【U18日清食品トップリーグ2024 (女子) 大会レポート】チームに足りない部分を補った笑顔の司令塔 桜花学園 #5 三國ソフィアエブス

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【©U18日清食品リーグ】

桜花学園は昨日(9月21日)の「U18日清食品トップリーグ2024」、京都両洋(京都府)戦に94-68で快勝し今大会2勝目。通算2勝1敗として慶誠(熊本県)との4戦目に臨みました。

この週末は、NBAとFIBAによる育成キャンプ「Basketball Without Borders Asia」への参加のため、2年生ガードの金澤杏選手(171cm)が欠場するなど、主力数人が抜けた状態での戦い。そんな中でチームをけん引した一人が司令塔の#5 三國ソフィアエブス選手(3年/170cm)です。京都両洋戦では3ポイントシュート3本を含む両チーム最多の27得点を記録しましたが、慶誠戦では異なる活躍を見せてくれました。

先手を取ったのは桜花学園で、#4 阿部心愛選手(3年/175cm)を起点にスコアを伸ばし、#6 白石弥桜選手(3年/184cm)や1年生の#7 勝部璃子選手(178cm)も得点に絡むなどリードを奪っていきます。三國選手は序盤、チームメイトを生かすプレーを優先し第1クォーターだけで4アシスト。また、攻めどころと見ればしっかりとリングに向かい、放った2本のフィールドゴールはいずれも成功させました。

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しかし、25-14とリードして迎えた第2クォーターは慶誠がリズムをつかみます。2-3ゾーンで桜花学園のハーフコートバスケットを封じると、攻めては#17 澤田樹奈選手(2年/163cm)や#1 陽本麻生選手(2年/170cm)、#0 ロー ジョバ選手(3年/187cm)らがバランス良く得点を重ねていきます。桜花学園にとっては嫌な流れに傾きつつある時間帯でしたが、相手に走られそうになるたびに白石選手や阿部選手を中心に突き放し、5〜10点差を保ちながらゲームが進行。第4クォーターを残して63-53と10点をリードします。

勝負の第4クォーターでも力を発揮したのは桜花学園で、三國選手を起点とした速攻や#15 イシボ ディバイン選手(2年/176cm)と白石選手の巧みなハイローで確実性の高いシュートを作り出し、さらに点差を拡大。最終的には89-62で貫禄の勝利を収めました。

三國選手は「途中で競る場面があって緊迫した試合ではあったのですが、自分たちのディフェンスから流れを作れて、インサイドのコミュニケーションも取れて勝ち切ることができました。今日は自分のシュートがあまり当たっていなかったので、狙えるところは狙いながら、アシストできるところは周りを生かしていこうと思ってプレーしていました」と試合を振り返ります。

スルスルとディフェンスの間を抜けていく抜群のスピードや跳躍力といった身体能力の高さには目を見張るものがあり、三國選手自身もそれを長所として戦っています。ただ、この試合に関してはそれ以上にゲームメイクの部分で司令塔としての役目を果たし、11得点、10アシストとダブルダブル。本人の言葉通り、よりゲームメイクに徹した上で京都両洋戦とは異なるインパクトを残しました。この2戦のスタッツは、それぞれの試合でチームに足りない部分を補う見事な活躍をした証明と言えるでしょう。

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そんな三國選手ですが、実は6人兄弟姉妹の4番目で、2人の兄はプロサッカー選手(三國スティビアエブス選手と三國ケネディエブス選手)。高校時代には共に日本一を経験しています。それだけに「兄2人はインターハイなどでもサッカーで日本一を取っていますし、だからこそ自分も日本一を取りたいなと思っています。この『U18日清食品トップリーグ2024』とウインターカップでは絶対に日本一を取りたいです」と、全国制覇に懸ける思いはひとしおです。

だからこそ、三國選手自身もチームが円滑に回るように下級生への気配りも欠かしません。「特に1年生は初めてのU18日清食品トップリーグで、緊張したり思うようにプレーできないときもあると思います。そんなときには初めてだからこそ、全力で頑張れという感じでプレーさせるようにしています」。そんな先輩に支えられ、京都両洋戦は#12 竹内みや選手(1年/161cm)が12得点、慶誠戦では勝部選手が先発出場で9得点を挙げ、2人のルーキーが伸び伸びとプレーしました。

コート上では真剣な眼差しでプレーする三國選手ですが、取材中は終始笑顔。「U18日清食品トップリーグ2024」では勝利を目指しつつ「強豪チームとたくさん試合ができるので、全力で楽しみたいです」とも話していました。どんなにレベルやカテゴリーが上がっても、選手の原点にあるのは『バスケットボールが好きだ』という気持ちでしょう。三國選手の笑顔からは、心からバスケットボールを楽しんでいる様子が見て取れました。
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著者プロフィール

「U18日清食品リーグ」ば、バスケットボールにおける部活・クラブなどの垣根を超えたU18年代の階層別リーグ戦です。リーグ戦文化の導入により、実力が拮抗するチーム同士の対戦や、多くの選手への出場機会、また、予定された試合/対戦相手を見据えた質の高い準備など、公式戦の試合数が確保された環境下で競技に取り組むことにより、競技力の向上を目指して設立した競技大会です。 今年度も「U18日清食品リーグ バスケットボール競技大会 2024」 として 「U18日清食品トップリーグ2024」 、「U18日清食品ブロックリーグ2024」を開催いたします。

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