【スポンサーインタビュー】夢は日本でのアジア大会開催。社会性のあるソサイチの魅力を伝えていきたい/共和ゴム株式会社
アジア大会前に行われたソサイチ日本代表壮行会の様子 【©️Japan Football 7】
そのソサイチ日本代表が2023年からサポートを受ける共和ゴム株式会社の寺阪剛代表取締役に、競技の魅力やサポートの経緯、双方で生まれている好循環について伺った。
アジア連覇のソサイチ日本代表に改めて「おめでとう」を伝えたい。
共和ゴム株式会社・寺阪剛代表取締役 【©️Japan Football 7】
寺阪:前情報ではフィリピン代表がとても強い、日本代表を倒すためにドリームチームのようなものを作って臨むと聞いていました。前回は優勝したものの、そういった相手に対して優勝できるのかと少し心配でしたが、実際に試合を見てみると決勝戦も含めて本当に素晴らしい内容で、改めて「2連覇達成おめでとうございます」という気持ちです。
ソサイチの選手はプロではなく社会人ですが、そういった選手たちが日本を代表して日の丸を背負い、世界で戦って優勝するというのは、やはりとてもすごいことだと思います。僕も日本からライブ配信やSNSで見ていましたが、一緒に最高の思いを味わえたと思っています。
ー帰国後の選手たちとは会いましたか?
寺阪:まだ選手とは会えていないのですが、ソサイチ連盟からの報告はいただきました。実は大会のときは出張中だったんです。展示会があり、営業スタッフも来ていたので、会議を早く切り上げて何人かで部屋へ集まって試合を見ました。本当に楽しくて、すごく盛り上がりました。
ー勝ち上がっていくにつれて相手のモチベーションも実力も上がり白熱した試合が増えました。特に印象に残っている試合はありますか?
まずは、1戦目のブルネイ戦ですね。調子がまったく良くなくて、大丈夫かなって思ったんです。でも、サッカーのワールドカップでも、ブラジル代表やアルゼンチン代表が予選リーグで調子が悪かったり負けたりしても最後には優勝する、ということがあります。まだ1戦目なので、これからではないかと思って見ていました。
あとはベトナム戦。弊社は4人のベトナム人を雇用しているので、注目していました。「最近はベトナムもサッカーのレベルが上がり強くなっている」と聞いていたので、楽しみにしていました。そのベトナムに日本が大差で勝ち、とても強いと聞いていたマレーシアに対してもすごくしっかりとゲームメイクをしていたので、決勝戦は「きっと勝ってくれるだろう」と、安心して見ることができました。
ベトナム人従業員から始まったソサイチとのつながりとは。
アジア大会で対戦したソサイチベトナム代表 【©️Japan Football 7】
寺阪:僕もサッカーはやっていましたが、コロナの影響でしなくなりました。社員の中には元JリーガーやJFLでプレーしていた選手もいますが、すでに引退しているので、共和ゴムとしてサッカーチームがあったわけではありません。ベトナム人が入社してきて話をしている中で「サッカーがやりたいです」「自信があります」と言われました。フットサルではちょっと物足りないけど、11人制サッカーでは人数が集まらない、という話になったところで「7人制サッカーはちょうどいいカテゴリーだよね」って。最初は「社長、やりたいです」って言われたから仕方なく、どちらかと言うとネガティブな始まりでした。
チームを作ったらまずは大会、ということでエフチャンネルのワンデー大会に出場しました。成績は良くなかったんですが、すごくおもしろかったので「今度はリーグに登録してみよう」となりました。
ー共和ゴムで働いている外国人従業員の方々は、職場環境だけでなく会社の仲間と試合に出ていることも、離れて暮らす家族に話しているんですよね?
寺阪:そうなんです。そこで「ソサイチ連盟はすごいな」と思ったのは、リーグ戦の写真や映像を撮ってチームや選手に展開してくれることです。彼らはそういった画像や映像をお父さん、お母さん、親戚や友達に送っています。日本で暮らして、日本人と一緒にリーグ戦に出ている。きっと「めちゃくちゃ活躍している」「俺がエースだ」なんて言っているんじゃないかな(笑)。
ー日本で楽しんで生活していることが伝われば、家族も安心できますね。
寺阪:はい。会社の飲み会とは別にソサイチチームの共和ゴムFCだけでも飲み会をするなど、すごく仲良くさせてもらっています。
ソサイチの語源は「Society」。社会性のある競技特性を生かし、相乗効果を生み出す。
ソサイチ日本代表のユニフォームと提供品であるコンディショニングツール「アクシスフォーマー」 【©️Japan Football 7】
寺阪:ソサイチ連盟から「第1回アジア大会に出るのでスポンサーを探しています」とお話をいただいたことがきっかけです。社会人のリーグに日本代表があることも驚きましたし「ちょっとしたエンジョイの大会にでも行くのかな」と思って話を聞くと、監督、コーチ、メディカルトレーナーを置いていたり、サッカーでもそれなりの経歴を持つ選手がいたり「そういった方々が出るのであればサポートしてみよう」と、ソサイチ日本代表のスポンサーになりました。その後、世界大会にも出場することになり協力をさせていただき、今年で2年目ですね。
ースポンサー年数としては2年と浅い中で、さらに共和ゴムカップやKT7など、ソサイチの各種大会を主催されています。女性の大会、関西中心の大会などグラスルーツに特化した大会を行うようになったきっかけはありますか?
寺阪:ソサイチは語源が「Society」であるように社会性があるスポーツなので、そういった特性がとてもいいと思っていました。選手が社会人でありながらがんばっているところも応援しています。ソサイチ連盟ではこれまで冠カップを開催したことがないと聞き、運営体制がしっかりしているのでスポンサー料をお支払いして運営をお願いし、発信も強化しながら我々の知名度も上げていければと考えました。
私たちは製造業でB to Bの仕事が多いのでSNSの発信は必須ではないものの、商談のことを考えれば絶対に取り入れたいと思っていました。SNSを始めたのもちょうど2年ぐらい前ですが、B to Bの商材をSNSに上げるとなると頻度も少なくマニアックな内容になってしまうんですね。なので、もっと垣根を低くして「共和ゴムはこういうおもしろいことや社会貢献をしている会社です」と多くの人に見ていただいて、直接商売には繋がらなくてもファンを作っていけるのではないか、と。
あとは意外と既存の取引先の社員さんが弊社のSNSをよく見てくれていて、打ち合わせの席でも「こんなことがアップされていたね」「おもしろいね」と言ってくれるようになってきています。我々はB to Cの商品も作っていますし、子会社でよしかファームというトマトの農場も経営しているので、情報発信は力を入れていかなくてはいけないと考えています。ソサイチ連盟もSNSがこまめに更新されたり、映像が配信されていたりしますよね。私たちが協働することで、お互いの知名度を上げる相乗効果になるといいのではないかと思っています。
夢は日本での国際大会開催。競技の魅力を伝えたい。
日本での開催が望まれるアジア大会 【©️Japan Football 7】
寺阪:これまでのスポーツとの関わりは、スポンサー料をお支払いするだけという関係がメインでした。しかし、ある女性社員から「せっかくスポーツ団体と組んでいるんだからもっとPRしないとダメですよ」と意見が上がり、最初はそういった発想はなかったんですが、いろいろなことに取り組むようになりました。
ソサイチ連盟は紳士的で協力的な団体なので、そういったことが見えてきたことがまず収穫でした。さらに、今年のアジア大会前には、我々の提案でスポンサーや選手を集めた壮行会を開いていただきました。そうやってアイデアを出し合える関係が構築できていると感じていますね。
ーそれでは、これからソサイチ連盟に望むことや一緒に取り組んでいきたいことはありますか?
例えば、ソサイチにはリーグ戦はあるんですが、カップ戦がないんですね。今は日程的に難しいかもしれませんが、そういった大会の実施もいいかもしれません。あとは国際大会ですね。アジア大会は2回とも海外でした。いきなり世界は難しいかもしれませんが、アジア大会を日本で開催できたらすごくおもしろいんじゃないかな、と。もし、日本でアジア大会を開催できて、我々が少しでもスポンサーなどで関わっていられたら、取引先の社長さんや社員さんを呼んで「一緒に見ましょう」とツアーを組めるかもしれません。国外の大会を応援しに行くのは少し敷居が高いですが、日本で開催ができて周りの方を連れていくことができれば、スピーディーで飽きることのない競技の魅力を伝えられるのではないかと思います。
日本ならではの、富士山が見える会場だったり、京都など神社仏閣の近くであったり、そういったところで国際大会を開催することができたら楽しいだろう、と思います。これからもソサイチ連盟との協働に期待しています。
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