2024年度 第9回Jリーグ理事会後会見発言録

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2024年度 第9回Jリーグ理事会後会見発言録 【©J.LEAGUE】

2024年10月29日

2024年度 第9回Jリーグ理事会後会見発言録

2024年10月29日(火) 17:00~
Jリーグ会議室およびWeb ミーティングシステムにて実施

登壇:チェアマン 野々村 芳和
   執行役員 樋口 順也
   マーケティング部長 鈴木 章吾
陪席:執行役員 窪田 慎二
   執行役員 青影 宜典
   執行役員 笹田 賢吾
   クラブライセンスマネージャー 大城 亨太
司会:広報部長 仲村 健太郎 

〔司会(仲村広報部長)より説明〕
本日開催いたしました第9回理事会後の会見を開催いたします。
それではまず、本日の決議事項3点、「2025シーズンの選手登録・移籍ルールに関する改定について」、「2025シーズン以降のエントリー可能選手の上限人数変更について」、「Jリーグ入会審査(J3)結果」についてご説明いたします。また、その他の報告事項として、「2024、J2、J3リーグアウォーズ開催日時および配信決定」をリリースしています。
以上の公表事項に加えまして、10月20日にプレスリリースで配信した「リーグ戦の最多入場者数更新」について、マーケティング担当者より詳細をご説明いたします。 
それでは、フットボール関連の決議事項につきまして、樋口よりご説明いたします。

《決議事項》
〔樋口執行役員より説明〕
本日の理事会で大きく2点決議しています。
1点目、2025シーズンの選手登録枠と、国内の期限付き移籍のルールについて新設しています。

1.2025シーズンの選手登録・移籍ルールに関する改定について
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/post.php?code=78e59c68-43ce-4855-9c95-21c3a5d1f0f0&y=&m=&q=

通常、A契約の枠は25名で、ACLに出場するクラブだけが2名増やした27名というルールでしたが、2024年は特殊なシーズンで、パリオリンピックや、その最終予選があり、インターナショナルウインドー以外でJクラブが代表選手招集に応じる期間が長かったので、全60クラブを27名枠にしていました。2025シーズンは25名に戻すという議論もありましたが、9月に発表した通り、ABC契約自体が2025年で終了する中で、来年だけまた2名減らす必要はないのではないかという議論を経て、2025シーズンも引き続き全クラブ27名を維持するということを決定いたしました。加えて夏にクラブワールドカップに最長約1ヶ月間出場する予定の浦和レッズにも、しっかりとした戦力で臨んでいただきたいということ、またその期間のリーグ戦は浦和レッズのみ中断して予備日に対戦していくことになりますので、年間を通してしっかり戦ってもらうことを考慮し、30名の特別枠を設定することを決議しています。

また、国内の期限付き移籍に関する規則を新たに設定しています。背景についてもリリースに記載していますが、海外の大きなクラブがいわゆる青田買いのような形で色々なクラブから選手を獲得し、外に期限付き移籍で出すことが横行していたことから、しっかりと自クラブで育てる健全な育成環境を作っていくことを目的とした海外の期限付移籍に関するルールが2022年にFIFAにおいて設定されました。貸し出すものと借り受けるもの、それぞれ最大8名の人数設定をして、そこから1年ずつ段階的に減らしていき、今後はそれぞれ6名としていくことが海外移籍に関するルールです。
FIFAからは、3年以内に国内移籍についてもルールを作るようにという通達がありました。ただ一方で、人数設定や色々なルールについては、国内で一部変えてもよいという通達もありました。我々も6名に合わせるべきなのか、変えるべきなのかという議論を60クラブと時間をかけて行ってきました。
結果的には上限6名ではなく、貸出・借受できる選手数をそれぞれ最大10名までという設定をしています。背景には、21歳以下の選手で、かつ自クラブで約3年以上育成した選手については、6名にカウントされないという例外があります。つまり、自クラブでしっかり育てていて、かつ若い選手はいくらでも外に出して出場機会を得るためのレンタル移籍をしてもよい、というのが海外ルールの考え方です。
Jリーグが踏襲した場合ですが、日本では大学卒業後1年目で23歳になってしまい、こちらの対象に含まれません。このことを考えると、6名だと日本には合っていないのではないかということから、現状の各クラブの期限付き移籍数や、こちらの例外を含めた場合どうなるか等の議論を経て、10名程度であればFIFAの考え方には外れない範囲で、日本としてもやっていけるのではないかということで、それぞれ最大10名までというルールを設定いたしました。
その他にもいくつか、FIFAルールに準じて、国内の期限付移籍に関するルールを新設しています。

