポジションとしてこなせる選手
昨季は人員不足に最初から最後まで悩まされ、補強はマストだったセンターバック。レンタル中の林は完全移籍でアウト、争奪戦に参戦していた第一候補群の岡村大八、谷口栄斗、古賀太陽は獲り逃してしまったが、鳥栖からキム・テヒョンを獲得して即戦力の確保に成功した。左利きの大型CBであるテヒョンが加わったことで、植田・関川と並び主力級が3人揃い、彼らをメインにしてシーズンを戦うことになるだろう。津久井はカップ戦などでの先発機会を増やして、主力レベルに食い込んでいきたい。万が一の場合は、三竿や松本を回すことになりそうだ。
右サイドバック
☆小池龍太
濃野公人
☆松本遥翔
(安西幸輝)
(☆下田栄祐)
※☆は新加入
※()はサブポジションとしてこなせる選手
昨季ベストイレブンに輝きながらも終盤はケガで離脱していた濃野だが、今季は始動から元気に復帰。すでに問題はなさそうだ。順当にいけば彼がレギュラー確実なのだが、始動から濃野を食う勢いで存在感を見せているのが新加入の小池。早くもチームの潤滑油として機能しており、つなぎやポジショニングの面で良さを見せている。小池がレギュラーとして開幕戦のピッチに立っていても不思議ではなくなってきた。松本は自身の良さを発揮していくには、まだ時間がかかりそうか。状況によっては左から安西を回したり、下田もこのポジションで使われる可能性がありそう。小池、濃野、安西、下田あたりが当分は試合に出ることになるだろう。
左サイドバック
安西幸輝
溝口修平
☆佐藤海宏
(☆小池龍太)
(☆松本遥翔)
※☆は新加入
※()はサブポジションとしてこなせる選手
昨季は安西の孤軍奮闘が目立ったポジションであり、バックアップの須貝も抜けていることを考えれば、まず安西がレギュラーで間違いはなさそうだ。ただ、昨季をほぼ棒に振った溝口も期待値が高そうで、左利きのサイドバックとして存在感を見せる機会がありそうだ。また、小池を左サイドで使うことも考えていそうで、昨季ほど安西に依存することはないのではないだろうか。ルーキーの佐藤と、このポジションでも使われていた松本はまずここの競争に加わっていくことが第一フェーズになっていくはずだ。
ボランチ
知念慶
柴崎岳
三竿健斗
舩橋佑
☆下田栄祐
(樋口雄太)
(☆小池龍太)
※☆は新加入
※()はサブポジションとしてこなせる選手
比較的動きの少なかったポジションである。始動後にミロサヴリェヴィッチの移籍が発表されたが、下田の復帰も考えればマイナスとしてはゼロだろう。軸は昨季大ブレイクした知念であり、ケガが恐いくらいの仕上がりぶりだ。現状、その相方を柴崎と本職に戻ってきた三竿で競う形になっているが、柴崎の方がやや優位かもしれない。5年目を迎えた舩橋も期待値が高そうで、チャンスは与えられるはず。下田についても能力の高さが垣間見えており、舩橋と同じくチャンスが巡ってくる可能性は十分ある。また、状況によっては樋口と小池をこのポジションに置くこともあり得そうで、その場合でも2人ともレギュラー格と遜色なくプレーできるはずだ。
右サイドハーフ
樋口雄太
☆荒木遼太郎
ターレス・ブレーネル
(溝口修平)
(舩橋佑)
※☆は新加入
※()はサブポジションとしてこなせる選手
最も入れ替わりの大きかった2列目のポジション。名古、仲間、藤井、パレジ、須藤がチームを離れ、荒木と松村が復帰してきた。その中で右サイドは樋口と荒木がまずはレギュラーを争うことになりそうだ。樋口はコンディション面がまだ、荒木はプレーの連続性に欠ける部分があり、双方課題を開幕に向けて解決できた方がレギュラーに近づけるだろう。彼らにはプレースキックのキッカーとしても期待がかかる。ターレスは彼らより一歩遅れたところにいるが、差はそこまでなさそうだ。練習試合では溝口や舩橋もこのポジションで使われていたが暫定的なもののはずで、おそらく公式戦で使われる可能性は高くないだろう(舩橋はクローザーとしてはありそうだが)。
左サイドハーフ
師岡柊生
チャヴリッチ
☆松村優太
(ターレス・ブレーネル)
(溝口修平)
※☆は新加入
※()はサブポジションとしてこなせる選手
右サイドに比べると左サイドはアタッカーの要素が強い面々が揃うことに。前線でも起用できる師岡とチャヴリッチがまずは一番手を巡って争うことになりそうだ。彼らがどこまでタスクをこなせるか、どこまでこのポジションでプラスをもたらせるかは、今季のチームの完成度を左右することになりそうだ。松村はそこから一歩遅れてはいるが、スピードある仕掛けは脅威になっており、チャンスは大いにありそう。ターレスはこっちのサイドでも使われる機会がありそうだし、溝口も練習試合でこのポジションで使われていた。
フォワード
鈴木優磨
☆レオ・セアラ
田川亨介
☆徳田誉
