【ソサイチ日本代表】Road to KL ~アジア連覇への道~

チーム・協会

アジア連覇を目指すソサイチ日本代表 【©️Japan Football 7】

10月10日(木)~13日(日)の4日間、マレーシア/クアラ・ルンプルで「ASIA 7'S Championship(ソサイチアジア大会)」が行われる。

昨年の第一回大会で初代王者に輝いたソサイチ日本代表は、連覇を目指し9月1日(日)に29名での代表候補トレーニングを実施。本選出を勝ち取った14名が9月16日(月・祝)、23日(月・祝)に新生・日本代表としてトレーニングを行った。国内最終トレーニングでは、てくてくキッカーズ、ELAGUA TOKYOとのトレーニングマッチに見事勝利。ASIA7'S連覇を懸け、本大会に臨む。

新生・ソサイチ日本代表が始動!

紅白戦前に円陣を組む選手たち 【©️Japan Football 7】

9月16日(月・祝)、東京・J-SOCIETY FOOTBALL PARK 多摩に14名の選手が集まった。
チームミーティングでは、コスタ・ケラー監督からチームのコンセプトやソサイチ日本代表のアイデンティティが伝えられ、3時間のトレーニングを開始。ウォーミングアップやシュート練習を経て紅白戦を行った。

今大会では前後半を終えた後、「カムバックピリオド」で勝敗を決する。「カムバックピリオド」では、前後半のスコアによりターゲットスコアが設定される。そのスコアに先に到達したチームが勝利となるが、7対7から始まり、時間が経過するごとに6対6、5対5とピッチに立つ人数が減っていく。これまでリーグ戦や国際大会では導入されたことのないレギュレーションに戸惑いを感じる選手も多かったが、交代のタイミングや人数が減ったときのポジショニング、スペースの使い方を入念に確認し徐々にアジャストしていった。中でも代表初選出の荒井友斗は、持ち前のスピードと突破力を生かし多くの得点に絡んだ。

この日の最後には、ソサイチ独特のレギュレーション「シュートアウト」のトレーニングを実施。中本真彰がゴールを守り、中本の好セーブや枠外へのシュートなどで得点を挙げられなかった選手が脱落していく中、チーム最年少の伊豆川泰生は落ち着いてシュートコースを見極める冷静さを発揮。GKが成田力哉に代わり、最年長対最年少の戦いとなったが、伊豆川はここでも時間を使いながら狙った場所にシュートを決める決定力を見せ、シュートアウトチャンピオンに輝いた。

荒井友斗「攻守でどれだけ貢献できるか、泥臭くがんばりたい」

多くの得点に絡んだ荒井友斗 【©️Japan Football 7】

ー紅白戦では多くの得点に絡みました
「たまたまです(笑)」

ー得点源として重要なポジションを担うことになりますが、そういった役割をどのようにとらえていますか?
「活動が少ない中で、どれだけ合わせられるかだと思っています。これまで一緒にプレーをしたことのない選手とトレーニングができる貴重な機会でもありますが、そこで色々な選手の特徴をしっかりとつかんでマレーシアに向かえたらと思います」

ースピードに乗りゴールに向かう姿勢が多く見られました。自身の強みは?
「一枚剥がすことを求められていると思います。そこでどれだけ貢献できるか、守備の面でもどれだけ走って貢献できるかだと思うので、泥臭くがんばりたいと思います」

伊豆川泰生「周囲のいいところを吸収しながらアジアチャンピオンを目指す」

最年少ながら落ち着いたプレーを見せる伊豆川泰生 【©️Japan Football 7】

ー初回のトレーニングを終えて
「顔を合わせるのは(選考も合わせて)2回目でしたが、みなさんとてもうまいです。最年少なので、みなさんのいいところを吸収しながらアジアチャンピオンを目指せればとすごく燃えています」

ーシュートアウトでは時間をかけ、落ち着いて決めきりました
「大舞台でも緊張することはあまりないので、自分のペースで落ち着いて本番もプレーできたらと思います」

ーアジア連覇に向けた意気込みをどうぞ
「少ない活動の中ですが、チームで連係を高め本番に向かいたいと思います」

国内最終トレーニング。トレーニングマッチ全勝で、アジア連覇へ弾みをつける!