2.2025シーズン以降のエントリー可能選手の上限人数変更について
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/post.php?code=a4ef8b38-7e99-4698-9348-995f2b4483e2&y=&m=&q=
2023シーズンは、エントリー可能選手の上限人数を18名(ピッチ上11名とベンチ7名)、2024シーズンからJリーグYBCルヴァンカップのみ拡大して20名という形で実施していました。2025シーズンからは、YBCルヴァンカップのみならず、全てのJリーグ公式試合で上限人数を20名にして、ベンチ入りできる選手を9名に拡大することを本日決議しています。

〔司会(仲村広報部長)より説明〕

3.Jリーグ入会審査(J3)結果について
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/post.php?code=4d3ba067-9a04-41d3-a66f-459b6db87ede&y=&m=&q=
本日開催した理事会で、Jリーグに入会申請のあった5クラブのうち、栃木シティフットボールクラブ、ヴィアティン三重、レイラック滋賀、高知ユナイテッドSCの4クラブについて、Jリーグ(J3)への入会を条件付きで承認いたしました。なお、ヴェルスパ大分については継続審議となりましたのでお知らせいたします。
本審査結果により、上記4クラブにおいては、11月24日(日)開催の日本フットボールリーグ(JFL)最終節における最終順位、平均入場者数および年間入場料収入の要件を満たすことを条件に、JFL最終順位1位のクラブは自動で入会が確定、JFL最終順位2位のクラブはJ3・JFL入れ替え戦に勝利することで入会が確定いたします。なお、本日の審査結果およびクラブの概要は、リリース内の表にまとめています。また、入会要件につきましても参考で記載していますので、ご確認ください。

《報告事項》
〔司会(仲村広報部長)より説明〕
続きまして、理事会案件ではございませんが、その他の報告事項で1件リリースさせていただいております。

1.2024J2、J3リーグアウォーズ開催日時および配信決定
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/post.php?code=330c7fb9-32d2-4a7d-8407-0960dbd9fe2b&y=&m=&q=
2024J2、J3リーグアウォーズの開催日時及び配信決定のリリースです。J2、J3につきましても、アウォーズを開催し、今シーズン活躍した選手・監督の功績を称え、最優秀選手賞などの各賞を発表して受賞者の皆様を表彰いたします。
2024J2リーグアウォーズは、12月19日(木)20時から、Jリーグ公式YouTubeチャンネル、Jリーグ公式TikTok、DAZN等でオンラインにて配信いたします。
2024J3リーグアウォーズは、翌12月20日(金)20時から同様に、Jリーグ公式YouTubeチャンネル、Jリーグ公式TikTok、DAZN等でオンラインにて配信いたします。

続きまして、入場者数の状況について、マーケティング部の鈴木章吾よりご説明をさせていただきます。

《報告事項》
〔鈴木マーケティング部長より説明〕
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/post.php?code=2389c2e2-6804-46a5-9e3d-fb540226fe33&y=&m=&q=

入場者数の進捗状況についてご報告いたします。



これまでのリーグ戦の最多は2019年で、コロナ禍を経て、2019年を超えるような状況が作ることができました。
リーグ戦終盤に差し掛かった10月27日(日)時点での試合進捗率は91%、総入場者数は10,613,097人で、2023年比112%、2019年比108%という進捗になっています。
J1からJ3合算での平均入場者数も1万人を超え、こちらも2023年比では113%、2019年比では105%となっています。
今年、「THE国立DAY」と命名し、国立の開催試合を計13試合予定しています。9月末時点で12試合を開催済みですが、計60.9万人、1試合平均5.1万人で、全体の総入場者数のうち5.7%を占めています。
リーグ戦合計の今期の着地としては、J1が20クラブ編成となり38節まで続くということもあり、1,100万台中盤~後半となる見込みです。昇格プレーオフやYBCルヴァンカップ、FUJIFILM SUPER CUPなどの公式戦を合わせると、1,200万人を超える着地見込みになっています。



