屈指の好カードとなったカタルーニャダービー。首位バルセロナ、躍進ジローナに雪辱なるか

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9月15日の現地時間16時15分より、ジローナとバルセロナによる今季最初のカタルーニャダービーがエスタディ・モンティリビで行われる。

昨季のラリーガ EA SPORTS を2位と3位で終えた両チームは、今季も第4節終了時点で上位につけている。ジローナは開幕からのアウェー2連戦こそ1分1敗と躓いたものの、ホーム初戦となった第3節オサスナ戦は4ー0で快勝。前節は敵地でセビージャを2ー0で下し、5位に浮上している。

バルセロナはここまで唯一無傷の4戦4勝と、スペクタクルなスタートを切った。7ー0の大勝で前節バジャドリー戦を筆頭に、ハンジ・フリック監督率いるチームは結果、内容とも充実した戦いを見せている。

ジローナは前節セビージャ戦で今季2勝目を挙げ、5位に浮上した 【(C)LaLiga】

前節バジャドリー戦は7ー0の大勝。バルセロナは唯一の4連勝で首位を快走する 【(C)LaLiga】

カタルーニャを代表する両チームの間ではこれまで多くの選手が移籍しており、この試合でも古巣との再会を果たす選手が何人もいる。バルセロナの下部組織出身で、この3シーズンで両クラブを行き来しているオリオル・ロメウはその代表例だ。同じくバルセロナ育ちのアベル・ルイスは今夏にジローナへ加入したばかり。昨季ジローナにレンタル移籍し、チームの大躍進に貢献したエリック・ガルシアとパブロ・トッレはバルセロナに復帰している。

逆に昨季、ジローナからレンタルでバルセロナ・アトレティックに加入したパウ・ビクトルは、完全移籍した今夏にプレシーズン中の猛アピールが実り、トップチーム昇格を果たしている。彼らがそれぞれの古巣相手にどのようなプレーを見せるのか、興味は尽きない。

ロメウは定着が叶わなかった古巣との対戦で自身の価値を証明することができるか 【(C)LaLiga】

パウ・ビクトルはプレシーズンマッチでの活躍が評価され、トップチーム昇格を勝ち取った 【© FC Barcelona】

ジローナは昨季最大のサプライズを起こし、ラリーガ EA SPORTS で3位と大躍進した。さらにはラリーガ EA SPORTS で勝ったことのなかったバルセロナとの2試合をともに4ー2で制する快挙を成し遂げている。白熱した激戦が繰り広げたこの2試合は両サイドに多くのチャンスが生まれたものの、内容と決定力の双方で上回ったジローナの完勝に終わっている。

バルセロナは昨季の2試合を含め、ジローナ戦では4戦連続で勝利を逃している。ダニ・オルモ、ラフィーニャ、ロベルト・レバンドフスキ、ペドリら好調の選手も多く、単独首位の座を守るためにも引き分けで満足するような戦いはしないはずだ。対するジローナも新加入のブライアン・ヒル、アベル・ルイスらが即戦力としてフィット。2023/24シーズンのヨーロッパ最優秀監督の候補にノミネートされたミチェル監督、8月のラリーガ EA SPORTS 最優秀監督に選ばれたフリック監督による采配対決も楽しみだ。

昨季の第16節、ジローナは敵地でバルセロナ相手のラリーガ EA SPORTS 初勝利を挙げた 【(C)LaLiga】

両チームのプレースタイルはよく似ている。どちらもハイプレスを守備戦術のベースとし、アタッキングサードまで縦へ縦へとボールを運ぶ意識が強く、攻める姿勢を90分間貫くチームだ。

昨季の躍進の代償として主力数人を引き抜かれ、オフにチームの再編を強いられたジローナでは、加入3年目のビクトル・シガンコフの重要性が高まっている。ウクライナ代表MFは昨季以上のプレーレベルを見せており、ここまで出場3試合で1得点1アシストを記録。さらには新加入の選手たちもミチェル監督のスタイルに適応し始めており、ブライアン・ヒルやアルノー・ダンジュマは素早く深くサイドのスペースを突くためのキーマンとなるはずだ。

ジローナは今季の4試合で枠内シュートを15本放ち、7ゴールを記録している。枠内シュート約2本での1ゴールペースは、驚異的な決定力である。中でも4試合で2得点を挙げているアベル・ルイスには、昨季に24ゴールを挙げ得点王に輝いたアルテム・ドフビクの穴を埋める活躍が期待されている。

ジローナの攻撃は常に最終ラインから組み立てられる。センターバックのデイリー・ブリントはラリーガ EA SPORTS 最多337本のパス成功本数を誇り、パス総数は361本、成功率は93.35%を記録している。彼の存在はジローナが敵陣まで確実にボールを運び、相手を押し込み続けるゲーム支配のベースとなっている。

加入3年目のシガンコフはここまで1得点1アシストを記録している 【(C)LaLiga】

4試合で2得点を挙げているアベル・ルイスは新たな得点源として期待されている 【(C)LaLiga】

連動性のディティールこそ違いがあるものの、バルセロナもジローナと同様のフィロソフィーを元にプレーしている。生じたスペースは逃さず突くこと、中央からサイドへ展開し、最終的に中央でのフィニッシュに持ち込む崩し方などがそれに当たる。ジローナと同様に、リーグのパス本数ランキングの上位にはセンターバックのイニゴ・マルティネス(338本)とパウ・クバルシ(285本)が名を連ねている。

イニゴは91.12%、クバルシは92.98%と、いずれも93%弱のパス成功率を計上している。これらのデータは、フリック監督にとってもセンターバックを起点とした攻撃の組み立てがいかに重要であるかを物語っている。バルセロナのパス総数はリーグ2位の2269本、枠内シュート本数も同2位の27本を誇り、さらに6本のシュートをゴールポストに当てている。4試合での総得点13、平均ボール保持率66%はいずれもリーグ最多の数字だ。

今やジローナとバルセロナによるカタルーニャダービーは、ラリーガ EA SPORTS における鉄板カードの一つとなった。攻撃的姿勢を貫く両チームの対戦では、どちらの側にも多くのチャンスと煌めき溢れるプレーが見られるはずだ。

バルセロナの最終ラインに不可欠な存在となったクバルシは、昨季の雪辱に燃えている選手の一人だ 【(C)LaLiga】

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