【ドラフト会議2024】ドラフト1位指名候補Tierランキング

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チーム・協会
【これはnoteに投稿された奇譚の中盤戦さんによる記事です。】
⚠️アマチュア選手に対する主観的な評価が多分に含まれており、プロ入り前の選手評価やそれらの公表に否定的な方はブラウザバック推奨です⚠️

 こんにちは。だけんさんです。
 今年ももうドラフト会議の季節ですね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 今回はドラフト1位指名候補をTierランキング形式で発表していく感じでやっていきたいと思います。
 もう一つドラフト前にnoteを書く予定なのですがその本命記事の前談みたいな形になりますので、よろしければ読んでいただければと思います。

 今年のドラフト候補に詳しくない方も、一応今回紹介する選手は今年のドラフトにおける上澄み中の上澄みとも言える選手達ですので、覚えておいておくと当日楽しいかもしれません。

🔴SSSランク(初回入札競合クラス)

⚫︎金丸夢斗(関西大) 投手

 押しも押されぬ今年の全体No1筆頭候補の左腕。
 最速154㌔の糸を引くような速球に、カット、スライダー、スプリットチェンジ、カーブを抜群のコマンドで投げてくる。
 球が凄いのはまあ見りゃ分かるのだが、一応数字で見ると大学通算238.2回 312K 43BB で、簡易的ではあるが(投球回×3 + 被安打 + 四死球) 計算すると、 K%34.5 BB%4.8 K-BB% 29.7 とぶっちぎりの成績を残しており、このレベルになるとG菅野の大学時代と同格くらいには考えても良いだろう。(プロ入り後の成績は言うまでもない)
 肘の使い方にややリスクがあるのもそうだが、全体的に金丸以外には再現しようのない特殊なフォームで、一つの故障が投球にどう影響を与えうるかというのが想像つかないというのは怖い。
 怖いものの、稼働した際に得られるリターンは過去の名投手を並べても遜色ないほどに莫大なので、投手力に欠けているチームが最優先で狙いに行く価値のある選手といえる。入札予想球団は中日・ヤクルト・DeNA・日ハム・巨人。

⚫︎西川史礁(青山学院大) 外野手

 打撃ツールに優れた右翼手/左翼手。メカニクス、打球角度の付け方に優れており、プロでも中〜長距離打者として将来的にISO.150↑級の長打を稼げそうだ。
 スイングスピード、インサイドアウトの徹底、打球角度など打撃面に関しては今年トップを標榜して良い。
 リーグ戦の成績が大した事無いのはここ数年の東都リーグの投手がとんでもレベルだった事も関係がありそうだが、それでもK%11.7 ISO.149と成績を残しているのは評価出来る。(T森下がK%22.5 ISO.172)
 守備面も両翼であればプラスを作れそうな水準で、特に送球が優秀なので十分な失点抑止が可能か。中堅守備では範囲でプラスを作ることは難しそうかなという感じ。
 外野手自体は毎年ドラフト上位候補は出てくるものの、高いバットツールを持ちつつ守備が足を引っ張らない選手は大きな貢献度を作りやすいことを踏まえてSSSランクとした。近年で内野は手厚く指名していて、次のステップとして外野でスケールを作りたい球団は特に狙いたい。入札予想球団はオリックス・ロッテ。

⚫︎宗山塁(明治大) 内野手

 宗山は各ツールのスケールが平均水準以上の遊撃手。NPBの1軍遊撃守備で複数年マイナスを吐かない守備能力と、NPB平均ラインは出せそうな打撃能力を両立出来ている。
 平均的な処理範囲なものの、捕球してからの確実性が圧倒的に高い選手で、握り変えの速さや送球の引き出し、正確性等は近年では源田レベルと言って差し支えない。
 数字の面でもK%,ISOといった各種スタッツも下級生から試合に出ている選手としては良好で、ここにも弱点らしい弱点がない。
 本来1軍において遊撃手を守りつつ複数年プラスを作るところまですら難易度が高く、“守備が1軍水準に達したとして打撃でマイナスを量産しやすい”遊撃手というポジションに、宗山一人でほぼ確実に解答を出せるというのが素晴らしい。
 個人的に最も良いツールはコンタクト面で、スムーズなバットの出で内外高低・直球変化球問わず弾き返す。捉えて引っ張ればスタンドインする打球を打つだけのパワーも持っている。
 NPBレベルで大きく突き抜けたツールは現状無いが、コンタクトが更に洗練されたり長打がより出るようになった時は手がつけられなくなるだろう。
 遊撃ポジションで攻守にバランスよく利得を出せる希少性の高い選手。二遊間プロスペクトが不足している球団は育成コストやリスクを踏み倒して若い遊撃手レギュラー最右翼を獲得出来るのでぜひ狙いたい。入札予想球団は西武・広島(公言)・阪神・ソフトバンク。

🔴SSランク(単独入札・外れ1位競合級)

⚫︎石塚裕惺(花咲徳栄) 内野手

 コンタクトツールに優れた強打の高校生内野手。
 180cmと内野手としては大きめ。かつがっしりした下半身を持ち、癖のないメカニクスとコンタクト力は超高校生級。既に木製バットで複数本塁打を記録しているので、打撃面では早くから頭角を現してきそうだ。
 アマでのポジションは遊撃手だがゴロ処理の際に両足がベタ足になるなど技術的な側面や、NPBのSSとしてはクイックネスに欠けている点から、プロ入り後はコンバート前提になるだろう。そのため強打で強みを出す2Bや、動ける3Bというのが現実的な着地点か。
 2Bなら浅村・牧。3Bなら石川昂弥といった辺りがイメージとしては近くなるが、彼らのように二遊間どころかコーナーポジションでも上位級のパワーツールを備えられるかは半々といった感じ。サイズがあり肉体的なフレームの大きさも既に感じるので、中距離に留まらない長打力を身につけて欲しい。
 真のパワーツールを獲得した時はSSSランクの選手と比べても遜色ない貢献度は残しそうだが現状はSSまでで。入札予想球団は楽天。OFは事足りていて大型のIF不在で高卒が好きなので。

⚫︎中村優斗(愛知工業大) 投手

 176cmながら最速159㌔の変化球投手。地面に突き刺すような踏み出し足に、小さめのテイクバックという現代的なフォームから、9回投げてもAve150を越える直球、強度のある130キロ後半のスライダー、140キロ前半のスプリット、カーブやチェンジアップなど緩急も交えることの出来る本格派。直球の質自体は平均的かやや垂れめだが動く前にミットに刺さっている。
 数字で見れば2024秋も、27回 35K 2BBと金丸に負けず劣らずおかしな事をやっておられる。
 要所のコマンドは金丸に劣り、直球待ちの所にゾーンに残ったカットやスプリットが弾かれたりという事はあるが、それでも結果は残しているのが凄まじい。
 身体のフレームに対して球速が高いというのは多少怖くはあるが、フォーム的なリスクはあまり感じないので、5年とかスパンでの先発イニング消化は金丸より分が有りそうに思う。F伊藤大海のようなイメージ。
 単独入札は可能性としてはDeNAとかがやりそう(お膝元の中日は金丸に絞ってるっぽい)。外れに残ったら大争奪戦勃発不可避だが、こんないい投手をリリーフに回すような非現代的教団には行かないでほしい。

🔴Sランク(外れ1位指名候補級)

⚫︎藤田琉生(東海大相模) 投手

 198cmの長身左腕。夏にかけて最速150㌔の大台に乗ったことで評価急上昇し、そのまま甲子園、U18と活躍し1位候補に仲間入り。
 フォームはこの手の長身左腕に似合わずしなやかで、縦に大きく割れるスライダー、ブレーキの効いたチェンジアップとどちらもかなり質が良い。
 直球も質は悪くないがコマンドが散らかっていて、捕手が真ん中に構えていてもアウトハイに吹き抜けていく球がちらほら。キャリア初期はNPBのゾーンに収まることから始まるだろう。
 逆に言えばコマンドが1軍で使えるレベルまで上がってくればそのまま1軍で抑え始めても不思議ではないし、とにかくフレームがデカいので育てば大きなリターンを獲得出来る選手。
 即戦力タイプの選手を初回で外した後に、将来性を取る選択をした際の第一枠。同じような選手が他にいないという点では希少性はあるので、育成の難しさはあれど伸びた際のリターンにも旨味があるだろう。