今年の入場者数推移において、どのようなタイミングで入場者数の数値を作れているのかということを表したグラフです。今年の数値を黒太字、2023年をグレー、2019年を黄色の3つの線で比較しています。
グラフの赤枠で囲った箇所を見て頂くと、やはりゴールデンウィークから、ゴールデンウィーク明けの4月・5月、夏休み期間の7月・8月、それからシルバーウィークの時期9月など、一般的に人々が動きやすい、消費支出が増えるような時期に、集客の山がきっちり作れています。2023年比、2019年比と比べても、大きな山になっているというところが一番の要因と考えています。
なぜ、この山が作れているかということですが、端的に申し上げますと、この期間にローカル露出強化のプロジェクトを実施し、各地域において露出が増え、関心が高まった状態をここ1、2年で醸成できていたからだと思います。リーグも伴走する形で、各クラブに夏休み時期やゴールデンウィーク時期に注力試合を設定してもらい、その注力試合で高まった関心を取り込むといった集客の型が、各地域の中で出来つつあると思います。これらがうまく機能していることが、こういった夏休み期などで大きく数値を積み上げられている要因だと思っています。



入場者数好調の要因の1点目は、レギュレーションの変更が大きいと思っています。J1が今年から20クラブの編成になり、J3においても昇格プレーオフなどの導入もあり、終盤戦にかけて今盛り上がりを見せているような状況になっています。

2点目としては、全体としてテレビの露出が増えており、特にローカル露出では、前年比約150%の水準になっています。さらに、新聞、雑誌、Webでの露出も比例して増えており、直近1~2年で、Jリーグ・各クラブへの関心が高められていると考えます。2021年までは年々関心が下がっているというような状況でしたが、ここ2年ほどはto C向け、ファン・サポーター向けの投資も増やしていることが奏功しており、我々が定点観測的に実施している調査で見ても、直近1~2年間で約100万人程度の関心向上が図れているのではないかと考えています。

3点目が国立開催試合(THE国立DAY)の増加です。2023年は8試合を国立で開催しましたが、2024年は13試合に増やしたことで、先ほどお伝えした通り、60万人を超えるような集客の実績となっています。FC町田ゼルビアや東京ヴェルディは、昇格効果で集客の底上げがあるところに、さらに国立開催試合が掛け合わさることにより、前年比で200%を超える集客の数字になっています。このように、昇格効果と国立開催の掛け合わせも非常に大きいと捉えています。

4点目としては、クラブサポート本部の旗振りによって、注力試合が設定されることが増えたという点が挙げられると思っています。特にその傾向はJ2が顕著で、大分トリニータが注力試合で2.8万人、清水エスパルスも国立での開催試合では5.6万人を集客しています。ローカル露出が増えて関心が高まり、注力試合でうまく集客として取り込んでいくパターンが確立されたことが大きいと考えています。

5点目は、新スタジアムの効果です。サンフレッチェ広島は、新スタジアムの効果もあり、集客の前年比が1.6倍、ツエーゲン金沢も集客が前年比1.3倍、V・ファーレン長崎は、新スタジアムでまだ2試合しかゲームを開催していませんが、初戦1.9万人、2戦目1.8万人と、ほぼ満員の状態となっています。おそらく来シーズンにかけても、こうした新スタジアム効果は継続するのではないかと捉えています。

最後6点目は、リーグ主導施策のデジタル投資の強化です。デジタル広告出稿の強化や、JリーグIDユーザー向けの新規来場施策、外部IPコラボ施策、新規ユーザー向けのコンテンツ制作といったところに今年注力をしており、その成果も通年を通して出ているのではないかと考えています。

