4年連続規定投球回数 不屈のタフネス左腕 ロッテ小島。走ることで培った土台。「大事なのはこれと決めたことを継続してやることだと思う」

千葉ロッテマリーンズ
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千葉ロッテマリーンズ小島和哉投手 【千葉ロッテマリーンズ提供】

 いつも黙々と走っている。それが小島和哉投手の印象だ。今季25試合に登板をして12勝10敗。2年連続3度目の二桁勝利に到達するとチーム最多の163回3分の1を投げて4年連続の規定投球回数到達となった。その原動力は日々の積み重ね。走り続けた日々にある。

 登板後はいついも疲れを見せずにグラウンドに現れるといつも通り外野フェンス沿いを延々と走りだす。真夏の太陽が照りつける季節もいつも通り、ライトポールからレフトポールの間を何度も往復していた。

 4年連続の規定投球回数到達に関して小島は「本当に親に感謝です。強い身体に産んでいただいた」と口にした。

 走ることは小島にとって大事な日課だ。甲子園を目指した高校時代から走ることの大事さを意識していた。ただ、本当の意味で走ることについて考えさせれられたのは早稲田大学時代。プロの世界で大活躍をしていた憧れの左腕であるホークスの和田毅投手の話を野球部関係者から聞かされた時だ。

 「キミたちの4倍は走っていたよ」。

 それなりに努力を重ねている自負があったが甘かった。プロに入り、活躍するために、そして憧れの存在に少しでも近づくためにさらに走ることを決めた。その地道な努力が積み重なり、今がある。マリーンズにおいて4年連続でローテーションを一年間、守り続ける唯一無二の存在として名実ともに君臨をしている。

 ただ小島は決して走ることがすべてとはいわない。走ることを積極的に誰かにアドバイスをすることもしない。

 「ボクにとってはランニングが合っていた。ただそれがみんなにとって正解かと言われたらボクにはわからない。大事なのはこれと決めたことを継続してやることだと思う」と小島は言う。
 
 アマチュア時代から輝かしい実績と共に歩み、プロでも確固たる成績を残し続けている左腕だが、それを支えているのは日々の積み重ね。小島は自分と向き合い走り続けることで土台を作り自信に変えてきた。

 思えば今年、2年連続二桁勝利と4年連続規定投球回数到達を決めたマウンドはベルーナドーム。プロデビューの場所だった。19年4月4日。当時の名称はメットライフドーム。ここで2回を投げて被安打7、4四球、8失点の屈辱を味わい、涙を流した。夜、寮に戻り部屋に戻ると、とめどなく涙がこぼれた。あれから月日は流れた。悔しさをエネルギーに変えて前に進んだ。そして今はプロの世界で確固たる多くの栄誉を一つ一つ重ね、しかしそれでもいつまでも変わらず地道に走り続けている。

 昨年に続いて小島で始まった24年のペナントレース。きっと来年もチームの先頭を切って引っ張り、最後まで走り切るはずだ。

文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
 

千葉ロッテマリーンズ小島和哉投手 【千葉ロッテマリーンズ提供】

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