【U18日清食品トップリーグ2024 (女子) 大会レポート】チームに足りない部分を補った笑顔の司令塔 桜花学園 #5 三國ソフィアエブス
【©U18日清食品リーグ】
この週末は、NBAとFIBAによる育成キャンプ「Basketball Without Borders Asia」への参加のため、2年生ガードの金澤杏選手(171cm)が欠場するなど、主力数人が抜けた状態での戦い。そんな中でチームをけん引した一人が司令塔の#5 三國ソフィアエブス選手(3年/170cm)です。京都両洋戦では3ポイントシュート3本を含む両チーム最多の27得点を記録しましたが、慶誠戦では異なる活躍を見せてくれました。
先手を取ったのは桜花学園で、#4 阿部心愛選手(3年/175cm)を起点にスコアを伸ばし、#6 白石弥桜選手(3年/184cm)や1年生の#7 勝部璃子選手(178cm)も得点に絡むなどリードを奪っていきます。三國選手は序盤、チームメイトを生かすプレーを優先し第1クォーターだけで4アシスト。また、攻めどころと見ればしっかりとリングに向かい、放った2本のフィールドゴールはいずれも成功させました。
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勝負の第4クォーターでも力を発揮したのは桜花学園で、三國選手を起点とした速攻や#15 イシボ ディバイン選手(2年/176cm)と白石選手の巧みなハイローで確実性の高いシュートを作り出し、さらに点差を拡大。最終的には89-62で貫禄の勝利を収めました。
三國選手は「途中で競る場面があって緊迫した試合ではあったのですが、自分たちのディフェンスから流れを作れて、インサイドのコミュニケーションも取れて勝ち切ることができました。今日は自分のシュートがあまり当たっていなかったので、狙えるところは狙いながら、アシストできるところは周りを生かしていこうと思ってプレーしていました」と試合を振り返ります。
スルスルとディフェンスの間を抜けていく抜群のスピードや跳躍力といった身体能力の高さには目を見張るものがあり、三國選手自身もそれを長所として戦っています。ただ、この試合に関してはそれ以上にゲームメイクの部分で司令塔としての役目を果たし、11得点、10アシストとダブルダブル。本人の言葉通り、よりゲームメイクに徹した上で京都両洋戦とは異なるインパクトを残しました。この2戦のスタッツは、それぞれの試合でチームに足りない部分を補う見事な活躍をした証明と言えるでしょう。
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だからこそ、三國選手自身もチームが円滑に回るように下級生への気配りも欠かしません。「特に1年生は初めてのU18日清食品トップリーグで、緊張したり思うようにプレーできないときもあると思います。そんなときには初めてだからこそ、全力で頑張れという感じでプレーさせるようにしています」。そんな先輩に支えられ、京都両洋戦は#12 竹内みや選手(1年/161cm)が12得点、慶誠戦では勝部選手が先発出場で9得点を挙げ、2人のルーキーが伸び伸びとプレーしました。
コート上では真剣な眼差しでプレーする三國選手ですが、取材中は終始笑顔。「U18日清食品トップリーグ2024」では勝利を目指しつつ「強豪チームとたくさん試合ができるので、全力で楽しみたいです」とも話していました。どんなにレベルやカテゴリーが上がっても、選手の原点にあるのは『バスケットボールが好きだ』という気持ちでしょう。三國選手の笑顔からは、心からバスケットボールを楽しんでいる様子が見て取れました。
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