このように1つの要因で何か大きく数値を作れているというよりは、複合的な要因で、こういった成果に繋がっていると思っていますので、そうした捉え方をしていただけますと幸いです。

〔野々村チェアマンよりコメント〕
鈴木の説明に加えて言いますと、やはりメディアの皆さまも含めて、Jリーグをどのようにして国内外の多くの人に届けて、一緒に魅力的なものとして育てていくかが、すごく大事だと思っています。その循環がうまく回り始めているという証拠でもあると思います。皆様にも本当に感謝するとともに、もっとより多くの人を楽しませていけるようなリーグになっていかないといけませんので、これからもよろしくお願いします。
リーグも終盤になってきて、J3で大宮アルディージャが優勝・昇格を決め、清水エスパルスが昇格を決め、またJ1も優勝争い、残留争いなど色々な難しい局面で、クラブや選手の皆さんは本当大変だと思います。ただ、第三者的に見ると、やはりすごく白熱していい時期に来ていると思います。先ほどの話と繋がりますが、より多くの仲間をここで一緒に作っていく、仲間を広げていけるように、リーグもクラブも皆さんと一緒にうまく進めていければと思っています。
JリーグYBCルヴァンカップのファイナルが今週11月2日(土)に行われますが、今のところ6万人ぐらいの方に見ていただける試合で、決勝ということもあり当然注目度も高くなっています。初タイトルをアルビレックス新潟が獲るのか、名古屋グランパスが2回目のタイトルを獲るのか。もちろんタイトルをかけた大事な試合ですが、両クラブのサポーターや両チームの戦いを観戦しに来るファンなど色々な人たちの思いがある試合ですから、終わった時に、本当にいい作品になったなと言えるものが表現できればと思います。それを表現できた際には、メディアの皆さまにはしっかりとお伝えいただけますようお願いいたします。

〔質疑応答〕
Q:入場者数が大幅に増え、1試合平均でも2019年より増えているというのはかなり大きな成果だと思います。しかしながらJ1リーグのクラブ数が増えたことにより得られたものが大きいのかなと思う一方で、それによりAFCチャンピオンズリーグエリートとの過密日程や、インターナショナルウインドーが続き、Jリーグを中断したままリーグカップ戦(JリーグYBCルヴァンカップ)が盛り上がり、Jリーグの優勝争いが飛び飛びになってしまって調整が中々難しいという話も聞くのですが、20チーム制をやってみての難しさやクラブの反応を教えてください。

A:樋口執行役員
終盤戦でリーグ戦が飛び飛びになっているのは、20クラブの影響というよりは、9月・10月・11月にインターナショナルウインドー(IW)があっての中断や、その他にも天皇杯の準決勝・決勝、JリーグYBCルヴァンカップの決勝で週末を使っているための中断の影響です。終盤戦が飛び飛びになってしまっているのは20クラブ化の影響ではなく、むしろ各ローカルエリアでJ1クラブが20という「面」に増えたことや、J1の試合が増えたこと(306→380試合)で入場者数が増えているというメリットの方が大きいと感じています。

Q:試合数が増えたことにより(予備日を)リーグカップ戦の裏やIWの間に組まなければならないといった部分もあったと思うのですが。

A:樋口執行役員
当然34節が38節になれば試合日は増えていくのですが、J1はルヴァンカップのグループステージ制を変えたり、J2は42節が38節に減ったりしていることもあります。中止の試合があると予備日の入れづらさは増えますが、それを補ってあまりあるメリットがあると思っています。

A:野々村チェアマン
中止になる試合が多いのは日本の気候からすると特に8月から9月が多いです。今のシーズンですと11月までに試合を終えなければならない、後ろが2ヶ月しかない難しさ、且つ2ヶ月の中にIW・代表戦が2回設定されるので、現状のシーズン制の中ではどうしても毎年難しくなるのは事実です。それを変えたいという議論は昔からあり、それも含めてシーズン移行の話の中では、今ご質問いただいたような側面から変えた方が良いという意見があったことは事実です。

Q:国内の期限付き移籍について質問です。このルールについてはあくまで2025シーズンが対象になっていますが、10人のところの人数をどうするかというのは今後見直しも考えているのでしょうか。