(チャヴリッチ)
(師岡柊生)
(☆荒木遼太郎)
※☆は新加入
※()はサブポジションとしてこなせる選手
今季は4-2-3-1ではなく、まずは純粋な2トップの横関係でFWを構成することになりそうだ。軸は優磨と新加入のレオ・セアラのコンビ。ポストプレーもチャンスメイクもターゲットにもフィニッシャーにもなれる、強力2トップが何点取れるかは大きな注目ポイントになるだろう。控える田川と徳田も強さのあるプレーヤーであり、特に昨季はほとんど稼働できなかった田川は仕上がりの良さを見せており、彼らが先発でも遜色ないレベルだ。2列目に置いている師岡やチャヴリッチももちろんこのポジションで使われることもありそうだし、荒木も回ることがありそうだが、その場合でも2トップというのは崩すことはあまりなさそうだ。
展望予想
攻撃
攻撃面で取り組んでいるのは、確実性と流動性を持って崩すこと。ここまではラフにロングボールを蹴る回数を減らし、ボールを持ちながら連動した動き出しでゴールに迫ることを狙っていた。
まず、立ち位置の部分ではポジショナルプレーの意識付けが強い。ボールホルダーに対して、距離や角度を意識した立ち位置に立つことが求められており、横並びになるのではなく、斜めのパスが受けられるような立ち位置である。サイドハーフの選手が大外の立ち位置なら、サイドバックはその内側にポジションを取る必要があるし、サイドバックが大外ならサイドハーフはその内側といった感じだ。また、ボールサイドと逆側の選手は必ず誰か(サイドハーフorサイドバック)が大外レーンで張っていることも求められており、その選手を活用するアイソレーションの意識も強い。これらの原則がありながらも、実際の立ち位置は選手個々の個性によって変わっている部分も興味深いところだ。
動き出しの部分では、しきりに相手の背中から顔を出すことが求められている。相手の死角を取り、パスコースを作り出すことで、味方の選択肢を増やしていく。また、そうした動きに対して相手が食い付いてきたならば、その裏が空くのでそこで生まれたスペースを使う、ということも意識付けがされていた。
こうした動き出しを見逃さずにより可能性の高いところへパスを供給することがボールホルダーには求められるし、そもそも常に複数の選択肢を持てる状況にあることが必要不可欠だ。そのために必要なのが、パスの精度の高さであり、ボールを置きたい場所に置けるトラップであり、複数の選択肢を持てるような姿勢や目線の持っていき方であり、そこはしきりに指示が飛んでいた。動き出しの回数を増やすこと、少ないタッチ数で回していくことは求められているが、それが目的ではなく、あくまで目的はボールを持って崩して、ゴールに迫ること。そのために必要なタメを作ったり、止まるというアクションも重要であり、そうした部分も実戦ではより求められていくだろう。
まず、立ち位置の部分ではポジショナルプレーの意識付けが強い。ボールホルダーに対して、距離や角度を意識した立ち位置に立つことが求められており、横並びになるのではなく、斜めのパスが受けられるような立ち位置である。サイドハーフの選手が大外の立ち位置なら、サイドバックはその内側にポジションを取る必要があるし、サイドバックが大外ならサイドハーフはその内側といった感じだ。また、ボールサイドと逆側の選手は必ず誰か(サイドハーフorサイドバック)が大外レーンで張っていることも求められており、その選手を活用するアイソレーションの意識も強い。これらの原則がありながらも、実際の立ち位置は選手個々の個性によって変わっている部分も興味深いところだ。
動き出しの部分では、しきりに相手の背中から顔を出すことが求められている。相手の死角を取り、パスコースを作り出すことで、味方の選択肢を増やしていく。また、そうした動きに対して相手が食い付いてきたならば、その裏が空くのでそこで生まれたスペースを使う、ということも意識付けがされていた。
こうした動き出しを見逃さずにより可能性の高いところへパスを供給することがボールホルダーには求められるし、そもそも常に複数の選択肢を持てる状況にあることが必要不可欠だ。そのために必要なのが、パスの精度の高さであり、ボールを置きたい場所に置けるトラップであり、複数の選択肢を持てるような姿勢や目線の持っていき方であり、そこはしきりに指示が飛んでいた。動き出しの回数を増やすこと、少ないタッチ数で回していくことは求められているが、それが目的ではなく、あくまで目的はボールを持って崩して、ゴールに迫ること。そのために必要なタメを作ったり、止まるというアクションも重要であり、そうした部分も実戦ではより求められていくだろう。
守備
守備ではより前からアクションを起こしていくことが鮮明になった。まずはボールを失った時。ボールの近くにいる人間にはリスクを冒してでも、ガンガン取り返しに行くことが求められるようになり、即時奪回の意識はこれまで以上に強い。
また、前線の選手が積極的にプレスのスイッチを入れることも求められており、彼らがスイッチを入れることで後ろの選手たちも連動して前に出ていくことが求められるようにもなる。昨季は相手のキーパーにまでプレスを掛けるシーンはそこまで多くなかったが、今季はその回数もかなり増えるのではないだろうか。
そうした意識付けはトレーニングにおいても工夫がされており、攻撃の崩しの確認をする時でも、ボールを失った後にすぐに取り返すことや、守備側がポゼッションをする中でそこからボールを奪い切るところまで、トレーニングの一連の流れではセットで設定されている。攻守一体のシームレスなトレーニングがここまでは多くなっているのだ。
また、前線の選手が積極的にプレスのスイッチを入れることも求められており、彼らがスイッチを入れることで後ろの選手たちも連動して前に出ていくことが求められるようにもなる。昨季は相手のキーパーにまでプレスを掛けるシーンはそこまで多くなかったが、今季はその回数もかなり増えるのではないだろうか。
そうした意識付けはトレーニングにおいても工夫がされており、攻撃の崩しの確認をする時でも、ボールを失った後にすぐに取り返すことや、守備側がポゼッションをする中でそこからボールを奪い切るところまで、トレーニングの一連の流れではセットで設定されている。攻守一体のシームレスなトレーニングがここまでは多くなっているのだ。
チームのベース
川崎Fで数々のタイトルを獲得し、日本国内での実績はトップレベルであるクラブOBの鬼木達監督が就任がしたことで、覇権奪回に大きな期待のかかる今季の鹿島。ただ、戦い方にマイナーチェンジはあれど、大きく変化することはないだろう。攻守の切り替えで主導権を握りながら、縦に速い攻撃をストロングとしていくことは、今季も継続していくはずだ。
そんな中で鬼木さんに期待されるのは「日常」の底上げである。練習を観ていても、鬼木さんが目指す形をやり遂げるには一つ一つのプレーの質を上げていくことが必要不可欠であることは間違いなく感じられ、そのためにはボールの持ち方、パスの精度の高さ、トラップの質、といったところが良くなることは必須条件だ。パス&コントロールの練習が増えたり、選手たちが居残り練習でそういったことに取り組んでいるのは、鬼木さんが強制させているというよりは、やりたいことをやるにはそういう部分ができるようにならないとダメだよね、っていうことを各自が実感しつつあるからであろうし、そうした意識づけがされているからであろう。
その意識付けの中で一つ一つのプレーの質に対するこだわりが生まれ、そこに対しての要求水準が高くなっていけば、個々のレベルは自然と上がっていくはずだ。鬼木さんは魔法使いではないし、やっていることも突飛なことでは全くないし、元々のクラブの戦い方もオーソドックスなものだ。だからこそ、個々のレベルが上がっていくことは、チーム力の強化に直結しやすくなる。個々の最大値を高めていくことで、それが積み重なったチームはより大きな値を持って戦えるようになり、それを相手にぶつけていくことで勝負していく。今季の鹿島はそんなチームを目指して戦っていくことになるはずだ。
そんな中で鬼木さんに期待されるのは「日常」の底上げである。練習を観ていても、鬼木さんが目指す形をやり遂げるには一つ一つのプレーの質を上げていくことが必要不可欠であることは間違いなく感じられ、そのためにはボールの持ち方、パスの精度の高さ、トラップの質、といったところが良くなることは必須条件だ。パス&コントロールの練習が増えたり、選手たちが居残り練習でそういったことに取り組んでいるのは、鬼木さんが強制させているというよりは、やりたいことをやるにはそういう部分ができるようにならないとダメだよね、っていうことを各自が実感しつつあるからであろうし、そうした意識づけがされているからであろう。
その意識付けの中で一つ一つのプレーの質に対するこだわりが生まれ、そこに対しての要求水準が高くなっていけば、個々のレベルは自然と上がっていくはずだ。鬼木さんは魔法使いではないし、やっていることも突飛なことでは全くないし、元々のクラブの戦い方もオーソドックスなものだ。だからこそ、個々のレベルが上がっていくことは、チーム力の強化に直結しやすくなる。個々の最大値を高めていくことで、それが積み重なったチームはより大きな値を持って戦えるようになり、それを相手にぶつけていくことで勝負していく。今季の鹿島はそんなチームを目指して戦っていくことになるはずだ。
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