熊本ヴォルターズは開幕からの成績不振を受けてジェフリー・ヒロナカヘッドコーチが辞任したが、遠山向人HCが復帰して臨んだ前節は、愛媛オレンジバイキングスに26点差で勝利。今シーズン初の連勝となった。キヘイ・クラークがインジュアリーリストに入ってしまったものの、代わって戦列に戻ったジャメール・マクリーンが2カ月ぶりにコートに立ち、12得点で勝利に貢献したことも明るい話題だ。

　その熊本は今節、鹿児島レブナイズをホームに迎え、リーグ戦では8シーズンぶりとなる隣県対決に臨む。鹿児島はアンソニー・ゲインズ・ジュニアという絶対的エースが存在する一方で、序盤から試合を優位に進めて4連勝を飾った前節も5人が2ケタ得点を挙げるなど、オフェンスのバランスが良くなっている。目立った負傷者がいないのがその要因。先日練習生から選手契約を勝ち取ったばかりの秋山慶哉を除く全員が、24試合中22試合以上に出場している。

　マクリーンの戦列復帰で反転攻勢をかけたい熊本としては、鹿児島のバランスを崩すことが勝利への最善の道。果敢に攻めて鹿児島のファウルトラブルを誘うことができれば、相手のゲームプランを狂わせることになるだろう。インサイドの起点となるミッチェル・ライトフットを軸に、日本人選手の積極的なアタックも絡めたいところだ。昨シーズンは不本意なシーズンとなった最古参の本村亮輔が強い気持ちをプレーで見せられるか。

　連敗ストップも束の間、福島ファイヤーボンズは前節に121失点で42点差を付けられる大敗を喫した。対するバンビシャス奈良も、勝率5割が見えてきていたところから4連敗中で、借金は6まで増えた。第7節での両チームの対戦は、奈良のホームで痛み分け。福島はインサイドで優位に立ったが、現在ミカエル・ホプキンスが2試合欠場中とあって、ラポラス・アイヴァナーカスの負担をいかに減らすかが問われることになる。

　連勝街道を走るライジングゼファー福岡に逆転負けを喫した信州ブレイブウォリアーズは、第7節で1勝1敗に終わった富山グラウジーズとの再戦。富山は前節に今シーズン最多となる121得点で福島を破っており、負傷者の絶えない信州としては難しい相手。それでも、エリエット・ドンリーが得点面で存在感を増しているのは好材料。この直接対決で連勝すれば2位浮上の可能性もあり、体を張って戦いたい。

　ベルテックス静岡は神戸ストークスを破って5連勝中と再び勢いが生まれつつあるが、未だ1敗と独走状態のアルティーリ千葉がここで立ちはだかる。得点力では大きな差があるものの、1試合平均失点は静岡のほうが少なく、このところ減ってきているA千葉のターンオーバーを誘発できるかどうかが試される。A千葉が今シーズン唯一80得点以下に抑えられた試合が、静岡に73得点に封じられた第2節GAME2。静岡は自信を持って臨みたいところだ。

文＝吉川哲彦

■B2第14節試合日程
・福島ファイヤーボンズvsバンビシャス奈良（＠円谷幸吉メモリアルアリーナ）
GAME1：12月21日（土）13時45分〜 GAME2：12月22日（日）13時35分〜

・信州ブレイブウォリアーズvs富山グラウジーズ（＠ホワイトリング）
GAME1：12月21日（土）14時5分〜 GAME2：12月22日（日）14時5分〜

・熊本ヴォルターズvs鹿児島レブナイズ（＠熊本県立総合体育館）
GAME1：12月21日（土）15時〜 GAME2：12月22日（日）17時〜

・青森ワッツvs神戸ストークス（＠青森県武道館）
GAME1：12月21日（土）15時5分〜 GAME2:12月22日（日）15時5分〜

・ライジングゼファー福岡vs愛媛オレンジバイキングス（＠北九州市立総合体育館）
GAME1：12月21日（土）15時5分〜 GAME2：12月22日（日）15時5分〜

・山形ワイヴァンズvs福井ブローウィンズ（＠山形県総合運動公園）
GAME1：12月21日（土）16時〜 GAME2：12月22日（日）14時〜

・ベルテックス静岡vsアルティーリ千葉（＠静岡市中央体育館）
GAME1：12月21日（土）16時〜 GAME2：12月22日（日）15時〜