【スキー】伝統のジャンプ週間 最長飛距離で2万5500人の度肝を抜いた二階堂選手「本当に楽しかった」 初参戦の小林朔太郎選手は元王者をKO!

チーム・協会
 スキージャンプのワールドカップ(W杯)男子は12月29日から1月6日にかけて年末年始伝統のビッグイベント、ジャンプ週間が行われました。
 ドイツとオーストリアを舞台に4試合8本のジャンプの合計得点で争うジャンプ週間、今季はオーストリアの3選手が僅差で優勝を争う手に汗握る展開となり、ダニエル・チョフェニック選手が劇的な逆転で初の総合王者となりました。

 日本チームは6選手が参戦。ジャンプ週間総合優勝3度、前回覇者の小林陵侑選手(TEAM ROY)は総合15位で、中村直幹選手(Flying Laboratory SC)が自己最高の19位で続きました。

〇ジャンプ週間総合順位
15位 小林陵侑
19位 中村直幹
27位 二階堂蓮(日本ビールスキー部)
34位 小林朔太郎(雪印メグミルクスキー部)
41位 佐藤慧一(雪印メグミルクスキー部)
50位 内藤智文(山形県スポーツ協会)

※リンク先は外部サイトの場合があります

ジャンプ週間に参戦した男子ジャンプチーム 【全日本スキー連盟ジャンプチーム】

第1戦 オーベルストドルフ(ドイツ)

 開幕戦のオーベルストドルフ大会(12月29日)は6選手全員が予選を突破。予選上位と下位が1対1で対戦し、勝者が2回目に進む1回目のノックアウトラウンドでは内藤選手(予選20位)vs二階堂選手(31位)、小林陵侑選手(11位)vs中村選手(40位)と、日本チーム対決が2組という珍しい展開に。1996年生まれの同級生対決は0.7ポイント差で小林陵侑選手に軍配が上がりましたが、中村選手も危なげなく5人のラッキールーザー枠に入り2回目進出を決めました。

 開幕戦で満員御礼2万5500人の大観衆を沸かせたのが二階堂選手。2回目にこの試合最長となる142メートルのビッグジャンプで大観衆を騒然とさせると「今までで最高のガッツポーズ」も決まり、23位まで順位を上げました。

〇第1戦結果
17位 中村直幹
18位 小林陵侑
23位 二階堂蓮
36位 佐藤慧一
38位 小林朔太郎
47位 内藤智文



 2万5500人が「ウォオオオオオッッ!!!」二階堂選手142メートルの大飛行

第2戦 ガルミッシュ・パルテンキルヒェン(ドイツ)

 元日のガルミッシュ・パルテンキルヒェン大会では二階堂選手と小林朔太郎選手がKOラウンドで対決、二階堂選手が2戦連続でチームメイト対決を制しました。日本勢最高は初戦に続き中村選手で、2シーズンぶりのトップ15入りとなりました。

〇第2戦結果
12位 中村直幹
13位 二階堂蓮
28位 小林陵侑
35位 小林朔太郎
37位 佐藤慧一

第3戦 インスブルック(オーストリア)

 初めての海外W杯がジャンプ週間となったのが複合から転向した小林朔太郎選手。KOラウンドでは二階堂選手だけでなく、3戦目は2シーズン前のジャンプ週間王者でW杯総合優勝2度のハルボルエグネル・グラネル選手(ノルウェー)、最終戦は北京五輪ノーマルヒル銅メダリストのカール・ガイガー選手(ドイツ)と、難敵ばかりを引くことに。「いつも通りのメンタルで挑もうと試みたが、やはり格上の相手が横にいて少し身体に力みが出てしまった」という中で、4日のインスブルックではグラネル選手を倒して2回目進出!ジャイアントキリングを成功させ、初のW杯ポイントを獲得しました。

〇第3戦結果
20位 小林陵侑
21位 中村直幹
29位 小林朔太郎
37位 佐藤慧一

第4戦 ビショフスホーフェン(オーストリア)

 6日のビショフスホーフェン最終戦は、体調不良でインスブルック大会を欠場した二階堂選手が1回目18位から2回目に大きく順位を上げて10位。病み上がりにもかかわらず今季4度目のトップ10入りとなりました。

〇第4戦結果
10位 二階堂蓮
24位 小林陵侑
31位 中村直幹
40位 佐藤慧一
41位 内藤智文
42位 小林朔太郎

 作山憲斗ヘッドコーチ
「どうしても陵侑の成績に目がいってしまうが、ほとんどの選手がきちんと(W杯)ポイントを獲れていて、チーム全体としては上がってきている。(下部大会の)コンチネンタル・カップに回った選手もしっかり結果を出してくれて、チーム全体がバチバチ競争しながら、いい緊張感を持って切磋琢磨している。いまチームの雰囲気はとてもいいと思います。陵侑もだいぶ良くなっている。もう腰痛の影響は全くなく、(助走)ポジションが本人の感覚と合うのにあと少しだけというところ。そこがしっかり合えばいけるはず。札幌でしっかり調整してオーベルストドルフから戻ってきてくれると思う」

 二階堂蓮
「ジャンプ週間を振り返って、率直に物凄く悔しいです。体調不良でのインスブルック欠場もすごく悔しかったですし、周りのレベルの高さにまだ追いつけていないことを痛感しています。オーベストドルフでの2本目のジャンプは本当に楽しかったです。やっと自分の思ったジャンプができたという気持ちでしたし、着地直後のガッツポーズは今までしたガッツポーズの中で一番最高でした」

 小林朔太郎
「2万5000人の観客へ飛び込むのは、楽しいと緊張が共存している場所でした。初のジャンプ週間でポイントを獲得できたのはとても嬉しく成長だと思っていますが、同時にトップとの差を目の当たりにして、悔しい気持ちの方が上回っています。まだシーズンは続くので、ランキングを上げられるようコーチとジャンプを作りあげていこうと思います。ジャンプ週間でしかKOはないので、いつも通りのメンタルで挑もうと試みていましたが、やはり格上の相手が横にいて、直接対決となると少し身体に力みが出てしまったことも確かです。そのような部分ではまだまだ経験も足りていませんし、メンタルも成長させなければいけないと痛感しました」

 男子ジャンプチームは2か月近い長期遠征を終え一時帰国。次戦1月18、19日のポーランド・ザコパネ大会から出場します。
(小林陵侑選手はザコパネ大会には出場せず日本で調整し、1月25、26日のドイツ・オーベルストドルフ大会から出場する予定です)

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント