地方競馬では1月～3月の土曜日、ナイター競馬(平地)は佐賀競馬のみでの開催となります。
各地で雪が降って冬らしくなってきた今日この頃、夜は暖かい自宅や居酒屋でのんびりしながら競馬を楽しむのも冬ならではの楽しみ方です。

今夜の佐賀競馬の最終レースは20時50分発走予定。
3連休初日、JRAが終わった後もたっぷり楽しめます。

その佐賀最終レースに特化したデータ分析を行うのが競馬リポーターの大恵陽子氏。
JRA・地方競馬、両方に精通した彼女が「大恵総合研究所・佐賀支部」なるものを立ち上げて、予想の一助となるデータを調べています。

スポーツナビをご覧のみなさん、こんにちは。
競馬リポーターの大恵陽子です。

今日の地方競馬は佐賀競馬のみの開催。思う存分、楽しみましょう！
最終レースはC2クラスの一戦。佐賀の最終レースは何種類かあるのですが、その中で最も一般的な、特別な条件がつかないレースとなります。

直近1年で今夜と同じ「C2クラス」「1400m」の最終レースは23レース行われました。
1番人気の勝率は56.5％と非常に高く、3着内率に至っては91.3％。基本的に1番人気を軸に狙ってよいでしょう。

ただ、数時間前に馬券を仕込んでおきたい人にとってはどの馬が1番人気になるかがかえって分からないことも。
特に佐賀競馬ではパドック周回以降にオッズが変動しやすいので、注意が必要です。
そこで参考となるのが佐賀競馬公式HPに掲載のさがけいば無料ネット新聞「うまかつ.net」。ここでの印から上位人気を推測するのも一手でしょう。

なお、単勝3番人気以内の馬が3着以内に複数頭入ったレースは23レース中14レースと過半数。
1番人気だけでなく上位人気馬はしっかり押さえたいところです。

脚質別では、二つの特徴が見えてきました。

一つ目は逃げ馬の好走率。
下表の通り9勝を挙げ、2着5回で連対率は60.9％。地方の小回りコースにおいて逃げ馬は基本的に上位人気にも推されやすいですから、前項の内容と重なる部分もあります。

一方で、差し馬もしっかり上位入着を果たしています。
今夜と同条件の最終レース23レース中18レースにおいて、「1コーナー6番手以下の馬が3着以内」に入っていました。
地方の小回りコースだからと言って、中団以降から運ぶ馬を切るのは早計だと言えます。

では、差し馬はどのレベルだと狙えるでしょうか。

今夜の最終レースは一般的なC2クラスのレースのため、昨年1年間での「C2クラス」「1400m」の差し馬の上がり3ハロン別成績をまとめたのが下表です。
なお、上がり3ハロンは馬場状態によってタイムの出方が変化します。今夜の出走馬たちの近走はほとんどが良や稍重のため、馬場状態はその2つに限定しました。

信頼を置けるのは39秒台前半より速い上がりを出した馬。
39秒台前半の場合、勝率28.3％、連対率41.3％、3着内率69.6％と、過半数で馬券圏内に入っていました。
近走成績が4着以下であっても39秒4以下の末脚を使えた馬がいれば、相手関係や展開次第で3着以内に入る可能性が高そうです。

軸は⑫ブッシュテソーロ。
さがけいば無料ネット新聞「うまかつ.net」を見ても、おそらくこの馬が1番人気でしょう。
それもそのはず。移籍初戦の前走が非常に強い内容でした。ゲート内でゴソゴソしてジャンプスタートとなりましたが、向正面までに徐々に位置取りを上げると、ゴールまで末脚が衰えることなく勝ち馬に半馬身差まで迫る2着。出遅れさえなければ圧勝していたのでは、と思える内容でした。
同馬はJRA未勝利→佐賀で3勝→JRA1勝クラスに転入→佐賀に再移籍という経歴で、以前佐賀に在籍していた3歳時は同日の古馬C2クラスより速いタイムで勝利。
さらに鞍上の石川倭騎手(門別、期間限定騎乗中)は年明け3日間開催を終えて連対率42.1%と信頼を置ける騎乗ぶりです。

逃げ馬からは③セブンセコンズを狙いたいです。
3走前は3コーナー過ぎで後続に交わされるとパタリと止まってしまい11着でしたが、ここ2走はしっかり粘れています。
佐賀競馬では賞金によりクラス分けしているため、勝っても同クラスという場合があり、同馬もそのパターン。同じC2クラスの中でも相手関係はやや強化されますが、前走の勝ちタイムはこのメンバーで比較しても悪くなく、内枠からの粘り込みに期待です。

差し馬からは②マティルデ。
直近5走中4走で上がり3ハロン39秒0以下の末脚を繰り出しています。後方からとなるため、届くかどうかは展開次第にもなりますが、末脚は確実。

位置取りと末脚から信頼を置けるのは⑦カイマナエレエレ。
直近5走中4走で中団より前から運び、上がり3ハロン39秒0以下で3着以内に入っています。こちらはある程度前のポジションで運べるため、展開に左右される心配が少ないです。不安材料は約1カ月半ぶりということ。しかし、「うまかつ.net」の陣営談話では「乗り込みは問題なくできている」とのこと。
近走通りの走りができれば、前走タイムからも期待が高いです。

上位人気での決着が多いレースなので、なるべく点数は絞りたいところ。
3連単フォーメーション
⑦⑫→②③⑦⑫→②③⑦⑫　12点

文・大恵陽子（おおえ ようこ）
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック！地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。