殊勲のタックルを決めた中楠一期。自信となった同学年ライバルの存在
リコーブラックラムズ東京 中楠選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
迎えた後半43分。東京SGは左サイドのライン際、この日すでにハットトリックを決めていた絶好調男・河瀬諒介にパスがとおる。逆転サヨナラトライが決まると思った瞬間、真横からのタックルでこれを阻止したのがBR東京の10番、中楠一期だった。
「10番はあまり体格が大きくない場合が多いからこそ、逆に10番がタックルできないと狙われてしまう。その点は代表でも言われた部分なので、週の中で必ずタックル練習を組み込んでいます」
リコーブラックラムズ東京 中楠選手(左) 東京サントリーサンゴリアス 河瀬選手(右) 【©ジャパンラグビーリーグワン】
「代表合宿では高いスタンダードで練習できた。チームに戻ってからも、練習のコンタクトでも日常生活でもそのスタンダードを下げないように意識しています」
2000年生まれの中楠の同学年には、李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)や家村健太(静岡ブルーレヴズ)ら、若くしてリーグワン各チームで司令塔役を務める選手が多い。その中で、中楠自身は学生時代から華々しい注目を集めてきたわけではない。むしろ、世代トップランナーの評価を受けてきたのは、この日の試合で対峙した東京SGの10番、昨季リーグワン新人賞の髙本幹也だろう。
「今日の試合でも(髙本は)やっぱりうまいなと感じました。高校生から知っている仲ですし、花園でもそれ以降も10番同士、対面で試合をして負けてばかり。その強い同期に対し、チームとしてやるべきことをやって勝てたことは自信になります。今日の試合、下馬評ではサンゴリアスが強い、という印象だったと思いますが、僕らはどのチームにも勝てる力がある。とにかく毎週、いい準備をしていくだけです」
一方の東京SGにとって、開幕2連敗は20年ぶりのこと。あらためて今季のリーグワンが群雄割拠、レベルの差がなくなっていることを示す結果と言える。その均衡する戦いの中、それぞれの世代のライバル同士が切磋琢磨することで、さらにリーグワンのレベルも高まっていく…。そんなことを感じさせる一戦だった。
(オグマナオト)
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