佐賀版・有馬記念は前走1着の大型馬が狙い目!?/佐賀・中島記念データ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2023年優勝ヒストリーメイカー 【撮影:佐賀県競馬組合】

第40回中島記念(3歳以上、ダート1800m)
12月22日佐賀6レース 18時05分発走


今年も佐賀版・有馬記念がやってきた。歴代最多得票数を得たドウデュースがラストランを走り終えた約2時間半後、佐賀競馬場でもファン投票により選ばれた馬たちが中島記念を駆け抜ける。
今年はJBCクラシック4着直後に佐賀に移籍したシルトプレが移籍初戦を迎えるなど好メンバーが集まった。
ここでは過去10回のデータを元に分析する。

数字以上に1番人気の信頼度高し

過去10回で単勝1番人気が4着以下となったのは2回なのだが、実質的には1回のみ。というのも、21年は1番人気が競走中止をしたのだ。残る1回は17年1番人気スーパーマックスの5着で、同馬は当時3歳での挑戦だった。
3連単万馬券は10回中5回で、万馬券とならなかった5回のうち4回は3000円未満の配当と、極端な結果となっている。

単勝人気別成績 【表1】

逃げが好成績も、近年は傾向変化の兆し?

舞台となる佐賀ダート1800mは向正面に入ったところにゲートが置かれ、コーナー6回、コースを1周半する。脚質別では逃げ5勝なのだが、これには精査が必要。その理由は15年~20年が3着内率100%に対し、直近3回は4着以下に敗れており、傾向が変化している可能性があるからだ。
逃げ馬の不振を裏付けるように直近5回では差し・追込が好成績。最初のコーナーを7番手以下で回った馬が毎年3着以内に入っている。

佐賀競馬場 【コース図】

脚質別成績 【表2】

真ん中より外か、内枠なら逃げ・先行

コーナーが6回と多いコースになるが、馬番別成績はどうだろうか。好走率が高いのは8番や9番といった真ん中より外目の枠。大外すぎると道中で3頭外を回されるなど距離ロスが大きくなりすぎるリスクもあるが、8~9番くらいであれば内で包まれることなく、動きたいタイミングで追い出しすることができるのが利点だろう。
内目の2番と3番も好走しているが、こちらは逃げ・先行での好走がほとんどという点は留意しておきたい。

馬番別成績 【表3】

有馬記念と異なり3歳馬は苦戦傾向

馬齢別では4歳~5歳が好成績。特に4歳は3着内率50%と高い確率を誇る。また好成績の9歳馬はグレイトパールやヒストリーメイカーなど実績馬が上位入着することが多かった。
一方で、3歳馬は未勝利。単勝人気の項で触れた通り17年は3歳のスーパーマックスが1番人気に支持されながらも5着。その年の九州ダービー栄城賞を勝った3歳王者だったが、古馬の壁は厚かった。

馬齢別成績 【表4】

大型馬は積極的に狙いたい

古馬王者を決める戦いとあって、しっかり馬格のある馬が好成績。大型馬になるほど好成績を残す傾向にあり、連対率、3着内率ともに500kg台後半が飛び抜けていい数値を出している。超大型馬とも言える体重の馬たちで、佐賀で思い浮かぶのはグレイトパール。ただ、500kg台後半で3着以内に入った5回中同馬は2回のみで、他は22年2着シャンパンクーペなど異なる3頭だった。

馬体重別成績 【表5】

クラス・距離不問で、とにかく前走勝ち馬

成績から好走馬を探る。中島記念の前哨戦は、佐賀競馬公式HP中島記念特集ページのレース体系に表記の通り、11月の九州大賞典だ。そこで同レース3着以内の馬の成績を見てみると、4勝、2着3回、3着3回だった。
もう一つ、前走勝ち馬に注目してみると、当レースで7勝を挙げていた。これに関しては前走のクラスや距離などは不問で、16年勝ち馬のキョウワカイザーのようにA1・A2の1400m1着から中島記念を制した馬もいた。必ずしも中長距離での成績や重賞での好走歴にこだわらなくてもいいのかもしれない。

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キャリア別成績 【表6】

このコースが得意な騎手は?

最後に中島記念と同じ佐賀ダート1800mが得意な騎手を探る。下表は直近3年(2021.12.17~2024.12.16)での騎手別成績。山口勲騎手を筆頭にリーディング上位騎手が好成績を収める。石川倭騎手はホッカイドウ競馬所属だが、冬季に佐賀で期間限定騎乗をするのはすっかりお馴染みとなっており、同コースは勝率40%を誇る。

騎手別成績 【表7】

データからの推奨馬は?

①1番人気
②8番、9番の差し・追込タイプ
③内枠の先行馬
④4歳、5歳馬
⑤500kg以上の馬。550kg以上ならなお良し
⑥前走勝ち馬or九州大賞典3着以内

1番人気はおそらくシルトプレ。JRAに遠征したエルムSでは2年連続で後方から追い込んで掲示板に入ったほか、前走のJBCクラシックでも末脚を伸ばして4着だった。ただ、後方待機はJRA馬相手の場合で、地方馬同士であれば逃げ・先行するレースが多い。決して出脚が遅いわけではないので、3枠3番という内目の枠も苦にしないだろう。鞍上の石川倭騎手は前項で述べた通り何度も当地で期間限定騎乗を行っており、このコースも得意。①③④に当てはまる。

アエノブライアンは好位につけてしまいの脚も使える馬。重賞も2勝を挙げており、3着以内に入着という点で信頼度が高い。レース展開としてはおそらくロンドンテソーロが逃げる見込みで、その後ろを取れそうだ。吉村智洋騎手は前走・九州大賞典に続いての騎乗。前走は521kgで、③⑤⑥に該当。

テイエムフォンテは取捨が難しい。1400mの重賞で2着があること、また逃げ・先行が多いことから、今回の1800mはやや長いかと思う一方、JRA時代は1800mで1勝クラスを勝っており、難なくこなせる可能性もある。前走501kgで、③④⑤に当てはまる。

マイネルサハラは移籍2戦目。5歳馬で1400mの前走を勝っており、④⑥に該当。②からはブルーアロー、移籍後3連勝中の4歳馬・ビキニボーイは前走515kgで、④⑤⑥と多くの項目に当てはまり、好走率の高い8番枠に入った。

第40回中島記念 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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