9月23日(月・祝)には、東京・J-SOCIETY FOOTBALL PARK 多摩で国内最後のソサイチ日本代表トレーニングが行われた。
冒頭のチームミーティングでは、代表初選出の阿部正紀がキャプテンに、前回大会でも副キャプテンを務めた関根友弥が副キャプテンに任命され、ケラー監督が阿部にキャプテンマークを託した。

この日は関東ソサイチリーグ1部の「てくてくキッカーズ」、「ELAGUA TOKYO」とのトレーニングマッチを実施。基本の2-3-1の布陣と3-1-2の布陣を使い分け、1本目のてくてくキッカーズ戦に臨んだ。
序盤には縣翔平が競ってこぼれたボールを伊豆川泰生がシュート。しかし、これはクロスバーを直撃する。圓乘健介からの折り返しに佐々木僚太が頭で合わせるもこれは相手GKにキャッチされ、中村駿介が放ったループシュートはGKの正面でキャッチされるなど、チャンスを作りながらも1点が遠い日本代表。しかし、終了間際に縣が荒井を狙って送ったボールがオウンゴールを誘発。日本代表が1点をリードし、15分1本の変則マッチを1-0で終えた。

その後行ったカムバックピリオドでは、ターゲットスコアが「2」に設定され、日本代表は次の1点、てくてくキッカーズは2点を取れば勝利というゲームに臨んだ。7対7から時間が経過し、1人ずつ選手を減っていく中、日本代表は5対5の局面で中央の荒井のアシストから左サイドの加部未蘭が落ち着いてゴールを決め、2-0で勝利を収めた。

得点を挙げ喜ぶ加部未蘭(左)と箱崎裕也 【©️Japan Football 7】

つづくELAGUA TOKYOとのトレーニングマッチでは、1本目で出た課題を修正して臨んだ日本代表。序盤から森保陸や箱崎裕也がチャンスを作り、加部が先制点をマークする。終盤には右サイドの阿部から中央の加部とつなぎ、縣が追加点。2-0でカムバックピリオドを迎えた。

カムバックピリオドのターゲットスコアは「3」。日本代表は次の1点、ELAGUAは3点を取ることで勝利が決まるゲームとなった。このカムバックピリオドではなかなか得点が生まれず、時間とともに1人ずつ選手が減っていき4対4となる。ここで関根友弥をGKに置きパワープレーを仕掛けた日本代表は、その関根がミドルを放つがクロスバーを越える。GKを阿部に代えチャンスを窺う日本代表は、阿部から右サイドの上田力樹とつなぎ、佐々木がファーに詰めて3点目をマーク。3-0で勝利を収めた。

その後もてくてくキッカーズ、ELAGUA TOKYOとカムバックピリオドに特化したトレーニングを行った日本代表。限られた代表活動の中で修正を行いながら連係を深め、大会連覇へ弾みをつけた。

先制点を演出した縣翔平(中央) 【©️Japan Football 7】

阿部正紀「ソサイチがおもしろいということをもっともっと見せていきたい」

キャプテンマークを巻く阿部正紀 【©️Japan Football 7】

ー2度の代表活動を終えて
活動は2回しかなかったですが、コミュニケーションの部分ではみんなうまく話せたのではないかと思います。戦術の部分も試合をやって大分理解していたし、いいゲームの入り方もしていたのでこの2回があってよかったな、と思います」

ーキャプテンに任命され、監督から何か言葉はかけられましたか?
「監督から(キャプテンを)やってくれないか、と言われて、最初は「自分でもいいのか」と思いましたが、監督が「お前しかいない」と言ってくれたので「やります」と答えました」

ー1度目のトレーニングでもベンチワークで一番声を挙げていました。今回、キャプテンに任命され、さらにチームをまとめる立場になると思います
「しゃべる選手が少ない分、自分がどんどんみんなに声をかけてコミュニケーションを取って、今後もいろいろな選手に伝えていけたらと思います」

ー普段のリーグ戦とは異なるレギュレーションでの戦いとなりますが、連覇への意気込みをお願いします
「去年の大会で優勝しているチームが、自分が入った大会で優勝できなかったというのは嫌なので、絶対に優勝するという意気込みでがんばります」

ー個性的なメンバーがそろった日本代表や、北海道リーグへの元Jリーガーの参戦など、ソサイチが注目されるタイミングになっています。応援してくれるみなさんに向け、メッセージをどうぞ
「これからソサイチという競技をみんなに知っていただいて、ソサイチがおもしろいということをもっともっと見せていきたいと思います。ぜひ応援をよろしくお願いします」

関根友弥「みんなが一つになろうという気持ちを持っている」

2大会連続で副キャプテンを務める関根友弥(左) 【©️Japan Football 7】

ー2度の代表活動を終えて
「結果も内容も素晴らしいトレーニングマッチだったので、まずこの段階ではよかったと思います」

ー前回大会も経験している関根選手から見て、新生・日本代表の雰囲気やチームワークはいかがですか?
「最初は個性的なメンバーがいっぱい集まっていたので心配だったんですが・・・(笑)。みんなが一つになろうという気持ちをすごく持っていると今日改めて感じたので、いい雰囲気だと思います」

ー今大会でも副キャプテンに任命されました。どのようにチームをまとめていきたいですか?
「アジア(前回大会)と世界大会を経験させていただいたので、そこの経験をしっかりみんなに伝え、プレーでも戦う気持ちを全面に出して引っ張っていきたいと思います」

ー個性的なメンバーがそろった日本代表や、北海道リーグへの元Jリーガーの参戦など、ソサイチが注目されるタイミングになっています。応援してくれるみなさんに向け、メッセージをどうぞ
「いつも応援ありがとうございます。年々盛り上がってきて、レベルも上がっている中ですが、日本代表として責任と誇りを持って戦っていきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします」

佐々木僚太「僕らが先頭になってソサイチを広げていきたい」

得点を決め上田力樹とハイタッチをする佐々木僚太(奥) 【©️Japan Football 7】

ー2度の代表活動を終えて
「3時間みっちり、関東のチームと練習試合をさせてもらいました。僕は普段関西でプレーをしているので、関東はレベルが高いということを改めて実感しましたが、それを遥かに上回ることができ、得点も入りました。一番注目したいところは、無失点で終えられたところです。それはチームで評価できるところだと思います。そこをベースに、大事にしていきたいと思います」

ー守備から構築していくチームですが、佐々木選手はポジション的にもアグレッシブに攻撃に参加し、得点もマークしました。期待される役割や強みはどのようなところですか?
「このトレーニングマッチでは自分の得意とするプレーはあまり出せなかったんですが、まずはボールを失わないことを大事にしています。チャンスがあればゴールを狙うということで、頭を途中で切り替えてボールを大事にすることを心がけていたからこそ、最後に(自分のところにボールが)転がってきたのではないかと思います。なので、できるところからコツコツと、チームのためにやっていこうかな、と思っています」

ー限られた期間での活動ですが、1度目と2度目を比べて手ごたえやチームのまとまりなど変化を感じている部分はありますか?
「今回、キャプテンと副キャプテンが阿部(正紀)さんと(関根)友弥くんになりました。やっぱりコミュニケーション面でああいう方たちがいてくれると、チームがグッとまとまりますし、それに甘んじているだけでなく、(加部)未蘭くんのような盛り上げる選手がどんどんついていくということが増えてきました。それがチームの雰囲気にもつながりますし、基本的な部分ですが、あと一歩がんばってほしいところでも選手同士で声をかけ合うことを会って2、3回の選手でできているのは、チームとしてかなり成長したと思います」

ー連覇の懸かった大会に向け、個性的なメンバーがそろった日本代表や、北海道リーグへの元Jリーガーの参戦など、ソサイチが注目されるタイミングになっています。応援してくれるみなさんに向け、メッセージをどうぞ
「僕自身もソサイチを始めて1年半、2年弱ですが、魅力にどっぷりハマっています。僕が今回、日本代表に選出されたと周りで話しても「ソサイチって何?」と聞かれることも多く、そういう方たちにも「ソサイチっておもしろいんだ」「佐々木が出るなら見てみよう」と、どんどん競技が広がっていけば、全国的にレベルも上がっているので流行ること間違いなしだと思っています。僕らが先頭になってソサイチを広げていけたらと思うので、がんばります」

コスタ・ケラー監督「全力で日本のために戦いたい」

前回大会につづき指揮を執るコスタ・ケラー監督 【©️Japan Football 7】

ー2回という限られた期間での活動を振り返って
「マレーシアに行く前の最後のトレーニングを終え、思った以上にみんなが指示を理解して、思った以上のポテンシャルを見せてくれたので、すごくよかったと思います。練習なので満足をするところではありませんが、このチームでみんなががんばってくれるなら、上に届く可能性があると思います。マレーシアに行って2大会連続で優勝できると思っています」

ー1本目から2本目の間に守備の修正を行い、2本目はさらに良くなりました
「選手の組み合わせによって異なるフォーメーションを取り入れようと思っていましたが、今大会はサッカーボールを使うので、選手の動きを見ながら変えなくてもいいのではないかと徳永コーチと相談しました。それにより選手交代もうまくいくようになりました。それが「良くなった」という評価につながったと思います。練習なのでここしか試すチャンスはなかったのですが、基本的には2-3-1でいこうという方針が固まりました。もちろん、マレーシアに渡ってから他のチームのやり方を見て判断する必要はありますが、基本が定まったかな、と思いました」

ー海外に渡ってのタイトな大会スケジュールや、普段のリーグ戦とは異なるレギュレーションなど、厳しい戦いが予想されます。大会では選手にどういったことを一番大切にしてほしいですか?
「もちろん戦術理解も大切なので、ミーティングでも監督、コーチだけでなく選手たちが思うことをどんどん話し、コミュニケーションを取る場を作りました。理解が早い選手たちなので、異なるレギュレーションでも任せられます。だからこそ、選手たちには自分だけのことではなく仲間のことを考えてほしいと思っています。自分のために100%の力でがんばるだけではなく、仲間をカバーするために120%の力を出す。それを求めています」

ーキャプテンに阿部選手、副キャプテンに関根選手を選びました。どのような思いで彼らに託しましたか?
「関根選手は去年もやってくれているので経験者でチームをまとめる力があります。インフィールドでも後ろからコーチングをしてくれるので、変わらずやってほしいと本人にも相談し、引き受けてくれました。新しいキャプテンを阿部選手にした理由は、結構激しい選手で声も出してくれるし、ミーティングや着替えの場でも周りを巻き込んで盛り上げくれます。阿部選手に伝えると他の選手にも伝えてくれ、この選手ならチームをまとめてくれるだろう、と。彼に相談したときに「一緒にがんばりましょう」と言ってくれたので、これからチームがどうなっていくか楽しみです。サッカーでのプロ経験もある選手なので、そういった経験をソサイチの選手たちに伝えてくれるとすごく力になると思っています」

ー応援してくれるみなさんに向けてメッセージをどうぞ
「ソサイチ日本代表を応援してくれるみなさん、いつも本当にありがとうございます。何かトラブルがあっても、それを突破したい気持ちをすごく持っている選手たちです。全力で日本のために戦いたいと思っているので、信頼してもらい、心を一つにしてもらえればいい結果が出ると思います。トレーニングにもサポーターさんが来てくれて、声をかけてくれました。そういったことが増えてソサイチが盛り上がればうれしいです。みなさんの熱さが伝われば僕たちの力になりまた優勝までいけると思いますので、ぜひみんなで応援してください」

大会概要・日程

大会名:ASIA 7's Championship
日程:10月10日(木)~10月13日(日) ※遠征日程は10月8日(火)~10月14日(月・祝)
開催地:マレーシア/クアラ・ルンプル
出場国:8チーム(予定)

ソサイチ日本代表メンバー

【GK】
中本 真彰|NAKAMOTO MASAAKI|FC LISEM ★
成田 力哉|NARITA RIKIYA|LAZO YOKOHAMA

【FP】
阿部 正紀|ABE MASANORI|ELAGUA TOKYO ★
上田 力樹|UEDA RIKI|LAZO YOKOHAMA ★
森保 陸|MORIYASU RIKU|FC LISEM ★
関根 友弥|SEKINE TOMOYA|LAZO YOKOHAMA
伊豆川 泰生|IZUKAWA TAISEI|ELAGUA TOKYO ★
荒井 友斗|ARAI YUTO|東京ヴェルディ ソサイチ ★
中村 駿介|NAKAMURA SHUNSUKE|新世界制覇 ★
縣 翔平|AGATA SHOHEI|プラムワン
圓乗 健介|ENJO KENSUKE|プラムワン
箱崎 裕也|HAKOZAKI YUYA|FC VOLVER ★
佐々木 僚太|SASAKI RYOTA|FC VOLVER ★
加部 未蘭|KABE MILAN|ELAGUA TOKYO

★=初選出
取材・文=しょうこ
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著者プロフィール

南米ブラジル発祥のフットボール、7人制サッカー=ソサイチの普及を進める一般社団法人 日本ソサイチ連盟です。全国各地でソサイチ公式リーグを開催中。ソサイチリーグに関する情報(日程、結果、順位表、試合の速報)はもちろん、ソサイチ日本代表や各種インタビュー記事、各地でのソサイチイベントなど、ソサイチにまつわる様々な情報・コンテンツを発信、掲載していきます。

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