【埼玉西武】【担当スカウトが熱く推す⑤】ライオンズジュニアユース出身の変則左腕とスピードに目を引かれた夏の甲子園を沸かせた優勝メンバー

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12月1日(日)に新入団選手発表会を終えたライオンズの未来を担う選手たち。来季からチームの一員になる若獅子たちのことをファンの皆さまにより知っていただくために、担当スカウトのインタビューをお届けします。
スカウト陣は暑い日も寒い日も、ライオンズの未来を信じ一年を通して日本中の選手たちを見続けてきました。そして、縁あってライオンズの一員となった担当選手を、指名直後から全力でサポートしてくその関係は「親子」と言っても過言ではありません。

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今日から3日間は、虎視眈々と支配下の座だけでなく一軍での活躍の機会を狙う育成選手たちにスポットを当てていきます。
第5回は育成ドラフト1位・冨士大和投手と同5位・澤田遥斗選手!冨士投手担当の十亀剣スカウトと澤田選手担当の後藤光貴スカウトが、彼らのプレーや思い描く未来を熱く語ります!

ロークオーターから投げ込まれる直球で空振りを奪える投手

冨士投手の投球を初めて見たのは高校2年夏ごろ。第一印象は「すごい投げ方をしているな」でした。スリークオーターとサイドの中間のロークオーターから投げ込まれる直球の最速は144キロ。それでも空振りを取れるのは、打者からボールの出どころが見えづらいからでしょう。抜け具合が抜群なチェンジアップもしっかり腕を振って投げていました。その後、2年秋の埼玉県大会3回戦で聖望学園高を相手に19三振を奪ったという記事を目にしましたが、強豪私学が相手でも「唯一無二のフォームでストライクゾーンに投げれば、必ず結果は出る」と私自身がとても納得したことを覚えています。聖望学園高戦は延長10回タイブレークの末、1対2で敗れました。この時期は味方打線の援護が望めない状況でマウンドに上がり続けることが多かったのですが、ロースコアの試合展開でも大崩れしない投球ができることも彼を高く評価した点です。

しかし、ドラフトでは支配下ではなく、育成1位という結果に終わりました。クイックモーションや投内連係など、投球以外の部分で支配下選手としては足りない点がまだまだ多い。そこは本人も分かっているのですが、これからより一層の自覚持って取り組んでもらいたいです。攻守交代時にしっかり走ったり、ベンチにいるときに声を出したり、先頭に立ってチームを引っ張る意識は見て取れました。性格的に真面目過ぎる部分はありますが、プロでも一つひとつ壁を乗り越えてくれるはずです。

冨士投手は埼玉県出身で中学3年生のときに県選抜のライオンズジュニアユースでライオンズのユニフォームを着てプレーをしました。高校は“公立の雄”大宮東高です。本拠地の埼玉県で野球選手として成長してきた投手なので、ファンの皆さまからの期待も大きいでしょう。本人も「県営大宮球場で凱旋登板をしたい」と意気込んでいます。そのためには支配下に昇格し、一軍に這い上がらなければいけません。私もできる限りのサポートして、一緒に夢を実現していきたいです。

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将来像は千葉ロッテ 荻野貴選手のスイッチヒッター版

今春の甲子園の舞台にも出場していた澤田選手ですが、そのときは単に「少し足が速い選手」という印象でした。しかし、その後行われた春の近畿大会で再びプレーを見たときに、スピードがさらに上がっていたので「あれ、こんなに速かったっけ?」と驚きました。試合後、京都国際高の小牧憲継監督に確認してみると、「センバツのときは足が肉離れしていた」ということでした。それが原因で全力疾走できない日々が続いていたそうなんです。故障が癒えて全開で走ったときは本当に速い。しかも、足が速い選手は多くいますが、何よりも澤田選手は走り方がきれいなんです。私はそこに魅力を感じました。まだまだ足に伸びしろがあると感じさせる走り方。プロでトレーニングを積めば、さらに“スーパー”な足になるのではないかと思い、彼の動向を追い続けることを決心しました。

夏の甲子園では「三番・中堅」というチームの主軸として試合に出て全国の頂点まで駆け上がりましたが、打撃は“当て感”に優れていると感じました。2年生秋の新チームから右打ちに専念していましたが、もともとはスイッチヒッターです。プロで左打ちが再開すれば、足を生かすこともできますし、非常に嫌らしい打者になれます。澤田選手の将来像に近いプレイヤーは、千葉ロッテの荻野貴司選手。スピード感にあふれ、塁に出たら味方にとっては心強く相手にとってはやっかいな打者です。荻野選手は右打者ですが、澤田選手はそのスイッチヒッター版に成長する可能性を秘めていると私は思います。

野球に対する姿勢も立派です。常に最後まで練習。しかも、いろいろ試しながら、試行錯誤を重ねているのも見て取れました。探求心がすごく強いのだと思います。プロの世界で“野球脳”を磨いていけば成長速度も早まると思いますし、本当にチームに欠かせない存在になっていくでしょう。普段は言葉数が少なく、寡黙な部分もありますが、その反面で内に秘めたものを持っていると感じます。新人には入団に向けていろいろな書類などの提出物も求めるのですが、しっかりと早く提出してきます。とにかく、スピードでどんどんアピールして支配下登録を勝ち取り一軍の舞台でグラウンドを駆け抜けてほしいです。

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埼玉西武ライオンズに関する選手、イベント情報はもちろん、選手コラムやライオンズが取り組む活動についてもお届けいたします!週1〜2回を目途に公開いたしますのでお楽しみに!

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