「一緒に積み重ねてきた194回の喜びは僕の一生の財産」増田達至引退セレモニー全文
恩師・佐々木誠氏から花束を受け取る増田達至投手 【©パーソル パ・リーグTV】
9月28日、ベルーナドームにて増田達至投手の引退試合が行われた。試合では、7回表に登板。ファンやチームメイトが見守る中、打者1人との対戦は、ストレート勝負で締めくくった。
試合後の引退セレモニーではミルコ・デムーロ騎手、オリックス・平野佳寿投手、比嘉幹貴投手、岸田護投手コーチ、巨人・内海哲也投手コーチ、脇谷亮太二軍内野守備兼走塁コーチ、登場曲を歌うベリーグッドマンからのビデオレターが届いた。
同期入団の金子侑司選手、ともにブルペンを支えた平井克典投手、バッテリーを組んだ炭谷銀仁朗選手、4人の子どもたちから花束、長男からは手紙も送られた。また、ライオンズOBでNTT西日本時代の監督でもある佐々木誠氏が登場。花束とエールを増田投手に送った。
続いて、増田投手があいさつ。以下、あいさつ全文。
「まずはじめに、私のためにこのような素晴らしい場を用意していただきました埼玉西武ライオンズの関係者のみなさま、監督、コーチ、選手、裏方のみなさま。本当にありがとうございました。
そして、3試合も引退試合に付き合っていただきました千葉ロッテマリーンズ球団のみなさま、最後まで球場に残ってくださりましたファンのみなさま。本当にありがとうございます。
ここからは考えてきた手紙を読ませてください。うまく話せるかわからないですが、よろしくお願いします。
私、増田達至は、今シーズンを最後にユニホームを脱ぎます。12年前、埼玉西武ライオンズに指名していただき、僕のプロ野球人生が始まりました。右も左もわからないプロの世界で自分がどこまで戦っていけるのか不安ななか、NTT西日本の寮を出たことを今でも覚えています。
あこがれの先輩方が近くにいる華やかなこの世界で、置いていかれないように、遅れをとらないように、がむしゃらに食らいついてやってきました。そして、2018年と2019年には選手会長をやらせていただき、リーグ連覇も経験させていただきました。ビールかけの音頭をとらせていただいたことも嬉しかったですが、優勝を決める最後の一球を僕に託してくださったことが、僕の人生で一生忘れることのない登板となりました。
プロ野球人生のほとんどが中継ぎ、抑えでの登板という、結果を残さなければいけない場面でマウンドに上がることへの重圧で心が折れそうになることもありました。そんな時、僕のことを信じ、マウンドへ送り出してくださった監督、監督をはじめ、僕の気持ちに寄り添って指導してくださったコーチの方々、勝利を信じ、560試合をともに戦ったチームの仲間たちのおかげで、今日この日まで、自分らしく野球を続けることができたと思っています。
そして何より、どんなときもそばにいてくれて、一番近くで支えてくれた家族に感謝の想いを伝えさせてください。亡き親父。36歳まで野球を続けることができました。褒めたことのない親父、今日くらいは褒めてください。おかん。丈夫に産んでくれたおかげで大きいケガもなく、ここまで野球を続けることができました。ありがとうございました、長生きしてください。弟。自分のことよりもいつも家族を優先してくれてありがとう。
妻・まゆ。あなたがいなければここまで幸せなプロ野球人生を送ることができませんでした。一番近くで、どんな時も笑顔で支えてくれてありがとう。これからは恩返しさせてください。そして、これからもよろしくお願いします。子どもたち。せいしん、ゆうしん、けいしん、つむぎ。あなたたちのおかげで勇気をもらい、ここまでマウンドに上がることができました。ありがとう。今まで何ひとつしてあげられなかったけど、これからはいろんなことしような。次はパパがあなたたちを応援する番です。自分を大切に、自分の周りも大切にして頑張ってください。
最後になりますが、応援してくださったファンのみなさま。2020年にFAで残留したときには、僕を必要と思っていただける人が一人でもいる限り、精一杯マウンドの上で腕を振って頑張らなくてはならない、そんな思いでした。自分自身を奮い立たせ、頑張ってきましたが、思うように投げることができず、ファンのみなさまの期待に応えることができませんでした。
そんな時でも、温かく応援してくれるファンのみなさまに僕が勇気をもらい続けてきました。『ライオン』が流れたとき、スタンドから聞こえてくる声援、アウトを取るたびに響きわたる拍手、勝利をつかんだときに沸き上がるファンのみなさんの歓声、一緒に積み重ねてきた194回の喜びは僕の一生の財産です。本当に力になりました。ありがとうございました。
そして、たったひとつ、成し遂げられなかった日本一の夢。僕は夢を諦めていません。この夢の続きは、全力で戦う仲間たち、ライオンズの未来を担う後輩たちに託したいと思います。そして、その夢が果たされるときにみなさまと一緒にここにいたいと夢見ています。
本当に12年間ありがとうございました。」
最後は監督、コーチ、チームメイトらと握手を交わし、マウンド上で「14」回宙に舞った。
試合後の引退セレモニーではミルコ・デムーロ騎手、オリックス・平野佳寿投手、比嘉幹貴投手、岸田護投手コーチ、巨人・内海哲也投手コーチ、脇谷亮太二軍内野守備兼走塁コーチ、登場曲を歌うベリーグッドマンからのビデオレターが届いた。
同期入団の金子侑司選手、ともにブルペンを支えた平井克典投手、バッテリーを組んだ炭谷銀仁朗選手、4人の子どもたちから花束、長男からは手紙も送られた。また、ライオンズOBでNTT西日本時代の監督でもある佐々木誠氏が登場。花束とエールを増田投手に送った。
続いて、増田投手があいさつ。以下、あいさつ全文。
「まずはじめに、私のためにこのような素晴らしい場を用意していただきました埼玉西武ライオンズの関係者のみなさま、監督、コーチ、選手、裏方のみなさま。本当にありがとうございました。
そして、3試合も引退試合に付き合っていただきました千葉ロッテマリーンズ球団のみなさま、最後まで球場に残ってくださりましたファンのみなさま。本当にありがとうございます。
ここからは考えてきた手紙を読ませてください。うまく話せるかわからないですが、よろしくお願いします。
私、増田達至は、今シーズンを最後にユニホームを脱ぎます。12年前、埼玉西武ライオンズに指名していただき、僕のプロ野球人生が始まりました。右も左もわからないプロの世界で自分がどこまで戦っていけるのか不安ななか、NTT西日本の寮を出たことを今でも覚えています。
あこがれの先輩方が近くにいる華やかなこの世界で、置いていかれないように、遅れをとらないように、がむしゃらに食らいついてやってきました。そして、2018年と2019年には選手会長をやらせていただき、リーグ連覇も経験させていただきました。ビールかけの音頭をとらせていただいたことも嬉しかったですが、優勝を決める最後の一球を僕に託してくださったことが、僕の人生で一生忘れることのない登板となりました。
プロ野球人生のほとんどが中継ぎ、抑えでの登板という、結果を残さなければいけない場面でマウンドに上がることへの重圧で心が折れそうになることもありました。そんな時、僕のことを信じ、マウンドへ送り出してくださった監督、監督をはじめ、僕の気持ちに寄り添って指導してくださったコーチの方々、勝利を信じ、560試合をともに戦ったチームの仲間たちのおかげで、今日この日まで、自分らしく野球を続けることができたと思っています。
そして何より、どんなときもそばにいてくれて、一番近くで支えてくれた家族に感謝の想いを伝えさせてください。亡き親父。36歳まで野球を続けることができました。褒めたことのない親父、今日くらいは褒めてください。おかん。丈夫に産んでくれたおかげで大きいケガもなく、ここまで野球を続けることができました。ありがとうございました、長生きしてください。弟。自分のことよりもいつも家族を優先してくれてありがとう。
妻・まゆ。あなたがいなければここまで幸せなプロ野球人生を送ることができませんでした。一番近くで、どんな時も笑顔で支えてくれてありがとう。これからは恩返しさせてください。そして、これからもよろしくお願いします。子どもたち。せいしん、ゆうしん、けいしん、つむぎ。あなたたちのおかげで勇気をもらい、ここまでマウンドに上がることができました。ありがとう。今まで何ひとつしてあげられなかったけど、これからはいろんなことしような。次はパパがあなたたちを応援する番です。自分を大切に、自分の周りも大切にして頑張ってください。
最後になりますが、応援してくださったファンのみなさま。2020年にFAで残留したときには、僕を必要と思っていただける人が一人でもいる限り、精一杯マウンドの上で腕を振って頑張らなくてはならない、そんな思いでした。自分自身を奮い立たせ、頑張ってきましたが、思うように投げることができず、ファンのみなさまの期待に応えることができませんでした。
そんな時でも、温かく応援してくれるファンのみなさまに僕が勇気をもらい続けてきました。『ライオン』が流れたとき、スタンドから聞こえてくる声援、アウトを取るたびに響きわたる拍手、勝利をつかんだときに沸き上がるファンのみなさんの歓声、一緒に積み重ねてきた194回の喜びは僕の一生の財産です。本当に力になりました。ありがとうございました。
そして、たったひとつ、成し遂げられなかった日本一の夢。僕は夢を諦めていません。この夢の続きは、全力で戦う仲間たち、ライオンズの未来を担う後輩たちに託したいと思います。そして、その夢が果たされるときにみなさまと一緒にここにいたいと夢見ています。
本当に12年間ありがとうございました。」
最後は監督、コーチ、チームメイトらと握手を交わし、マウンド上で「14」回宙に舞った。
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