ロッテ澤田 沖縄旅で改めて思い返した原点。「野球が好き」

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

千葉ロッテマリーンズ澤田圭佑投手 【千葉ロッテマリーンズ提供】

  気が付けば沖縄にいた。あれは22年のシーズン終了後の事だった。澤田圭佑投手はバファローズの戦力構想から外れた。球団から告げられ、旅に出る事を決めた。2泊3日、一人、目的もなく過ごした。部屋から東シナ海が見渡せるオーシャンビューのホテルを選んだ。

 「いったん旅にでようと。とりあえず、沖縄でゆっくりしようと。なにかあてがあったわけではなく、なにをすることもなくボッと過ごそうと思い立ちました。ずっと野球の事しか考えていなかったので、そういう時間を作ろうと、自分の事を見つめ直してみようと思っていました」

 あの時、野球の事を考えず、ボッとした時間を過ごそうと考え沖縄に旅立った。しかし、気が付けば手術したばかりの右腕を触っていた。投げる動作をしてみたり、野球の事を考えていた。いったん、頭を白紙にしようと一人旅に出た。ずっと海を見て過ごした。その中で改めて気が付いたのは、自分は野球が本当に好きだという事。目を覚ましてなにかをしている時以外の時間は、ずっと野球の事を考えているという事だった。もちろん、それは分かっているつもりではいたけれど、あの旅で、キラキラ光る海を眺めながら改めて気が付いた。

 「海を見てボッとして帰ろうと思っていたのですけどね。ゆっくりしながらも結局、野球の事を考えている。ああ、オレ、やっぱり、また野球の事を考えていると思いました」と澤田は当時を振り返り、フフフと笑った。

 月日は流れた。その後、澤田は育成選手としてマリーンズ入団のオファーを受けた。そして、23年7月に支配下登録され昨年は17試合に登板し防御率1・08、2勝を挙げた。今年も21試合に登板をして2勝で防御率3・60。チームに欠かせないセットアッパーの地位を確立した。

 今、澤田は野球中心の日々を送っている。シーズン中、ホームゲームではまだ誰もいないような早い時間に球場入りして準備を始める。遠征先で外出することもなく、ずっとトレーニングを重ねた。オフもZOZOマリンスタジアムに早い時間から姿を現し、来季に向けて汗を流している。

 「ボクはずっとこうやって過ごしてきたので。これじゃないとこの世界では生きていけないと思っている。なによりも野球が好きなんで」とニコリと笑った。手術、移籍を経て千葉のマウンドで躍動している。記憶の中にはあの日、眺めた奇麗な海面の景色が残っている。それは野球が大好きだと再確認した大事な思い出だ。

千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

球団に関するニュース、球団広報によるコラム、オフィシャルライターによるチームのこぼれ話や球団情報をお届けします。お楽しみに!!

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント