勝って多くの人を笑顔に。宿敵との一戦で、“飢える大男”が返ってくる

清水建設江東ブルーシャークス ジョシュア・バシャム選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

12月28日(土)、清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)は、江東区夢の島競技場でのホストゲーム開幕戦で九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)を迎え撃つ。この試合は、江東BSにとって単なるホスト開幕戦ではない。過去の悔しさを胸に、江東BSがディビジョン2で再び相まみえる“運命の一戦”だ。

江東BSには、九州KVに勝たなければならない理由がたくさんある。

2023年5月、江東BSは九州KVとのD2/D3入替戦で苦杯をなめた。ホストでの第1戦は0対48の大敗。ビジターでの第2戦で17対12と勝利し意地を見せたものの、合計スコアで下回り、D3への降格を余儀なくされた。選手やスタッフにとって、あの記憶はいまでも鮮明だ。特に、当時運営スタッフだった吉廣広征ヘッドコーチ兼マーケティングリーダーは、ホストの地で目にした悔し涙を流すボールパーソンの姿をいまでも忘れられないという。それでも、江東BSは昨季D3で奮闘し、今季ついにD2の舞台へと返り咲いた。

そんなチームの歴史とは別に、この試合に特別な思いをもって挑む選手がいる。

ディフェンスリーダーのジョシュア・バシャムだ。2018年にはイングランドU20代表のキャプテンを務め、名門ニューカッスル・ファルコンズで活躍してきた男は、昨季から新天地・日本での挑戦を始めた。しかし、その初戦でひざの大けがを負い、リハビリに専念することになった。さらに、復帰を目前に控えた今年の夏、プレシーズンマッチを前に今度は足首を負傷してしまう。

「『プレシーズンマッチに出られる』とすごく楽しみにしていたところで2回目のけがだったので、本当に悔しい思いをしました。ただ、仲間たちがけがをしてすぐに連絡をくれるなど、自分のことを思ってくれるというその気持ちがすごくありがたかった。それがとても自分にとっての励みになった」

二度の大きな壁を乗り越え、復帰戦となる今節。吉廣ヘッドコーチ兼マーケティングリーダーも「(九州KVは)モールに強みをもっている。その押し合いの部分で、ジョシュアとエド(エド・ホームズ)のフィジカルは大きな役割を果たしてくれると思います」と大きな期待を寄せれば、ジョシュア・バシャム自身も「プレーができなかったことによって、『もっとプレーをしたい』という気持ちがあります。復帰にあたって、そういう気持ちをチームに還元し、チームのモチベーションを盛り上げて前向きな雰囲気をもってこられていると思います」と意気込んでいる。

この試合は『海幕戦』と銘打ち、多彩なイベントが予定されている。ファンにとっても待ち望んでいたホスト開幕戦。一人でも多くの笑顔を見るために──。やはり、勝たなければならない理由がたくさんある。

(奥田明日美)
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