「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズン」B2第5節の注目カードは、バンビシャス奈良とライジングゼファー福岡の一戦。9連敗スタートだった昨シーズンに続き、奈良は今シーズンも開幕4連敗を喫したが、前々節の愛媛オレンジバイキングス戦はアウェーで連勝。しかし、前節は立ち上がりから鹿児島レブナイズのバランスの良いオフェンスに苦しめられ、97失点で完敗を喫した。開幕からの課題であるリバウンドの少なさとターンオーバーの多さはこの試合も目立ち、早急に改善する必要がある。

　奈良とは対照的に、昨シーズンは序盤に西地区首位を走った福岡も、今シーズンは2勝5敗と出遅れてしまい、前節も信州ブレイブウォリアーズを相手に前半だけで54失点、最終的に92失点で黒星。大型補強を敢行し、13人中12人がB1経験者という重厚な戦力を揃えながらも、その成果はまだ出ておらず、ギアを上げていきたいところだ。

　現在勝敗で並ぶ両者は、奈良がホーム未勝利、福岡がアウェー未勝利で対戦を迎える。言うまでもなく、奈良にとってはホームでファン・ブースターに勝利を届けることが第一。ルーズボールやディフェンスなど、気迫のあるプレーを見せなければならない。もう一つの見どころは両ヘッドコーチの采配だ。奈良・小野秀二HCと福岡・浜口炎HCには、緻密な戦術や指揮官としての経験値など共通点も多いが、最大のポイントはかつて共闘していたという点。互いをよく知る分、試合中の駆け引きは局面ごとに繰り広げられるだろう。タイムアウト明けなど、要所での仕掛けも面白そうだ。

　山形ワイヴァンズとの対戦で開幕からの連勝を7に伸ばしたアルティーリ千葉は、今節は5勝2敗で東地区2位につける富山グラウジーズとの対戦。1試合平均得点で富山がリーグ1位、A千葉が2位となっていることから、ハイスコアの展開も予想されるが、ディフェンスではA千葉に分がある。富山は、いずれもリーグ1位のオフェンスリバウンドとフリースロー成功数がカギを握る。

　前節の会心の勝利で白星先行に戻ったベルテックス静岡は、リーグ最少失点を誇るディフェンスが最大の武器。対する熊本ヴォルターズは前節の愛媛戦でようやくオフェンスが目覚めた感があり、7試合目にしてシーズン初勝利を挙げた。今節はやはり、熊本が静岡の堅守をいかに攻略するかにかかっている。前節は20得点に加え、オフェンス6本を含む21リバウンドを荒稼ぎしたミッチェル・ライトフットがキーマンとなりそうだ。

　好調のオフェンスが静岡に60得点に封じられ、神戸ストークスの連勝は5でストップ。97得点で奈良を破った鹿児島レブナイズに抜かれ、西地区首位を譲ってしまったが、今節は直接対決でその座を奪還するチャンスだ。鹿児島はB2復帰初年度に良い滑り出しを見せているものの、3節連続でのアウェー戦となり、水曜開催を挟んでのコンディション調整に慣れていない難しさもある。神戸はフィジカルな戦いで鹿児島の体力を削ることができるか。

文＝吉川哲彦

■B2第5節試合日程
・神戸ストークスvs鹿児島レブナイズ（＠西宮市立中央体育館）
GAME1：10月26日（土）14時5分～　GAME2：10月27日（日）11時5分～

・アルティーリ千葉vs富山グラウジーズ（＠千葉ポートアリーナ）
GAME1：10月26日（土）15時～　GAME2：10月27日（日）15時～

・福井ブローウィンズvs愛媛オレンジバイキングス（＠セーレン・ドリームアリーナ）
GAME1：10月26日（土）15時～　GAME2：10月27日（日）14時～

・青森ワッツvs山形ワイヴァンズ（＠むつマエダアリーナ）
GAME1：10月26日（土）15時5分～　GAME2：10月27日（日）15時5分～

・福島ファイヤーボンズvs信州ブレイブウォリアーズ（＠円谷幸吉メモリアルアリーナ）
GAME1：10月26日（土）15時5分～　GAME2：10月27日（日）13時35分～

・ベルテックス静岡vs熊本ヴォルターズ（＠静岡市中央体育館）
GAME1：10月26日（土）16時～　GAME2：10月27日（日）15時～

・バンビシャス奈良vsライジングゼファー福岡（＠ロートアリーナ奈良）
GAME1：10月26日（土）17時5分～　GAME2：10月27日（日）14時5分～