WEリーグ参入2年目のリーグ開幕戦となった前節、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームにノジマステラ神奈川相模原を迎え、3-1で勝利。ジェフ千葉レディースと並び首位タイでスタートする好発進となった。そこから中5日。今節はアウェイに乗り込み、アルビレックス新潟レディースとの2024-25ＳＯＭＰＯ WEリーグ第2節に挑む。

昨シーズンの開幕戦の勝利後は、思わず目から涙がこぼれたキャプテンの脇阪麗奈だが、今シーズンは、「ここからが始まり」と引き締まった表情で話すなど、チームには開幕戦の勝利で一息ついた様子はない。「結果にこだわりたい」とシーズン前から何人もの選手が述べていたように、次の勝利、連勝を目指して練習に励んでいる。振り返ると、昨シーズンは開幕戦での勝利の後、第2節・大宮アルディージャVENTUS戦、第3節・AC長野パルセイロ・レディース戦と、いずれも後半アディショナルタイムでの失点により0-1で敗れた。最初のWEの洗礼を浴びた格好となったが、「選手たちもその思いは忘れていないと思います」と鳥居塚伸人監督は話す。昨シーズン4位で終えた新潟Lを敵地で破り、開幕連勝を果たせば今シーズンのセレッソ大阪ヤンマーレディースに対する期待感もグッと増す。昨シーズンは出場機会が少なかった松本奈己が開幕スタメンを掴むなど、チームには新たな風も吹いている。「最初は緊張したんですけど、時間が経つにつれて自分の特長を出していけたと思います。ただ、前節はボールを触る回数は少なかったので、もっと色んなところに顔を出して、ボールをさばいていきたいです」と今後に向けた抱負を語る背番号6にも注目だ。

そうした中盤の攻防とともに、両ゴール前とサイドも今節の大きなポイント。新潟Lの2トップ（道上彩花、滝川結女）はWEリーグ屈指の破壊力があり、滝川はカップ戦と合わせて今季すでに2点を決めている。「結女（ゆめ）とは同じ99年生まれ。スピードがあって、ドリブルも上手いので厄介ですが、しっかり抑えます」と滝川を警戒する筒井梨香。両者のマッチアップは今節の注目バトルになりそうだ。もう一人のCB、開幕戦ではCKからダイレクトボレーで見事なゴラッソを決めた荻久保優里。「反響は凄かったです」と、引き続きセットプレーからのゴールに期待がかかる一方、今節は守備での競り合いも重要になる。「相手は左右どちらのクロスも精度が高いので、しっかり準備して、前に弾きたい。身長が高い道上さんにもタイミング良く体を当てて、相手に100％でやらせない守備をしたい」と話す。川澄奈穂美、有吉佐織とのマッチアップが予想される百濃実結香、中谷莉奈のサイドにも注目。「色んな経験を積んでいる川澄さんにコントロールされないように気を付けたい」と百濃。その上で、「前節は自分と逆サイドの（高和）芹夏も点を取ったので、今節は自分も得点という形でチームに貢献したい」と意気込む。また、中谷に代わって開幕戦の途中から左サイドバックでプレーした浅山茉緩は試合当日が誕生日。新たな1年の始まりを勝利で飾りたい。試合全体としては、一人一人の技術が高く、ゲームをコントロールしてくる新潟Lに対し、相手に時間を与えないアグレッシブな守備を90分続けることも今節の勝利に向けて必要なこと。相手が嫌がるくらいプレスをかけ続け、主導権を握っていきたい。

今節は環境面での適応も求められる。リーグ戦としては今シーズン初のアウェイであり、舞台はデンカビッグスワンスタジアムや新潟市陸上競技場ではなく、十日町市多目的グラウンド クロアチアピッチ。時間も12時キックオフと普段とは異なり、雨の予報もある。「試合に臨む雰囲気を自分たちでしっかり作って、フワっと入らないことが大事。強いメンタリティーを持って戦いたい」と指揮官も引き締める。しっかりとモチベーションを高めてピッチに立ち、チーム一丸で開幕2連勝を目指す。
（文＝小田尚史）