A:樋口執行役員
現時点では何も決めていません。FIFAが8人→7人→6人と段階的に減らしていきましたが、我々はU-21リーグを作るか否か、ポストユース世代の育成に関する抜本的な議論を行っていますので、そういったものが固まった段階で人数を変えることはあるかもしれませんが、現段階で10人→9人→8人と減らしていこうとは何も決めていません。

Q:エントリー可能選手の人数について、過去の記事を見ると1996年に16人から18人に増やしたと書いてありました。それ以来の変更であっていますでしょうか?

A:樋口執行役員
後ほど確認の上回答します。
(会見終了後に会見出席メディアに下記を回答)
・1993~2005シーズンJ1・J216名以下
・2006~2009シーズンJ118名以下
J216名以下
・2010~2013シーズンJ1・J218名以下
・2014~2015シーズンJ1・J218名以下
J316名以下
・2016~2024シーズンJ1・J2・J318名以下
※2024YLCのみ20名以下
・2025シーズン~J1・J2・J320名以下

Q:ルヴァンカップに続いて増やした理由は、昨年説明いただいた通り選手の出場機会を確保する狙いでしょうか?

A:樋口執行役員
コロナ禍を経て交代が3名から5名が通常運用になり、ヨーロッパのトップリーグはエントリー可能選手の人数を20名以上に増やしているところも多くあります。昨年も2024シーズンについてリーグ戦も含めて20人にするかという議論がありましたが、遠征費用が増加すること、またスカッド(登録選手数)の中で遠征に行かずに残る選手側の練習機会を確保するには、18名くらいに絞って遠征に行かせて、もう少し残した方が練習環境にとって良いという意見もあり、まず延長戦とプラス1名の交代があるルヴァンカップだけに先行して導入しようという考えでした。
1年の時間を経て、戦術の多様性、若手の出場機会から、また、脳震盪の交代も今年の途中からルールが変わり、場合によっては最大7名の交代機会の中ではGKをフィールドプレーヤーとして出さなければならないこともあることから、そうしたことも含めて20名にすることがふさわしいと判断しました。

Q:J3の入会審査のところで、ヴェルスパ大分が継続審議になったのは、平均入場者数が大きく足りていないからなのかと思うのですが、継続審議になった理由はどのあたりでしょうか?

A:大城マネージャー
入会審査につきましては、今回条件付きで承認が認められた4クラブに関しても入会要件を現時点で全て充足している訳ではないので条件付きとなっています。
ヴェルスパ大分に関しては条件を満たす可能性が他の4クラブとは異なる状況でしたので、追加の確認が必要ということで継続審議になっています。

Q:1ヶ月程前にFC町田ゼルビア vs. サンフレッチェ広島のJ1首位対決で、タオルを巡って問題がありました。ピッチそのものではない運営上の問題にどこまでJリーグが関与するかという点もあると思いますが、そういう問題に関してJリーグとしての見解・立場を教えてください。

A:野々村チェアマン
Jリーグとしてというより、世界のサッカー界として、いかに良いものを見てもらうか、提供していくかということが最も大事だと思います。まだJリーグとしては明確なKPIにはしていませんが、アクチュアルプレーイングタイムをいかに平均の60分に近づけていくかということを徹底して現場の皆も含めて考えながらやっていくことは、すごく大事なことだと思っています。
スローイン、ゴールキック、フリーキックの間も、ロスになっている時間が90分の中で数十分あります。イングランドプレミアリーグも60分にどうやっていこうかとしっかりやってきていますし、レフェリーサイドもこの先アクチュアルプレーイングタイムをしっかり延ばしていけるようなルールを考えています。Jリーグとしてもどんなサッカーをするのかについてはクラブの選択はあると思いますが、その中でも見ている人たちに継続して試合がしっかり見ている実感を持ってもらうためにもアクチュアルプレーイングタイムはすごく重要だと思います。そこをどうやって延ばしていくか、レフェリーサイドはルールで縛るのかもしれませんが、プレーをしている人たち、現場の人たちは、より良いものを見せようという意識をどれだけ持てるかということを、こちらからしっかりアプローチしたいと思っています。