⚫︎佐藤柳之介(富士大) 投手

 ホップ成分の高い直球が魅力の最速148㌔左腕。オーバースローから指先で弾き出すようなリリースが特徴で、重力を無視したストレートがバットの上を通ってミットに突き刺さる。
 投球メカニクスが素晴らしく、身体をダイナミックに使いながらもロスになる動作が少なく投球が出来ている。
 変化球は球種はあるが質はそこそこ。スライダーは強度は高いがコマンドがもう一つといった風に、全体的に直球の質の良さに依存している投球スタイル。また高低をコントロールするのは出来ているものの左右をもう少し上手く使いたいように見える。
 それでも通算リーグ成績は簡易計算でK%28.7 BB%7.9% K-BB%が20.8と優秀な成績を残しており、即戦力タイプとしては金丸、中村に次ぐと言ってよさそうだ。
 左腕で奪三振能力も高く、メカニクス的にも大きな穴が無いので高い確率での戦力化に期待が出来る。外れ指名以降で即戦力タイプが欲しい球団の最有力候補になり得るだろう。

⚫︎渡部聖弥(大阪商業大) 外野手

 厚い筋肉の鎧に覆われたアスリート外野手。打撃、送球、足といった各種ツールにおいて高いパフォーマンスを見せる。
 打席内での余計な動作が少ない割にはスイングスピードが速く、捉えた打球がすごい打球速度で飛んでいく。 バット軌道的にフライを飛ばすよりは捉えてライナー性の当たりを量産するタイプで、バックスピンが上手く掛かった打球をスタンドインさせるイメージ。肉体的なパワー自体は西川に劣らないと思うが、打者のタイプ的に中距離に寄っている感じ。(そんな事を言っていた牧がプロで本塁打を量産してるけど)
 内角の捌きが若干硬く、NPBレベルでの速球を差された時にどう対応するかは気になるが、それ以外ではスムーズにバットを出してコンタクトしている。
 守備はCFを守っており、処理範囲自体は特筆し無いものの、肩のツールがかなり強い。守備範囲でどかどかマイナスを作らなければ進塁抑止で強みを出せるかも。仮にCFでマイナスを吐いたとしてもRFであれば三進を防ぐケースなどで肩の抑止力を活かしやすそうだ。
 マルチツールを持つ選手なので全てが上手く行った時は大きな利得を生み出しそうだが、打撃以外のツールがプロで武器になるかという点は精査が必要に感じる。現状は西川宗山に次ぐ即戦力タイプの野手ということで、外野のテコ入れをしたい球団は外れ指名で獲得出来れば十分な価値を生み出すだろう。

🔴A+ランク(外れ1位指名・2位指名級)

⚫︎村上泰斗(神戸弘陵) 投手

 今年の高校生の中でもトップクラスにフォームの完成度が高く、直球の回転数は約2500rpmを記録する最速153㌔右腕。高1春に投手に転向したとは思えない身体操作技術に180cm/73kgと肉体の成長余地も残している。
 左足を打者方向に蹴り出しながら並進していくが、頭から糸で吊られているかのようにブレない軸を支点に、鋭く上体を回転させるフォームは芸術的。主に使う変化球はカーブ、スライダー、フォーク。コマンドがまだまだだが強度自体はそれなりで、カーブとストレートの組み合わせだけで高校生は中々手が出ない。
 制球力に課題を抱え、直球が抜ける割合も高い。下で投球を固めないことにはどうにもならない部分はリスクといえばリスクなので、1軍の投手事情に余裕があったり、土台をしっかり固められる環境にある球団がオススメか。特にお膝元である在阪球団2つは育成力投手力共にお墨付き。タイプ的にも好みの選手そうなのでクジを外しすぎた場合などは1位指名でも狙ってくるかも。

⚫︎柴田獅子(福岡大大濠) 投手

 189cmの長身かつ指先感覚に優れた最速149㌔右腕。しなやかなスリークォーターからシュートライズする直球、スライダー、カーブを投げる。今夏は17回で与四球1とコマンド面も上々。
 スライダーを一つとってもカット、縦スラ、スラーブ、ドロップ系と4種類投げ分けていたと自身で語るなど、非常に器用な感覚を持っている。インタビューを見てもダルのスライダーを参考にしたりと研究熱心かつ理論派な面を見せ、プロでのデータ活用とピッチングの相性もよさそう。
 肘を直角に引き上げる動きや、右足の内旋が早い点などは気になる。クイックの方がバランスが良いので常時クイックで良いのでは?という意見も。
 打撃感覚にも優れており、身体能力の高さを活かして二刀流の可能性を探られている。フレームが大きいのでDHを活かしながらであればプチオオタニサンになれるかも。
 投打の両面で高い将来性があるのがやはり魅力的。そういう意味ではDHのあるパリーグ球団がロマンを追い掛けやすいか。投手としてのベースのレベルも高いので、評価する球団はセリーグにもありそうだが。日ハムの外れ1位など。

