「第2回 WBSC Baseball5 ワールドカップ 2024」侍ジャパンBaseball5代表出国前会見 「このチームならどの国にも負けない」自信と誇りを持ちいざ世界一へ
侍ジャパンBaseball5代表から、若松健太監督・島拓也キャプテン・六角彩子選手の3名が登壇した。
掲げた世界一の目標と相手国へのリスペクト
登壇した全員は日本が準優勝した前回大会でも日の丸を背負ったメンバー。決勝で対戦したキューバの印象、そして他国への敬意も交えながら述べた。
まずはチームを率いる若松監督。前回大会は代表コーチを務め、監督としては4月のアジアカップに続いて指揮を執る。
「あの時はキューバの力が大きく抜けていて、決勝で対戦して衝撃的だった印象がありました。
ただ、今回の目標は世界一です。この2年間は我々も各チームでの練習や選手権などの大会もありましたので、この間どのくらい成長できたのか。もう一度キューバと決勝で戦いたいですし、とてもワクワクしています。
他国も日本同様レベルが上がって強くなっていますので、大変な戦いが続くと思いますが、決勝でキューバと戦って勝つイメージを持って臨みたいです」
「今回はアジアチャンピオンとして行きますので、その自信と誇りを持って香港へ行きます。この2年間で他国もBaseball5を理解して、強くなっていると思いますので、そういった国々の選手たちと試合できるのが楽しみです。
海外の選手たちは体も大きく日本と違う特徴のある選手がいるので、どんな戦いをしてくるのか気になりますし、楽しみでもあります。私も思う存分楽しみたいです」
特に前回大会では、「最優秀女子選手」「オールスターチーム」「最優秀コーチ」の3タイトルを獲得するなど世界を代表するプレイヤーである。
ここでは大会に向けて、そして競技の魅力も発信した。
「私たちももちろん、世界一になることを目標に掲げています。2人が話した通り、他国も本当に強くなっています。前回は準優勝でしたが、予選落ちの可能性もありながら何とか勝ち獲ったもので、決して順調に来たわけではありませんでした。
キューバとの差は私も感じていて、勝つのに5年以上かかるのではないかと思ったほどでした。ただ、この2年間を経て『このチームならどの国にも負けない』と感じています。ですので、持てる力を存分に発揮していきたいです。
Baseball5の魅力は観る人もやる人も楽しめるスポーツだと思うので、私たち自身も楽しみながら、観客・相手チームをリスペクトして大会へと臨みます」
日本の強みは堅実な守りと実戦経験
その間は各所属チームで活動を続けながら、6月には日本初のリーグ戦「B5.LEAGUE KANTO 2024」がスタート。真剣勝負を通じて互いを高め合ってきた。
7月末に代表メンバーが決定後は、上記に加えて関東選抜チームとのエキシビジョンマッチや、代表練習を通じて磨き上げてきた。
若松監督は、キューバを始め他国の特徴も見据えながら調整を進めてきたと語る。
「応用練習もできたと思います。他国もですが、特にキューバは打球が速いです。あと併殺を取れますし、クッションボールの処理なども体に染み付いているのだと思います。我々はまず堅実な守備で守りながら、先制点を取ることで主導権を握っていきたいです」
「日本の長所は、監督が話したように堅い守りで相手にプレッシャーをかけていくところです。そのためには私たちがミスをしないこと。他国は確かに打球は速いのですが、その分クッションボールも強いので、ランナーを進めさせないよう守備で工夫できると考えています」
「個々のバッティングのレベルは速さ・狙いともに相当上がったと感じています。特に三上（駿）は別人のようにフォームが違いますし、自ら研究を重ねたのだと思います。
あとは試合数を多くこなしてきました。試合テンポが速いので、そのリズム・感覚を大事にしていて、その成果が自然と表れるようになっています」
もうひとつの強みである”チームワーク”
この質問について、六角選手がこう答えてくれた。
「日本のチームはとても仲がいいです。それはBaseball5においてとても大事なことです。とにかく”速い”競技なので、お互いどこに入るか・どこにボールを投げてほしいかを瞬時に判断しなければならないためです。
コミュニケーション力・チームワークは他の国よりも秀でているのではないかと感じています。日本のチームはお互いに思ったことを言い合える環境がつくられているので、それが強みの一つです」
キューバ、そしてアジアカップで決勝を戦ったチャイニーズ・タイペイはグループAに所属しており、互いに勝ち上がれば10日からのスーパーラウンドでの対戦となる。
若松監督は、オープニングラウンドについて覚悟を語った。
「初戦が特に重要だと思います。相手はまだ対戦経験のないオーストラリアで未知の部分もありますが、ここで勝てば勢いに乗れると思います。
他にも世界ランキングが日本（8月発表時で世界5位）より上の国もあります。フランス（同4位）やチュニジア（同3位）がそうです。
また、前回大会の時に負けたリトアニアとはもう一度対戦したい気持ちがあります。アフリカ勢も順位関係なく強い印象を持ちましたし、台湾・中国も打倒日本で来ると思いますので、全て厳しい試合になってきます」
翌5日に香港入りした侍ジャパン。アジアチャンピオンの誇りを持って、世界一に向けた戦いがいよいよ始まる。
（写真 / 文：白石怜平）
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