【FC東京】NUMBER10 -東慶悟が示す10番の矜持-
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「不安は……たくさんある(苦笑)。でも、このチームと一緒に、まだまだ成長していきたい。それが良い意味でプレッシャーになってくれたら良い。一石二鳥? そうなれば良いかな」
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その2019シーズンに東京はクラブ史上最もリーグ優勝に近付き、翌シーズンには3度目となるルヴァンカップ制覇を成し遂げる。年を追うごとに「このチームを強くしたい。東京で勝ちたい」と強く思ってきた。今思い返しても、そこからの東はサッカーと東京をますます好きになっていたのだと思う。
いつもそうだった。
「このチームのみんなで勝ちたい」。そう言い続けてきた。愛の重さなんて分からないけど、仲間のために言葉じゃなく本気の行動でいつも示してきた。それが僕の知る東慶悟という10番でキャプテンの姿だった。
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「毎シーズン、リーグ優勝をめざしてきたから歯がゆさや、思うことはあった。だから、なおさらもっとオレをうまく利用してほしいとさえ思っていた。試合に出るどうこうという話じゃない。試合に出られなくて腐るタイプじゃない。この世界で経験もしてきた方だし、もっとできることがあると感じていた。チームがうまくいかなくて周りから話を聞いて自分も言える範囲では伝えてきた。でも、試合に出場していない立場では限界もある。一緒に苦しい思いをしながらでないと温度感は分からない。相手にも響かないし、どうしても外野から言っているような感覚になってしまう。そこは正直難しいと思った」
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そうした時間も約4か月続き、7月20日の第24節鹿島アントラーズ戦でベンチ入りを果たす。
しかし、そこから2試合連続でベンチを温めるだけで、川崎フロンターレ、東京ヴェルディと続いたライバル対決では再びベンチの外に追いやられてしまう。張り詰めていた糸は、いつ切れてもおかしくなかった。
そんな東の姿を側で見守る人がいた。鹿島戦後のオフ明けに、今シーズンからトップチームでコーチとして指導する奧原崇から声を掛けられた。
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Text by 馬場康平(フリーライター)
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