【週刊グランドスラム281】社会人ベストナインなど今年度の社会人野球表彰選手が決まる
2回目の栄冠を手にした選手たち。左から網谷圭将(ヤマハ)、吉岡郁哉(王子)、佐藤勇基(トヨタ自動車)。 【写真=横尾弘一/古江美奈子】
【※年齢は2024年12月12日現在です。】
一塁手は、三菱重工Eastの三番を任され、コンスタントな打撃で勝利に貢献した山中稜真が、大西 蓮(JR東日本東北)、藤野隼大(Honda)、小中健蔵(西濃運輸)ら強豪の主軸を抑えて選出された。今秋のドラフトではオリックスから4位指名され、社会人での勲章を手に勝負の舞台をプロへ移す。また、三塁手は、都市対抗準々決勝の延長10回に満塁アーチを描いた野﨑大地(西濃運輸)だ。都市対抗では.533の高打率で首位打者賞を手にするなど、強打で印象的な活躍を見せた。二塁手と遊撃手は、トヨタ自動車の二遊間コンビ・佐藤勇基と和田佳大に。個々の高い守備力はもちろん、コンビネーションのスピードと正確さも社会人トップクラスで、最多タイとなる7回目の優勝を果たした日本選手権では、揃って大会優秀選手に選ばれている。
外野手には、東海地区のスラッガーが並んだ。日本選手権決勝では先制3ラン本塁打を放つなど、勝負強い打撃でトヨタ自動車の四番を務める逢澤崚介、巧みなバットコントロールで広角に安打を打ち分ける王子の吉岡郁哉。さらに、JABA大会で敢闘賞と2つの首位打者賞を獲得するなど、高い技術で活躍するヤマハの網谷圭将は2年連続受賞となった。そして、指名打者は、東芝ではファーストやサードを守っているものの、都市対抗では補強された三菱重工Eastで二番・指名打者に入り、一回戦の2本塁打など黒獅子旗に貢献する働きを見せた下山悠介が選ばれた。
首位打者賞は吉岡が制定後初となる2回目の獲得
投手部門では、最多勝利投手賞が6勝0敗の東野龍二(Honda)、最優秀防御率賞が1.04の本間に。ともに制球力に長けた左腕は、これからも全国の大舞台でスタンドを大いに沸かせる好投を見せてくれるだろう。
なお、今年は表彰式が12日の午後6時から実施され、午後4時からは本間、逢澤、網谷、下山、村上の5名が参加してファンミーティングも催された。また、これらは動画サイトでライブ配信も行なわれた。近年の社会人野球は、こうしたファンサービスにも注力しているが、情報化が進んだ時代では社会人ベストナインの選出に選手間投票やファン投票も加えるなど、さらに現場やファンを巻き込んだ運営が求められている。
【取材・文=横尾弘一】
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