殊勲のタックルを決めた中楠一期。自信となった同学年ライバルの存在

リコーブラックラムズ東京 中楠選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

ともに開幕戦を落とし、今季初勝利を懸けて臨んだ第2節、リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)対東京サントリーサンゴリアス(東京SG)戦。後半40分経過を告げるホーンが秩父宮ラグビー場に鳴り響いた時点で、33対32とBR東京がわずかに1点をリード。プレーが切れれば勝利となるが、逆転を狙う東京SGの猛攻が続いた。

迎えた後半43分。東京SGは左サイドのライン際、この日すでにハットトリックを決めていた絶好調男・河瀬諒介にパスがとおる。逆転サヨナラトライが決まると思った瞬間、真横からのタックルでこれを阻止したのがBR東京の10番、中楠一期だった。

「10番はあまり体格が大きくない場合が多いからこそ、逆に10番がタックルできないと狙われてしまう。その点は代表でも言われた部分なので、週の中で必ずタックル練習を組み込んでいます」

リコーブラックラムズ東京 中楠選手(左) 東京サントリーサンゴリアス 河瀬選手(右) 【©ジャパンラグビーリーグワン】

殊勲のタックル以外でも、この日はトライにキックに八面六臂の活躍だった中楠。この秋、本人も「信じられなかった」と語るサプライズ選出で日本代表合宿を経験できたことで、中楠の中で意識改革が起きていた。

「代表合宿では高いスタンダードで練習できた。チームに戻ってからも、練習のコンタクトでも日常生活でもそのスタンダードを下げないように意識しています」

2000年生まれの中楠の同学年には、李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)や家村健太(静岡ブルーレヴズ)ら、若くしてリーグワン各チームで司令塔役を務める選手が多い。その中で、中楠自身は学生時代から華々しい注目を集めてきたわけではない。むしろ、世代トップランナーの評価を受けてきたのは、この日の試合で対峙した東京SGの10番、昨季リーグワン新人賞の髙本幹也だろう。

「今日の試合でも(髙本は)やっぱりうまいなと感じました。高校生から知っている仲ですし、花園でもそれ以降も10番同士、対面で試合をして負けてばかり。その強い同期に対し、チームとしてやるべきことをやって勝てたことは自信になります。今日の試合、下馬評ではサンゴリアスが強い、という印象だったと思いますが、僕らはどのチームにも勝てる力がある。とにかく毎週、いい準備をしていくだけです」

一方の東京SGにとって、開幕2連敗は20年ぶりのこと。あらためて今季のリーグワンが群雄割拠、レベルの差がなくなっていることを示す結果と言える。その均衡する戦いの中、それぞれの世代のライバル同士が切磋琢磨することで、さらにリーグワンのレベルも高まっていく…。そんなことを感じさせる一戦だった。

(オグマナオト)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、ラグビー日本最高峰リーグです。 日本代表選手や海外のスター選手が数多く在籍し、世界トップレベルのラグビーをご覧いただけます。 ラグビーファンの方も、ラグビーの試合をまだ観たことのない方も、ラグビー観戦は決して難しいものではありません! 2024-25シーズンのスローガンは「Welcome to Rugby 世界最高峰の熱狂を一緒に楽しもう」。 お一人さまでも、ご家族・友人と一緒でも、それぞれの「リーグワン」をお楽しみください。スタジアムでお待ちしています!

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント