早大競走部 初のロード記録会で好タイム続出! 出雲に向けて上々の結果に

チーム・協会
第5回早大競技会 The Road of WASEDA 9月29日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場
【早稲田スポーツ新聞会】記事、写真 飯田諒

 9月29日早朝、早大記録会史上初となるロード記録会『The Road of WASEDA』が、開催された。種目は、一周約700メートルの周回コースを7周と約100メートルを走る5キロ。出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)を2週間前に控えたこの日、夏合宿の成果確認として、早大からは総勢26名が出場した。学内トップのタイムである13分43秒でゴールしたのは、1組2着の山口智規(スポ3=福島・学法石川)。その他の選手も夏合宿明けながら、13分台から14分前半の好タイムを多数叩き出した。

※本記事における、周回の距離は以下の通りである
1周目(0・8km)
2周目(1・5km)
3周目(2・2km)
4周目(2・9km)
5周目(3・6km)
6周目(4・3km)
ゴール(5・0km)

 1組は早大の主力に加えて、夏合宿を経て自信を深めたという藤本進次郎(教3=大阪・清風)の計6名が出場した。レースはスタートからハイペースで推移。1キロを2分42秒で通過する先頭集団に、早大からは山口智が積極的についていく。4周目を過ぎると先頭集団は2人の留学生と山口智のみに。5周目に入りヴィクター・キムタイ(城西大)が飛び出したが、「ついてはいけたが、無理をするタイミングではない」と振り返る山口。記録会で出し切ることはせず、冷静にレースを進めた。その後方では、工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)と藤本が落ちてきた選手をかわし、上位に浮上した。その後も順位に大きな変化はなく、山口が13分43秒の2着でゴール。一時山口に迫る場面もあった工藤が13分48秒の3着、夏合宿で「練習の質と量を積むことができた」と語る藤本が13分55秒の4着でフィニッシュした。

1着でゴールする山口智 【早稲田スポーツ新聞会】

 2組は山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖)と瀬間元輔(スポ1=群馬・東農大二)のルーキーコンビが出場した。レース序盤は、帝京大が先導する集団の中ほどで様子をうかがう2人。すると3周目を前にして山口竣が先頭でレースを引っ張る展開に。その後も終始、先頭付近で走り続けた山口竣が2着でフィニッシュ。瀬間は、一時集団前方に位置する積極的な走りを見せたものの、終盤競り負け組10着でゴールした。

スタート直後の山口竣(写真右から2番目)と瀬間(写真右から4番目) 【早稲田スポーツ新聞会】

 3組は早大勢のみの参加となった。最初の2周目までは大集団でレースが推移。しかし、周回を重ねるごとに、徐々にこぼれ落ちる選手の姿が目立ち始める。4周目を前にして5人の集団になると、その後は先頭が目まぐるしく入れ替わる展開に。最後は鋭いスパートを見せた、吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)が14分15秒の組トップでゴール。わずかに競り負けた伊藤幸太郎(スポ3=埼玉・春日部)が、同タイムの組2着でレースを終えた。

ゴール直前競り合う吉倉(手前)と伊藤幸 【早稲田スポーツ新聞会】

 「想定していたところで皆ゴールすることができた」と花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)が振り返るように、充実の結果となった本記録会。三大駅伝総合3位以内に向けて、質を高めた夏合宿をほぼ完璧にこなしてきた所以だろう。初戦の出雲は2011年以来、早大が3位以内に入れていないまさに鬼門。夏合宿そして、本記録会を通して得た自信を胸に、13年ぶりの表彰台入りを目指す。

結果

▽男子5km

山口智規(スポ3=福島・学法石川) 13分43秒 (1組2着)

工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰) 13分48秒 (1組3着)

藤本進次郎(教3=大阪・清風) 13分55秒 (1組4着)

長屋匡起(スポ2=長野・佐久長聖) 14分02秒 (1組8着)

間瀬田純平(スポ3=佐賀・鳥栖工) 14分06秒 (1組9着)

石塚陽士(教4=東京・早実) 14分13秒 (1組14着)

山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖) 13分57秒 (2組2着)

瀬間元輔(スポ1=群馬・東農大二) 14分15秒 (2組10着)

吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実) 14分15秒 (3組1着)

伊藤幸太郎(スポ3=埼玉・春日部) 14分15秒 (3組2着)

宮岡凜太(商3=神奈川・鎌倉学園) 14分16秒 (3組3着)

増子陽季(人2=栃木・大田原) 14分24秒 (3組4着)

立迫大徳(スポ1=鹿児島城西) 14分26秒 (3組5着)

宮本優希(人2=智辯学園和歌山 ) 14分26秒 (3組6着)

和田悠都(先理4=東京・早実) 14分27秒 (3組7着)

小平敦之(政経2=東京・早実) 14分35秒 (3組8着)

須山向陽(スポ3=鹿児島城西) 14分38秒 (3組9着)

佐藤広人(創理1=埼玉・早大本庄) 14分39秒 (3組10着)

武田知典(法2=東京・早実) 14分47秒 (3組11着)

日野斗馬(商4=愛媛・松山東) 14分52秒 (3組12着)

安江悠登(法2=埼玉・西武文理) 14分53秒 (3組13着)

門馬海成(政経3=福島・会津) 14分54秒 (3組14着)

船生颯太(先理1=静岡・韮山) 14分56秒 (3組15着)

高橋優喜(スポ2=静岡・浜松北) 14分58秒 (3組16着)

髙尾啓太朗(商2=千葉・佐倉) 15分01秒 (3組17着)

大和田春(スポ1=高知追手前) 15分02秒 (3組18着)

伊福陽太(政経4=京都・洛南) DNS

菅野雄太(教4=埼玉・西武学園文理) DNS

コメント

花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)

――組分けの意図を教えて下さい

練習状況を見て決めました。3組目にも合宿でよかった選手がいましたが、他大学もたくさん来ていただいたので。本当は1、2組に配置したかったのですが、3組目も早稲田だけで記録を出せたので、練習の成果かなと思います。

――藤本進次郎(教3=大阪・清風)選手が1組に置かれたのは、期待の表れでしょうか

この夏初めて選抜合宿に参加しましたが、本人も練習が積めて自信を持っていました。

――本日の結果は上々というかたちでしょうか

そうですね。想定していたところで皆ゴールをすることができました。合宿の疲れが残っている中で走れたので、実力がだいぶついたと思います。

――夏合宿はどのようことをメインに取り組まれましたか

今までの走り込みに加えて、スピード練習もしっかり行いました。三大駅伝全てで3位以内を目標にしているので、それを意識した質の高い練習でしたが、完璧に近いかたちで、終えることができました。

山口智規(スポ3=福島・学法石川)

――本日の目標を教えて下さい

ここに合わせているレースではなかったので、無理せずにいい感覚で走れたらいいと思っていました。狙い通りのレースができました。

――レース途中日本記録は頭にありましたか

狙えるタイムではありましたが、出せたらいいなくらいで思っていました。ヴィクター(城西大、ヴィクター・キムタイ)が3キロ過ぎに出て、ついてはいけましたが、無理をするタイミングでもないので。

――本日疲労はどの程度ありましたか

全く合わせずに合宿明けから来ているので、疲労は若干感じていました。その中で設定タイムをクリアできたので、評価ができるレースでした。

――ご自身の結果について改めてどのように振り返りますか

出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)に向けて、1キロ2分40秒から45秒のペースに余裕を持てました。駅伝では8キロから10キロ以上も走ることがあると思うので、そこを見据えたレースになって良かったです。

――駅伝シーズンに向けて意気込みを教えて下さい

チームとしてすごくいい練習消化を、この夏ですることができました。僕の役割としては、他大のエースにしっかり勝ち切って順位のポジションを上げていくことだと思います。チームの目標に貢献できるように頑張りたいです。

藤本進次郎(教3=大阪・清風)

――本日の目標を教えて下さい

これまでの夏合宿に比べて、今年は練習の質も量も積めることができました。出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)2週間前の中で、夏合宿の成果を確認する目的で走りました。

――今年の夏合宿を十分にこなせた要因は何が考えられますか

一番は、周りの支えが大きかったです。

――本日はどのようなレースプランを考えていましたか

そのままいったら、ベスト(トラック5000メートルの自己記録)は更新できると思っていました。落ち着いて、ついていくプランで臨みました。

――序盤5人ほどの先頭集団が飛び出しましたが、どのようなことを考えていましたか

1000メートルを通過したあたりで結構いけると思いました。そこからは積極的についていくことにしました。

――本日のご自身の結果についてはどのように捉えていますか

素直にベストを更新できてうれしいです。

――最後の今後の意気込みを教えて下さい

このレースでかなり自信がつきました。駅伝シーズンはこの自信を胸に頑張りたいです 。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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