Q:FC町田ゼルビアが、クラブへの誹謗中傷の件で刑事告訴したことについて、クラブにも窓口が設置されていますし、オリンピックでも問題になりましたが、Jリーグとしてどういった姿勢で呼びかけていくのでしょうか。

A:野々村チェアマン
それ(誹謗中傷)は明らかにNOです。誹謗中傷に対しては徹底して、サッカー界だけではなくスポーツ界としても戦っていくということは今までと変わりないです。


Q:誹謗中傷の件で、今回のポイントは刑事告訴しているというところだと思います。『法的な手段も辞さない』というのがこれまでの警告の仕方でしたが、これが一歩踏み出したということで、このことについての見解を教えてください。

A:野々村チェアマン
クラブとして、当事者として、これまでもそのスタンスでしたが、今回はそれを明確にしたということです。『法的な手段も辞さない』というのはスポーツ界全体がそうでしょうし、Jリーグに同様な事があれば同じような対応になると思います。これまでもそのような事の手前まできているということは当然ありますが、クラブとして取った手段としての個別の案件に対して、私が評価するのは違うと思います。
リーグとしては、クラブが誹謗中傷に対してどう戦うかということにはもちろんサポートし一緒にやっていくということは、今までもこれからも変わりません。

Q:Jリーグがヨーロッパでどのような活動をするのか、どなたが責任者になるのかなど現時点で決まっていることがあれば教えてください。

A:野々村チェアマン
株式会社Jリーグの案件ではあるのですが、前提として、Jリーグをどうやってグローバルに成長させていくかがこれからの課題としてあります。Jリーグ自体のグローバルでのプレゼンスをどのように上げていくのかが一つ。Jリーグの競技水準や育成の水準を上げていくために移籍金をどう拡大していくか。それには向こうの人たちとのコミュニケーション、クラブ関係者だけではないサッカービジネスに関わる方とのコミュニケーションはとても大事なので、そこもヨーロッパでやっていきます。
もう一つは事業、収益をどのように拡大していくか。今までは特に国内での収益を上げていこうということがメインでしたが、ヨーロッパを含めた世界中でパートナーを見つけること、一歩先を行っているリーグやクラブの人たちの知見をしっかりと獲得して国内のリーグ・クラブに還元すること。そういったことをやっていくことになります。

Q:SVリーグが始まり、健闘しています。SVリーグは女子も一緒に立ち上げています。2027年までに全面プロ化ということでまだプロにはなっていませんが、新しいリーグについてどのようにお考えでしょうか。

A:野々村チェアマン
同じスポーツの仲間として、スポーツが世の中に伝えられること、与えられるものは絶対にあると思いますので、同じ仲間として頑張ってほしいと思います。Jリーグは30年以上やっているので、そのアドバンテージがあるのなら知見は各団体に提供しながら日本のスポーツ界を盛り上げられればと思っています。

Q:3点、質問があります。
1.この2年間、入場者の年齢層のデータは出ていますか?
2.来年、「THE国立DAY」は今年以上に増やす予定ですか?
3.22年ぶりに地上波でJリーグが見られるということでとても個人的にはうれしいのですが、この件に関して、今後、Jリーグとしては地上波により拡大していくのかそのあたりのことをお聞かせください。(11月3日(月・祝)2024明治安田J1リーグ 第35節 FC東京 vs. 湘南ベルマーレ テレビ東京でのテレビ地上波全国6局ネット放送)

A:鈴木マーケティング部長
1点目につきまして、スポットでアンケート等を取る観戦者調査を実施していますが、入場者の年齢層にそこまで大きな変化はない状況です。JリーグIDの平均の年齢も40歳程度でここ数年あまり変わっていません。本来は一緒に年を取っていくわけなので、一定の入れ替わりがある中で、40歳ぐらいで横ばいになっているというのが現状です。(平均年齢が)1歳増えないということは、新規の方も入ってきながら、新陳代謝があるからだと考えています。
2点目は、国立開催は今年、実績を残していますので、試合数自体は長い目で見て増やしていきたいと考えています。ただ来季は世界陸上開催の影響で、試合数がどれだけ組めるかは現在検討中です。まだ具体的な試合数は見えていない状況です。

A:野々村チェアマン
3点目は、本日お集まりいただいたメディアの皆様、テレビ関係者の皆様と一緒にサッカーを盛り上げて仲間をどれだけ作れるかが大事だと思ってきましたが、地上波の件はその成果が出たと思っています。一つの局の皆さんの努力ももちろんありますが、メディアの皆さんみんなの力が少しずつそういう空気感になったと私は理解しています。今後ですが、増やせる枠はもちろんあります。これを自然に増えていくように持っていきたいとも思っています。

A:樋口執行役員
厳密にいうと2016年のJリーグチャンピオンシップをTBSでも全国放送していただいたので、「リーグ戦」の「民放」での全国放送は22年ぶりということです。

Q:入場者数が増加し、国立での試合が昨年、今年とも盛り上がりましたが、来シーズンのJ1は、関東、首都圏のチームが約半分を占めるような状況になると、関東以外の地域でJ1およびJリーグが盛り上がるのは難しくなる可能性もあります。リーグとしてどのような対策を考えているのでしょうか。J1が都市のリーグで、J2、J3が地方のリーグというイメージが出来てきているのではないかと感じています。

A:野々村チェアマン
18チームを20チームにすることで全国に可能性が広がるという側面は先ほど樋口が話しました。一方、Jリーグはこの2、3年、全国各地でその地域でしか見られない地方局でのサッカー番組を制作してきました。そこでのサッカー番組制作の人たちの仲間を増やすことで、サッカーの露出も数倍に増えている状況をこの2年間で作ることができています。従って、各地でサッカーを感じてもらう可能性というのはあるということ、また全国ネットのサッカー番組も4つ、5つ制作し、キー局で広げてもらう仲間を増やしているので、接点が少なくなることはないと思います。直接的な接点がなくなったとしても、メディアで目にする、触れる回数は一定レベル、相当レベル担保できていると思っています。
また、ルヴァンカップの大会方式を変えたことで、J1のクラブが各地域に行って戦うということでも、全国で日本のトップのサッカーを感じてもらうことは十分できると思っています。

Q:2026年のシーズン移行前の大会方式の詳細はどのようになっていますか?

A:樋口執行役員
現時点で発表できることはまだありませんが、今シーズン終了後の12月の理事会後や、来シーズンが始まる前の1月頃には何らかの形で皆様に発表できるよう、現在、様々な調整を進めているところです。

Q:ルヴァンカップのニューヒーロー賞についてですが、現在、21歳以下の選手が対象ですが、今年から21歳以下の出場義務がなくなりました。先日、受賞会見を取材しましたが、本人も驚いていることから、対象選手があまりいない中で選ばざるを得ない状況にあると感じたのですが、来季以降、対象年齢の変更等は考えているのでしょうか。

A:樋口執行役員
現段階で決まっているものはありませんが、今シーズンの状況は当然承知しています。より良いものができるよう議論ができればと思っています。

Q:10月20日に、サガン鳥栖がJ1の他クラブのコーチにアドバイスを仰いでいたという報道があり、それを否定するサガン鳥栖のリリースがありました。それに関して、Jリーグとして何か調査されているのか、あるいはクラブから報告を受けているのか教えてください。

A:仲村広報部長
Jリーグもサガン鳥栖とはコンタクトを取っている状況です。我々からクラブとしてきちんと調査していただきたいということは継続して申し伝えている状況でして、ただ、現時点で何か事実が判明しているということではなく、事実確認中ですので、現時点でお答えできることはありません。

Q:事実確認中というのはクラブに対してですか? それとも当該コーチがいるクラブに対して、第三者としてJリーグが介入して調査しているということなのか。それともクラブの調査の報告を受けているということなのか。

A:仲村広報部長
まずはクラブの調査報告を受けるということです。初めからJリーグが入って調査をするという段階ではという状況です。

 

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