【野球】高校生だらけのドラフト 2024

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【野球】高校生だらけのドラフト 2024 【百句鳥☆ほくと】

【これはnoteに投稿された百句鳥☆ほくとさんによる記事です。】

過去の『高校生だらけのドラフト』シリーズをお読みでない方は、初めまして。過去の記事をお読みの方は、ご無沙汰しています。この記事では2024年10月24日開催予定のプロ野球ドラフト会議に向けて、専門家でもスカウト関係者でもない自称ルリビタキの文章書きが注目するドラフト候補を紹介します。2018年以来継続しているシリーズなのですが、ご興味がありましたら2018年版(https://note.com/komugiteki/n/n2b8639adc01d)、2019年版(https://note.com/komugiteki/n/n7933e26f5182)、2020年版(https://note.com/komugiteki/n/n7d3dec2a3286)、2021年版(https://note.com/komugiteki/n/n468e0691914a)、2022年版(https://note.com/komugiteki/n/n6eebc73ed84e)、2023年版(https://note.com/komugiteki/n/n45127545782f)も読んでいただけると嬉しいです。初期読者の中には「あんたまだ書いていたの?」とお思いになる方もおられるかも知れませんね。はい、懲りずにまだ書いています。
 記事内容に関する重要な点を。当記事は「気になる選手の備忘録を兼ねた紹介」であって「ドラフト指名予想」ではないのでご注意ください。また筆者は特定の球団を推すよりは選手の個人成績を重視するタイプで「この球団におすすめ」的な話でもありません。しかも「野手」「浪漫砲」「強打の捕手」が好きなため、紹介する選手は高校生の中長距離打者に偏っており、本当に好き勝手なことを書き散らしています。もしかすると意外な名前が出るかも知れませんが、その意外性も含めてお楽しみいただければ幸いです。各ポジションで特に注目度の高い選手には◯を付けています。また、大学生の一部はリーグの途中であり、公開時点の成績を載せています。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇

~高校生~

【投手】

今朝丸裕喜(兵庫・報徳学園)
*187cm77kg/右投右打
*MAX151km
〈めも〉完成度より将来性を買われている本格派右腕で、好不調の波は若干気になるものの最速151kmの直球にスライダー、カーブ、フォークを混ぜた投球には大物感がただよい、完成したら凄い投手になる予感がします。個性的な苗字も密かな推しポイント。

小船翼(静岡・知徳)
*198cm108kg/右投右打
*MAX152km
〈めも〉1年秋には主力として投げていた超大型投手です。変化球はスライダーとフォーク。3年夏は顔面に打球が直撃したり熱中症を発症するなど、不完全燃焼に終わってしまいましたが、潜在能力は相当なものがあると思いますし、スケールの大きさにとても惹かれます。

清水大暉(群馬・前橋商)
*193cm93kg/右投右打
*MAX149km
〈めも〉1年生の春に左膝半月板を手術したこともあり、2年生以降に頭角を現した大型右腕です。変化球はスライダー、カーブ、スプリット。球威、制球、変化球の切れ味いずれも甘さは残りますが、見方次第では伸び代とも映るだけに今後の成長が楽しみです。

藤田琉生(神奈川・東海大相模)
*198cm96kg/左投左打
*MAX150km
〈めも〉二段モーションを取り入れてから投球内容が良化した超大型投手です。角度のある最速150kmの直球とスライダー、カーブ、チェンジアップの組み合わせでどんどん打ち取っていきます。現時点でもインパクトを残していますが、まだ細身で身体面の成長に期待します。将来的には100kgを超える選手になると思います。

村上泰斗(兵庫・神戸弘陵)◯
*180cm73kg/右投右打
*MAX153km
〈めも〉高校入学後捕手から投手に転向。3年間で世代を代表する本格派右腕に成長しました。高校生離れした球速に加え、ツーシーム、スライダー、カットボール、カーブ、フォーク、チェンジアップと多彩な変化球を織り交ぜた投球で三振の山を築きます。投球のレベルは高いですが、肉体面は明らかに成長途上で体作りは必須。完成するには少々時間がかかりそうです。

【捕手】

椎木卿五(神奈川・横浜)◯
*180cm85kg/右投右打
*高校通算19本塁打/二塁送球1.9秒台/50m不明
〈めも〉父は元プロ野球選手の椎木匠氏。1年生の頃から存在感を示していて、身体面の成長次第では打撃型捕手として楽しみな存在になると期待していました。通算本塁打数は19本と控えめながら癖のないフォームと鋭いスイングは素晴らしく、逆方向にも痛烈な打球を飛ばします。3年夏は26打数14安打で打率5割3分8厘、長打率7割4分5厘と大暴れしました。捕手能力がプロで通用するか若干不安あり。

箱山遥人(群馬・健大高崎)
*177cm83kg/右投右打
*高校通算35本塁打/二塁送球1.8秒台/50m6.5秒
〈めも〉健大高崎の青栁博文監督が歴代No.1と太鼓判を押す強肩強打の捕手です。上背はそこまである方ではありませんが、ガッチリとした体格でパワフルな打撃を見せます。今年の高校生捕手ではもっとも完成度が高く、攻守で活躍が期待できる逸材でしょう。


【内野手】

竹下徠空(高知・明徳義塾)
*183cm90kg/右投右打/一塁手
*高校通算19本塁打/50m不明
〈めも〉スモール・ベースボールが基本である馬淵監督の明徳義塾で、下級生時代から主軸を任され、長打を期待されていた未完の大器です。素人目にも相当な素質の持ち主に映りますが、高校野球で真価を発揮できたとはいいがたく、通算19本塁打はものたりない数字でした。もっと打てる選手だと思うので、仮に指名されなくても次のステージでの大爆発に期待します。

富浜琉心(東東京・帝京)
*180cm84kg/右投右打/捕手・一塁手
*高校通算7本塁打/50m不明
〈めも〉新基準バットを使いながら長打を量産したことで帝京打線は話題になりました。打線の中軸を担っていた富浜選手はバットを低い位置で立てる独特のフォームで、片手を離す大きなフォロースルーが特徴的。正直通算7発なのは意外でした。その内5本が公式戦なのも関係して、数字以上のインパクトを残しました。指名漏れしたら独立リーグの向かうとのこと。

曽布川ザイレン(静岡・浜松商)
*180cm85kg/右投右打/三塁手
*高校通算29本塁打/50m6.3秒
〈めも〉静岡県内No.1の強打者といわれる素材型の内野手。通算29本塁打の内12本は3年春以降に放ったもので、まだまだ進化の余地を残しています。投手としてもMAX137kmを計測。攻守とも大分荒削りで本格化に時間はかかりそうですが、適切な指導で覚醒すれば大物になるかも知れません。

三井雄心(埼玉・浦和学院)
*180cm80kg/右投左打/三塁手
*高校通算34本塁打/50m6.4秒
〈めも〉父は元プロ野球選手の三井浩二氏。中学時代から将来性豊かな強打者として注目されていました。1年秋には打線の中軸を担い、投手としてもMAX138kmを計測するなど総合能力の高い選手です。

ラマル・ギービン・ラタナヤケ(大阪・大阪桐蔭)
*180cm83kg/右投右打/三塁手
*高校通算33本塁打/50m6.2秒
〈めも〉中学時代から注目されていた長距離砲ですが、高校野球では大分苦労した印象を受けます。高校生屈指の長打力も確実性に欠け、守備も不安定なことからスターティングメンバーに入らない試合が多く、持ち味を生かし切れたとはいいがたい状況です。打撃特化型というより打撃専門型という印象。長距離打者の素質は充分ですし、時間をかけることで凄い打者になる可能性は持っていると思いますが。

宇野真仁朗(東京・早稲田実業)
*177cm80kg/右投右打/遊撃手
*高校通算64本塁打/50m6.1秒
〈めも〉おなじ東京である関東第一の高橋徹平内野手と壮絶な本塁打競争を繰り広げた強打者です。そこまで体格は大きいわけではありませんが、積極的に強振する姿勢と、打球に角度を付ける技術がこれだけの本塁打をかさねたのでしょう。不安点は積極的であるが故の空振りの多さと送球の甘さで、二塁手の方がポテンシャルを発揮できるかも知れません。

石塚裕惺(埼玉・花咲徳栄)◯
*181cm84kg/右投右打/遊撃手
*高校通算26本塁打/50m6.2秒
〈めも〉2年生の時点で2024年の高校生では石塚選手がドラフト最有力候補にあがると予想していました。強く引っ張ることも、綺麗に流すこともできるバッティングセンスはいうまでもなく、安定感のある守備と積極的な走塁も見もの。同時に突出したものに欠けるという懸念はありますが、そのあたりはプロ入り後の進化を見守りたいです。完成形は打率を残しながら長打も打てる中距離打者ではないかと見ています。

齋藤大翔(石川・金沢)
*181cm76kg/右投右打/遊撃手
*高校通算14本塁打/50m6.0秒
〈めも〉2年生まではそこまで注目されていませんでした。それが3年生で突然各球団のスカウトから高評価され、一気に名前が知れ渡ることに。持ち味は遠投120m球速140kmの強肩と、50m6.0秒の俊足を生かした守備力。まだ身体は成長途上ながら鍛えれば長打も期待できるバッティングセンスも魅力です。通算14発中6発が公式戦という勝負強さにも注目。

田中陽翔(群馬・健大高崎)
*183cm83kg/右投左打/遊撃手
*高校通算21本塁打/50m6.4秒
〈めも〉父は元プロ野球選手の田中充氏。広角に打ちわけるバッティングセンスが売りで、攻撃的な2番打者として健大高崎の快進撃を支えました。下級生時代のインパクトを考えると若干本塁打数はものたりませんが、打撃力のある大型遊撃手としての成長に期待がかかります。

森駿太(神奈川・桐光学園)
*187cm91kg/右投左打/遊撃手
*高校通算48本塁打/50m6.1秒
〈めも〉下級生の頃から将来のドラフト候補生として注目されていました。投手としても141kmを記録。神奈川県を代表する強打者ですが、公式戦で目立った成績を残していない点は気になります。3年夏も好調とはいえない状態で不完全燃焼に終わった感は否めません。でもポテンシャルは確かなので注目したいです。

【外野手】

ウメビンユオ・オケム明(北海道・旭川志峯)
*181cm71kg/右投右打
*高校通算本塁打数不明/50m5.8秒
〈めも〉肉体的にも技術的にも完成には時間がかかりそうですが、152kmを計測するスイングスピード、遠投100mの強肩、50m5.8秒という身体能力は見事で潜在能力は高いと思います。北北海道大会準々決勝の帯広大谷戦では豪快な本塁打を記録。リアルタイムで見て衝撃を受けました。

正林輝大(鹿児島・神村学園)
*178cm84kg/右投左打
*高校通算19本塁打/50m6.0秒
〈めも〉センバツの本塁打で大きく評価をあげました。力強いスイングだけではなく、遠投100mの強肩と50m6.0秒の俊足を備えており、走攻守揃ったバランス型の選手として注目されています。3年夏は不完全燃焼に終わった印象を受けますが、潜在能力は確かなものがあると思います。

寺井広大(三重・神村学園伊賀)
*184cm95kg/右投左打
*高校通算24本塁打/50m6.6秒
〈めも〉屈強な体格と打席での雰囲気は、如何にも長距離砲という感じ。現時点でプロ並みの身体をしているので、どこまで成長するのか楽しみです。まだ身体を持てあましている印象を受けますし、足もそこまで速いわけではないので打撃力と守備力を磨いてアピールしたいところですね。

モイセエフ・ニキータ(愛知・豊川)◯
*181cm85kg/左投左打
*高校通算18本塁打/50m6.2秒
〈めも〉新基準の金属バットで甲子園初本塁打を記録。ロシア人の両親から受け継いだスタイルとバネを武器に鋭い打球を連発しました。素質は間違いなくありますが、明らかに成長途上で全体的に荒削りなので本格化には時間がかかるかも知れません。高卒でプロ入りした場合どこまで通用するのか不安も。センバツ以降本塁打数があまり増えていないのも気がかり。

【プロ志望届未提出の注目選手】

【投手】
佐々木広太郎(宮城・仙台育英)
中西琉輝矢(和歌山・智辯和歌山)
平嶋桂知(大阪・大阪桐蔭)
藤原翔太(秋田・大曲工)
古川太陽(神奈川・市ヶ尾)※外野手
村上太一(福岡・西日本短大附)※外野手
【捕手】
石黒尚(鳥取・鳥取城北)
石田結斗(東京・府中工科)
井上和輝(山梨・駿台甲府)
上野翔斗(新潟・日本文理)
加藤右悟(神奈川・慶應義塾)
木村海達(神奈川・東海大相模)
熊谷俊乃介(東京・関東一)
小森結斗(北海道・遠軽)
澤村凪人(三重・三重)
篠原悠(北海道・札幌大谷)
杉浦正悦(愛知・中京大中京)
住本悠哉(青森・八戸学院光星)
高柳大治(愛知・東邦)
只石貫太(広島・広陵)
土橋怜於(千葉・市原中央)
中村航大(静岡・浜松開成館)
中村優太(神奈川・桐光学園)
冬木蓮太郎(石川・日本航空石川)
【内野手】
井崎暁志郎(福岡・福岡・一塁手)
上田優吾(長崎・創成館・一塁手)
岡田幸大(滋賀・滋賀学園・一塁手)
岡本弦士(東京・日大三・一塁手)
小澤愛希(東京・府中工科・一塁手)
垣津吏統(岐阜・県岐阜商・一塁手/二塁手/三塁手)
片井海斗(東京・二松學舍大附・一塁手)
河野嵐(愛媛・聖カタリナ・一塁手)
齋藤康太(新潟・開志学園・一塁手)
武田勇哉(茨城・常総学院・一塁手/三塁手)
芳賀陸人(北海道・クラーク記念国際・一塁手)
濵谷輝(福井・敦賀気比・一塁手)
原田純希(青森・青森山田・一塁手)
原田颯馬(鹿児島・鹿児島実・一塁手)
水竹颯(千葉・行徳・一塁手)
森山竜之輔(群馬・健大高崎・一塁手)
山本柊人(島根・松江南・一塁手/二塁手)
山本世波(岩手・盛岡大附・一塁手)
李玟勳(茨城・明秀日立・一塁手)
藤原悠楽(北海道・白樺学園・二塁手)
マーティン・アンドレ・キャメロン(北海道・東海大札幌・二塁手)
芦内澄空(大分・明豊・三塁手)
荒牧拓磨’(石川・日本航空石川・三塁手)
稲葉銀士(静岡・掛川西・三塁手/外野手)
北澤優人(南北海道・東海大札幌・三塁手)
小松伯(愛知・星城・三塁手/外野手)
髙橋徹平(東東京・関東一・三塁手)
奈良飛雄馬(東東京・帝京・三塁手)
花田悠月(和歌山・智辯和歌山・三塁手)
福田敦士(富山・富山商・三塁手)
岩井天史(滋賀・滋賀学園・遊撃手)
高田裕樹(香川・四国学院大香川西・遊撃手)
中山凱(千葉・専大松戸・遊撃手)
中村俊瑛(兵庫・滝川・遊撃手)
西崎桔平(西東京・帝京・遊撃手)
安井辰希(島根・出雲・遊撃手)
吉川勇大(青森・青森山田・遊撃手)
【外野手】
五十嵐将斗(東東京・二松學舍大附)
石黒連央(千葉・千葉経済大附)
石島健(愛知・愛工大名電)
石原優成(西東京・早稲田実業)
一宮知樹(千葉・八千代松陰)
井上葵來(神奈川・横浜)
大谷汰一(奈良・天理)
織田大成(西東京・日大三)
表西優志(東東京・帝京)
岡江伸英(大阪・大阪桐蔭)
加納朋季(岐阜・県岐阜商)
川端颯一郎(熊本・文徳)
境亮陽(大阪・大阪桐蔭)
鈴木拓斗(宮城・仙台育英)
手代森琉輝(南北海道・北照)
徳丸快晴(大阪・大阪桐蔭)
長尾幸誠(神奈川・東海大相模)
中村アラシュ(埼玉・聖望学園)
西谷虎太郎(静岡・清水西)
林幸介(神奈川・横浜)
林佑樹(南北海道・札幌日大)
福島煌(南北海道・札幌大谷)
福田修盛(徳島・阿南光)
矢野丈太郎(西東京・國學院久我山)
山田頼旺(愛知・中京大中京)
山根大翔(埼玉・昌平)
吉村航希(宮崎・小林秀峰)
丸山慧也(長野・松商学園)

~大学生~

【投手】
金丸夢斗(関西学生野球・関西大)◯
*177cm77kg/左投左打
*MAX154km
〈めも〉大学生投手最高の注目株といって間違いないでしょう。武器は通算四死球率1.56が物語る制球力。常時150km級の球速に加え、精密機械のような正確さでスライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、スプリットといった多彩な変化球を組み合わされたら手も足も出ません。4年春終了時点で39試合(224.2回)防御率0.88四死球39とか意味がわからないです。唯一の不安要素は怪我のリスクを背負っているところです。それ以外は非の打ち所がありません。
佐藤柳之介(北東北大学野球・富士大)
*179cm88kg/左投左打
*MAX148km
〈めも〉「富士大7人衆」の一人。本来なら大学生屈指の左腕としてもっと騒がれても不思議ではなかった投手ですけれど、金丸選手の成績が飛び抜けているため次点候補というポジションになっています。最高球速は現代野球においては及第点。でも、精度の高いスライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、フォークボールを組み合わせた投球術は秀逸で、さらなる良化の余地を感じさせる点も魅力です。
篠木健太郎(東京六大学野球・法大)
*177cm75kg/右投右打
*MAX157km
〈めも〉最速157kmを誇る本格派右腕。最大の武器はやはり伸びのある直球でスライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、フォークボール、シュートといった多彩な変化球と組み合わせながら打ち取っていきます。若干制球力に不安要素はあり、四死球で自滅する怖さも持っているものの致命的ではないと思っています。
寺西成騎(首都大学野球・日本体育大)
*186cm85kg/右投右打
*MAX153km
〈めも〉伸びのある直球、切れのある変化球を武器とする素材型投手。現時点でリーグ最高の投手といっても過言ではないのですが、高校3年生の頃に右肩痛の手術をおこなったり、大学4年春はコンディション不良で出遅れ、8月中旬には肺炎を患い、その後も右手中指のマメを潰して4年秋も出遅れるなど健康状態に不安を抱えている点が引っかかってしまいます。言い換えると身体が完成さえすれば凄い投手になるかも知れません。
中村優斗(愛知大学野球・愛知工業大)
*176cm81kg/右投右打
*MAX159km
〈めも〉爆速のストレートを持った愛知大学リーグを代表する投手です。常時150km台なかばを計測する球速と、切れ味鋭い変化球のコンビネーションで4年春までに奪三振率10.48を記録。同期の金丸投手とともに大学野球界を盛りあげている存在です。豪快さだけではなく器用さもあり、リリーフ登板でも結果をだしているので、スターター、リリーバー、クローザーどこでも力を発揮できそうな期待感を抱かせます。

【捕手】
印出太一(東京六大学野球・早大)◯
*185cm91kg/右投右打
*リーグ通算5本塁打/二塁送球1.9秒台/50m不明
〈めも〉高校時代は髙橋宏斗投手とのバッテリーで活躍し、早大進学後も順調に実績を積みあげてドラフトの有力候補に名乗りをあげました。ただ、期待通りの成長曲線かと問われると疑問を覚えます。崩されながらバットにあてることも多く、中途半端なスイングもちらほら。守備面もプロで通用するレベルなのかあやしいところ。まだ素質・体格を生かしきれていない印象を受けます。ずっと注目してきた選手だけに頑張って欲しいです。
笹原愛斗(福岡六大学野球・九州共立大)
*180cm90kg/右投右打
*リーグ通算5本塁打/二塁送球1.9秒台/50m不明
〈めも〉大学進学後に頭角を現し、巧みなバットコントロールで2年春から主力選手として高打率を残してきました。ガッチリした体格を見るともう少し長打を望みたくなりますが、打撃内容は年々向上しており、4年秋は打率4割1分7厘、三振数はわずか1回という成績を記録。自身のアピールポイントにあげる守備とともに注目したいです。
譽田貴之(福岡六大学野球・福岡工業大)
*178cm84kg/右投右打
*リーグ通算13本塁打/二塁送球1.8秒/50m不明
〈めも〉打高投低の福岡六大学野球とはいえ、通算13本塁打の長打力は目を引きます。捕手としてもキャッチングとスローイングの良さに定評があり、強打の捕手を求める者にとっては無視できない存在といえるでしょう。欲をいえばもうひとまわり身体が大きければなお期待が膨らむのですが。攻守とも好不調の波がある点も不安要素。

【内野手】
荒巻悠(関甲新学生野球・上武大)
*183cm92kg/右投左打/一塁手
*リーグ通算8本塁打/50m6.3秒
〈めも〉関甲新学生リーグ屈指の強打者。伝統的に打高投低のリーグとはいえ通算OPS1.2以上という成績には驚愕です。打撃特化型で打撃以外にはあまり期待できませんが、浪漫あるスラッガーなのは間違いなく、先々が楽しみな選手です。
清原正吾(東京六大学野球・慶大)
*186cm90kg/右投右打/一塁手
*リーグ通算2本塁打/50m6.5秒
〈めも〉大学生では最大の浪漫枠としてあげました。ご存知清原和博氏の長男であり、中学・高校と野球から離れていたにもかかわらず名門慶大で4年目に4番打者に抜擢。リーグ初の本塁打を記録するなど活躍しました。ブランクは大きな足枷です。それでも期待せざるを得ない素質の持ち主なのは間違いありません。プロで見たいです。
渡邉悠斗(北東北大学野球・富士大)
*181cm97kg/右投右打/一塁手・捕手
*リーグ通算10本塁打/50m不明
〈めも〉「富士大7人衆」の一人。長打力を持ち味としながら、コンタクト能力も優れていて首位打者も経験しています。今年の富士大野手の打撃特化型選手であり、プロの世界でもバットをうならせて欲しいです。本当は捕手枠で取りあげたかったのですが、大学後半は一塁手として出場していたため内野手枠に入れました。
佐々木泰(東都大学野球・青山学院大)
*178cm82kg/右投右打/三塁手
*リーグ通算12本塁打/50m6.1秒
〈めも〉高校時代異次元の打撃力を見せ、進学後も1年春に4本塁打を放って井口資仁氏の記録(24本)を更新するのではないかと騒がれました。その後コンスタントに好成績を残しましたが、打率は常に1~2割台で本塁打も1~2本と当初の期待値には届かなかった印象を受けます。とはいえ豪快なスイングは迫力満点で、勝負所での1発を期待したくなる強打者です。さりげなく足が速いのも魅力。
森翔太郎(東海地区大学野球・中部学院大)
*183cm87kg/右投左打/三塁手
*リーグ通算3本塁打/50m不明
〈めも〉森井翔太郎ではありません。森翔太郎です。本塁打数は3本と少なめながら4年春には2本塁打16打点で二冠王に輝き、4年秋も打率3割出塁率5割に到達するなど安定感のある打撃を見せました。左投手を苦にせず、広角に打ちわけ打撃技術が持ち味。3年春と4年秋は遊撃手としてプレイ。
佐々木大輔(北東北大学野球・富士大)
*175cm90kg/右投左打/遊撃手
*リーグ通算10本塁打/50m不明
〈めも〉「富士大7人衆」の一人。魅力は何といってもフルスイング。小柄ながら強靭な肉体を駆使してバットを振りまわす姿は、どこか吉田正尚選手を彷彿させます。確実性には欠けるかも知れませんが、本塁打王・打点王を獲得した打撃力は魅力的です。
宗山塁(東京六大学野球・明大)◯
*175cm80kg/右投左打/遊撃手
*リーグ通算10本塁打/50m6.2秒
〈めも〉今年の全ドラフト候補野手の中で最大級の評価を受けています。2年春頃にはもう「2年後のドラフト1位」と囁かれていた逸材で、4年秋には東京六大学リーグ史上12人目となる100安打10本塁打を達成。小柄ながら卓越したバッティングセンスで長短打を連発しています。何より目を引くのは守備力であり、守備範囲の広さ、捕球技術、安定した送球はプロの選手を見ているようです。本当に「10年に一人」レベルなのかはわかりませんが、素晴らしい選手なのは間違いありません。

【外野手】
井上幹太(北陸大学野球・金沢学院大)
*184cm97kg/右投左打
*リーグ通算14本塁打/50m不明
〈めも〉大学通算255打数102安打、打率4割、14本塁打、92打点。失礼ながら有力リーグとはいえませんが、それにしても突出した成績です。高校時代から打撃力には定評がありましたし、全国高校野球選手権大会後のプロ志望高校生合同練習会でも木製バットへの対応力を見せていました。走塁と守備はそれほど目立たないもののこのパワーは大きな武器です。

加田拓哉(神奈川大学野球・桐蔭横浜大)
*175cm83kg/右投右打
*リーグ通算13本塁打/50m6.0秒
〈めも〉高校時代から強肩強打俊足でスカウトの注目を集めていました。桐蔭横浜大進学後2年間出場機会はありませんでしたが、3年春以降長打を積みかさね、神奈川大学リーグを代表する強打者に成長しました。通算36安打中本塁打が13本という極端な飛ばし屋で、確実性には欠けるものの1発の魅力を持っている選手です。

寺本聖一(広島六大学野球・広島経済大)
*170cm85kg/右投左打
*リーグ通算12本塁打/50m6.0秒
〈めも〉小柄ながらフルスイングで長打を連発。遠投115mの強肩と50m6.0秒の俊足も兼ね備えている大砲です。高校時代から総合能力は高く、プロ志望高校生合同練習会でも柵越えを披露するなどアピールしていました。おなじ広島経済大出身の左打ち外野手である柳田悠岐選手と比較されることもありますが、成績は似ていても体格もタイプも異なるので寺本選手は寺本選手として見たいものです。

西川史礁(東都大学野球・青山学院大)
*182cm88kg/右投右打
*リーグ通算6本塁打/50m6.3秒
〈めも〉大学生でありながら野球日本代表の強化試合に参加し、7打数3安打1打点という活躍を見せたことでドラフト上位候補に名乗りをあげた強打者です。下級生時代は目立たず、3年春から頭角を現した晩成型だけに通算本塁打数は注目度の割に少ない方ではあります。でも3年目以降の覚醒ぶりを見ると将来性抜群でさらなるパワーアップに期待がかかります。

根岸辰昇(アメリカ・ノースカロライナA&T州立大)
*180cm100kg/左投左打
*リーグ通算9本塁打(米)/50m6.2秒
〈めも〉慶應義塾卒業後渡米するという異色の経歴であり、21年から米大学野球リーグ最高峰のNCAA Division Iでプレイ。今季はノースカロライナA&T州立大で51試合出場、3割7分1厘・8本塁打・37打点に加えて日本人史上最高のOPS1.064を記録するなど画期的な活躍をしました。おもに一塁手で出場しましたが、右翼手も務めている点を見て外野手枠に入れました。高校時代を見ていただけに個人的な思い入れがあります。

麦谷祐介(北東北大学野球・富士大)
*180cm83kg/右投左打
*リーグ通算9本塁打/50m5.8秒
〈めも〉「富士大7人衆」の一人。今年は富士大の勢力が話題となっていますが、現状スカウトの評価をもっとも集めているのは麦谷選手です。4年秋は本塁打王・打点王・盗塁王を獲得。最多盗塁に至っては脅威の5度目。強打に俊足を生かした守備、さらに遠投110mの強肩と三拍子揃っていて正直欠点が見あたりません。

柳舘憲吾(東都大学野球・國學院大)
*180cm82kg/右投左打
*リーグ通算8本塁打/50m6.2秒
〈めも〉1年秋からレギュラーの座を勝ち取り、常に好成績を残してきた好打者です。大学日本代表の5番を任されたほどの打撃力が武器ですが、高校時代は投手として140kmを計測した強肩の持ち主であり、走攻守三拍子揃った選手といえるでしょう。4年秋は絶不調に陥りましたが後半戦に復調。本塁打も記録しました。

吉納翼(東京六大学野球・早大)
*180cm87kg/右投左打
*リーグ通算13本塁打/50m6.2秒
〈めも〉高校時代に44発を放ち、進学後2年目から頭角を現してきた長距離砲です。3年春頃から独特のリラックスしたスイングを見せ始め、芯で捕らえた打球は面白いほど飛ぶようになりました。外角の球は逆らわず流し打って、そのままスタンドまで運んでしまいます。守備と走塁は標準的ではありますが、東京六大学リーグ屈指の長打力は大きな武器でしょう。

林冠臣(福岡六大学野球・日本経済大)
*195cm105kg/右投右打
*リーグ通算6本塁打/50m不明
〈めも〉今年の大学秘密兵器は台湾出身の留学生である彼、林冠臣(リン・クァンチェン)外野手です。日南学園時代から注目していたのですが、進学先で目を見張るほどの強靭な肉体を作りあげていました。4年春は打率4割2分9厘に4本塁打、4年秋は本塁打こそないものの打率4割6分9厘と荒削りながら安定して安打を記録しています。守備走塁に不安は残るとはいえこの体格と打撃力には浪漫を感じます。

渡部聖弥(関西六大学野球・大阪商業大)◯
*177cm88kg/右投右打
*リーグ通算9本塁打/50m6.0秒
〈めも〉関西六大学野球の安打数記録に並ぶ119安打を放った安打製造機。身長は高い方ではありませんが、筋肉の塊と表現できる屈強な肉体から長打を連発しました。抜群の身体能力の持ち主であり、大学生屈指のパワーに加え、遠投110mの強肩と50m6.0秒の俊足を兼ね備えています。低い弾道で突き抜けていく打球が特徴。ホームランバッターというよりパワーヒッターというタイプですね。三塁手としてもプレイしました。

~社会人~

【投手】
伊原陵人(NTT西日本・左投左打・170cm75kg)
*MAX148km
木下里都(KMGホールディングス・右投右打・183cm87kg)
*MAX156km
竹田祐(三菱重工West・右投右打・184cm90kg)
*MAX153km
【捕手】
石伊雄太(日本生命・右投右打・179cm83kg)
*二塁送球1.9秒以下
城野達哉(西濃運輸・右投右打・179cm84kg)
*二塁送球19秒前後
野口泰司(NTT東日本・右投右打・180cm94kg)
*二塁送球1.9秒台
【内野手】
大西蓮(JR東日本東北・右投右打・183cm90kg)一塁手
土井克也(JFE西日本・右投右打・181cm87kg)一塁手
木村翔平(GXAスカイホークス・右投右打・187cm96kg)三塁手・遊撃手
徳丸天晴(NTT西日本・右投右打・185cm96kg)三塁手
【外野手】
門叶直己(東海理化・右投右打・183cm90kg)
山内慧(JR東日本・右投右打・184cm80kg)

~独立リーグ~

【捕手】
島原大河(愛媛マンダリンパイレーツ・右投左打・183cm95kg)一塁手
嶋村麟士朗(高知ファイティングドッグス・右投左打・175cm95kg)
町田隼乙(埼玉武蔵ヒートベアーズ・右投右打・186cm88kg)
矢野泰二郎(愛媛マンダリンパイレーツ・右投右打・179cm80kg)
【内野手】
三浦ジェスヨロボ大颯(信濃グランセローズ・右投右打・181cm100kg)
加藤響(徳島インディゴソックス/右投右打・180cm82kg)
【外野手】
浅井玲於(愛媛マンダリンパイレーツ/右投左打・186cm95kg)
石川慧亮(栃木ゴールデンブレーブス/右投右打・173cm81kg)
寺岡丈翔(徳島インディゴソックス/右投右打・178cm85kg)



 2018年以来将来有望な選手を探し、見付けては「この選手良いので注目しています」と誰かに求められてもいないのにアピールしてきました。それはもう溢れるほどの注目株を厳選するのに苦労するほど。
 ところが、2024年は過去にないレベルで頭を抱えることになりました。その理由は高校生強打者候補のプロ野球志望届の提出数が激減した点です。捕手、三塁手、外野手の選出数に困惑の色を認めることができると思います。冒頭で強調しているように【高校生だらけのドラフト】は高校生強打者候補を中心に備忘録を兼ねて紹介するという個人的願望丸だしの記事で、特に素材型・浪漫砲が集まりやすい上記のポジションには熱視線を注いでいるのですが、とにかく今年はプロ野球志望届を提出するスラッガーが少なくて(念のため。進路は人生を決める重要な判断であり赤の他人が口を挟むべきではない、という大前提を設けた上で勝手に肩を落としているだけで、関係者を批判及び非難する意志は皆無である点を主張させていただきます)。
 具体的に注目していた野手陣を列挙していきますと、捕手では石黒尚(鳥取城北)、石田結斗(府中工科)、井上和輝(駿台甲府)、木村海達(東海大相模)、熊谷俊乃介(関東第一)、澤村凪人(三重)、杉浦正悦(中京大中京)、高柳大治(東邦)、中村優太(桐光学園)等々。三塁手では垣津吏統(県岐阜商)、小松伯(星城)、髙橋徹平(関東第一)、奈良飛雄馬(帝京)、花田悠月(智辯和歌山)、福田敦士(富山商)等々。外野手では石黒連央(千葉経済大附)、大谷汰一(天理)、加納朋季(県岐阜商)、手代森琉輝(北照)、蔡韋辰(日南学園)、中村アラシュ(聖望学園)、福田修盛(阿南光)等々。しかも澤村凪人捕手、高橋徹平内野手、中村アラシュ外野手は各ポジションの最推しとして紹介する予定でした。中村優太選手も追随する注目捕手で、小松伯選手は内野手でも外野手でも次点候補。余談ながら大学生でも最推し捕手清水智裕(中部大)、最推し内野手石橋昂樹(北九州市立大)、ほか坂口渉(城西大)といった秘密兵器がプロ野球志望届未提出であり、外野手の方も石飛智洋(倫理大)、岡野翔海(佛教大)、藤澤涼介(横浜国立大)などの面々も未提出なので、なかなかの寂寥感を抱きながら執筆しています。
 ちなみに注目度自体は非常に高くても、現時点の完成度を考慮すると高卒プロを目指すのは時期尚早ではないか、と思っていた選手は上記に含んでいません。守備面の課題を抱えがちな一塁手もあらかじめ進学を想定していました。それから慶應義塾の加藤右悟捕手のように進学が確定している選手も除外対象です。いずれにしても次のステージでは何らかの記録を打ち立てるくらいの活躍を見せて欲しいですね。特に高橋徹平選手は高校通算63本塁打を記録した強打者。国民スポーツ大会では木製バットで豪快なアーチを描きました。正直体格も打席の雰囲気も高校生の領域ではありませんし、すでに進学先で大暴れする光景を妄想して楽しんでいます。

 嘆き節ばかりでは味気ないというか偏屈さが滲み出てしまうので、プロ野球志望届提出者にも触れましょう。高校生の提出傾向を見ると投手は従来と変わらない感じですね。また、遊撃手は例年より積極的に提出している印象を受けています。このあたりにも新基準バット導入による投高打低化の影響がうかがえるようです。元来「守備の華」と表現される遊撃手は、チーム随一の守備力を誇る選手でなければ務まらないポジションであり、その総合能力の高さ故にスカウトは熱い視線を注ぎます。だから遊撃手の提出率が高いのは当然の話です。でも、それにしても今年は遊撃手の有望株が揃っているのですよね。内野手10人の内遊撃手は5人選ばせていただきました。
 これでもほかのポジションに配慮して絞っている方です。取りあげた選手以外にも例えば石見颯真(愛工大名電)、今坂幸暉(大阪学院大高)、岸本佑也(奈良大附)、坂口優志(樟南)、坂本剣志郎(鯖江)、颯佐心汰(中央学院)、中村奈一輝(宮崎商)、福尾遥真(学法石川)等々。坂本剣志郎選手は雰囲気のある大型遊撃手だけに内野手枠に入れる案もありました。ただ、如何せん情報量が少ない上に数打席の映像しか見られなかったため泣く泣くはずすという経緯がありました。インターネットの普及で昔より情報が手に入りやすくなったとはいわれていますが、そのインターネットの世界でも映像を筆頭とした情報量に偏りがあるので、地域による情報量の差が生まれない世の中になることを希望します。ちなみに二塁手を兼任している福尾遥真選手を二塁手として紹介する案もありました。でも、3年夏は遊撃手を務めていたので却下という流れに。
 何はともあれ今年は本当に遊撃手部門が賑わっているのです。この傾向を如何に解釈するべきか。重要な宿題になるかも知れません。
 傾向といいますと、今年の高校生投手は大柄な子が多いですね。紹介した投手陣を見ると小船翼選手と藤田琉生選手が198cm、清水大暉選手が193cmと190cm台が3人。名前をあげなかった投手を含めると200cmの菊池ハルン(千葉学芸)、193cmの山口廉王(仙台育英)、有馬惠叶(聖カタリナ)、191cmの石田充冴(北星学園大付附)、188cmの半澤理玖(白樺学園)という大型選手もいます。ほかにも茨木佑太(帝京長岡)、柴田獅子(福岡大大濠)両名も187cmと充分恵体です。プロ野球志望届未提出組を見ても197cmの中西琉輝矢(智辯和歌山)や身長は180cm台前半で体重が100kgに達している佐々木広太郎(仙台育英)、藤原翔太(大曲工)といった巨漢も。村上泰斗選手も180cm73kgと立派な体格をお持ちなのに小柄と錯覚してしまいます。一方、大学生投手の注目株は180cm未満であるケースが多いという不思議な対比が生まれている点も面白いです。

 佐々木麟太郎選手の米留学を契機にドラフトのあり方に変化が現れてきたかな、と感じましたが、今年も独自路線を歩む人が出てきました。代表格は森井翔太郎選手(桐朋)です。身長184cm体重89kg。右投左打の遊撃手で投手としてMAX153kmを計測、打者として高校通算45本塁打を放ち、50m6.1秒の俊足。しかも偏差値71の進学校。早い段階でドラフト1位候補に名を連ねるのも頷ける金の卵です。プロ野球志望届を提出するも本人の希望はあくまでもメジャーリーグ。批判覚悟で強行指名する球団はなさそうですし、恐らく来年渡米することになるでしょう。
 そして、密かに注目度をあげているのが木村翔平選手(GXAスカイホークス)。身長187cm体重98kg。右投右打の大砲です。高校中退後2022年10月からGXAスカイホークスに入団し、プロ野球選手を目指して練習に取り組んでいます。GXAスカイホークスは硬式野球を続けたい人のために設立された社会人硬式野球クラブチームで、日本野球連盟未加盟故に公式戦には参加できないものの充実した設備とサポートで選手を支援しています。木村選手は通信制高校で単位を取得し、今年春までに対外試合40試合で7本塁打を記録しました。守備は三塁手と遊撃手を兼任。能力はまったくの未知数ですが、筋骨隆々たる体格と打撃練習で135m級の大飛球を放つ長打力は魅力的です。素材としても楽しみですし、こうした特殊な事情で高校・大学野球を辞めざるを得なかった人もプロ入りできるという希望をもたらす意味でも、何とか夢を叶えて欲しいと願っています。
 最後にもう一人。それは大学生外野手枠で紹介したノースカロライナA&T州立大の根岸辰昇選手です。経歴と注目する理由はすでに書いているので、詳細はそちらで確認してください。でも、米留学や高卒大リーグ挑戦を試みる人もいれば、逆に米大学から日本野球を目指す人もいるという状況はバラエティに富んでいて面白いですし、個人的にこうして選択肢が増えるのは良い傾向だと思っています。

 プロ志望、進学、就職。どんな選択肢を選ぶにしても、その判断が納得の結果に繋がることを願って応援しています。

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