「マリーンズは家族です」。ロッテ西野がFAを宣言せず、残留。来年こそは二桁勝利。そしてリーグ優勝を夢見る。

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千葉ロッテマリーンズ 西野勇士投手 【千葉ロッテマリーンズ提供】

 来年もマリーンズ先発陣を引っ張っていく。11月12日。西野勇士投手はFAを宣言せず、残留を決めた。「正直、悩んだ」という西野だったが、最後は「愛」を選んだ。育成で指名してもらい、ここまで育ててくれたマリーンズへの愛。西野は「マリーンズは家族です」と胸を張った。

 24年の初勝利は桜舞い散る大宮のグラウンドだった。4月9日のライオンズ戦。7回を投げて被安打5、無失点。今季初勝利を挙げた。試合前まで雨が降り、風が強く吹く悪コンディションの中、堂々たるピッチングでチームを勢いづかせた。

 西野が「キャッチャーがうまくリードをしてくれた」と言えば、マスクを被った田村龍弘捕手も「西野さんがめちゃくちゃ良かった。コントロールが抜群によかった」と絶賛した。 

 投手の良さを引き出した捕手とその要求にしっかりと答えた投手。西野と田村のバッテリーからはいつも強い信頼関係が生み出す阿吽の呼吸を感じる。今シーズンもこのバッテリーは健在だった。

 西野は言う。「同じ感覚で投げることが出来ている感じがする。サインで首を振ることは、ほとんどない。1試合に1回あるかないか。いや、ないかな。3試合に1回ぐらい。いつもピッタリと合う」

 話を初勝利を挙げた試合に戻す。フォークが冴えていた。今季初先発となった4月2日のホークス戦(PayPayドーム)では6回2失点で負け投手。次回登板に向けて落ち幅を大きくできないかを検証した。参考にしたのが後輩の種市篤暉投手。フォークを武器に三振を量産する若者に練習後のロッカーで握りなどを聞いた。

 「そういうことに年齢とかプライドとかは関係ない。年上の方でも年下の選手でも学べるものは学びたい。いつでも気になることがあれば聞くというスタンスでやっている」と西野は笑う。

 このフォークは、わずか1週間の調整期間でフィットし、結果的に功を奏した。打者がフォークに苦戦をしているのを反応で感じた田村はこのボールを中心に配球。スライダー、シュートも生き、凡打の山を築くことができた。バッテリー会心の勝利だった。

 「もちろん、日々のコミュニケーションとっていますが、田村が色々と打者の反応とかを感じてくれて、それにそって配球をしてくれる。いつもすごい研究してくれているし、見てくれている。洞察力を凄いと思う。それにピッチャーの気持ちを考えて気持ちよく投げやすいように、乗っていけるように配慮してくれている」と西野は全幅の信頼を寄せる。

 昨年は8勝。今年は9勝。悲願の二桁勝利になかなか届かないシーズンが続いている。プロ17年目となる来季。契約を終えた右腕は「二桁勝利はもちろんですけど、それでとどまらず15勝したい。そしてなによりも優勝したい」と笑顔を見せた。来年も頼りにする女房役と二人三脚、長いシーズンを歩んでいく。

文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
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