⚫︎斎藤大翔(金沢) 内野手

 身体能力と技術の両立が魅力の高校生遊撃手。181cmとサイズもあり、身体能力が高く広範な守備範囲を持つ。特に肩が優秀で、De森・C矢野らに匹敵する…かも。
 打球への入り方や握り変えの早さなども巧みで、NPB上位級の身体能力に遊撃守備技術が付いてきている、D龍空のような遊撃手。
 打撃面はスイングの際に身体が前に突っ込んでいるのがまず目につくので、時間はかかりそうな印象を受けた。身体のサイズも大きく、振れるには振れてはいるので、下で土台をしっかり作れば伸ばせるかも。
 内野手ならば石塚でも良いが、どうしても遊撃手のレギュラー候補が欲しいという時に、宗山が取られてしまったのであればこの斎藤が次点だろう。ただ1位で行くには打撃面がリスクになりそうなので、そこを織り込んで入札する覚悟が求められそう。

⚫︎麦谷祐介(富士大) 外野手

 足を強みにマルチツールを持つ大学生外野手。
 NPBでも上位級の脚力を持ち、リーグ通算44盗塁。中堅守備も足を活かして広範で、肩も強い。同じ上位候補の外野手の西川・渡部がプラスを出すには両翼に寄りそうなところ、麦谷は中堅手に留まれそうな所は差別化出来るポイント。
 打撃面は三振こそやや多めなものの、俊足を生かした三塁打であったり、リーグ通算で9本の本塁打を打っているなどを見ても長打力も十分にある。同大OBの山川よりも大学成績では上のISOなので成績の良さが分かるだろう。動作もシンプル、打球角度の付け方も良い。
 身体のバネが非常に強く、しなやかなのでプロでも伸びていけそう。中堅守備が行けそうなのもプラス材料で、打撃が上手く伸びればYs塩見のように莫大な利得を稼ぐことも可能だろう。とはいえ、現状の打撃ツールは特にコンタクト面で西川渡部の2人には劣るので、プロ入り後どこまで早く差を埋められるかに掛かっている。西川を外した時のオリックス、富士大が好きな西武辺りの外れ入札候補。

⚫︎篠木健太郎(法政大) 投手

 下級生から頭角を現していた最速157㌔右腕。
 177cmと大柄ではないが、非常に柔らかい下半身を使って得られた並進エネルギーを投球に変換している。
 130中盤から後半で縦方向に強度が有るスライダー、それより速く鋭い横滑りのカットと、スラ系の操作性と強度も申し分ない。
 3年春は毎試合150㌔中盤を記録するなど快投乱麻の活躍だったが、3秋に肩違和感で離脱してからの4年生のシーズンでは150㌔行ったり行かなかったり。
 「制球重視」という声もあるが与四球率は良くなっておらず、各スタッツも凡庸なので、最速157㌔のキレキレパワーアーム!という評判と最近の実態では乖離が有る事は頭に入れておきたい。
 肩違和感後からフォームをinvertedWから負担の少ない形に修正していたり、夏に国際試合にも行っているため疲れが出ているという説もある。
 東京六大学ブランドに心酔している球団の外れ1位候補と各所で言われているが、いずれにせよ3年次のパフォーマンスが戻るのであればれっきとした1位候補なので、各球団が身体の状態をどこまで掴んでいるかで評価が大きく変わるだろう。

🔴まとめ

⚫︎Tierランキング

SSS 金丸夢斗 西川史礁 宗山塁
SS 石塚裕惺 中村優斗 
S 藤田琉生 渡部聖弥 佐藤柳之介
A+ 村上泰斗 柴田獅子 斎藤大翔 麦谷祐介 篠木健太郎

⚫︎入札予想

金丸…中日・ヤクルト・横浜・日ハム・巨人
宗山…西武・広島(公言)・阪神・SB
西川…オリックス・ロッテ
石塚…楽天

 ※入札予想は10/19現在のものです。




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