昨年覇者はその後にサマーチャンピオンを制覇!エアアルマス、グリードパルフェなど重賞実績馬揃う/佐賀・鳥栖大賞データ分析

佐賀県競馬組合
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2023年優勝アラジンバローズ 【撮影:佐賀県競馬組合】

今年で3回目を迎える鳥栖大賞は地方全国交流レース。昨年はJRAオープンクラスから移籍初戦のアラジンバローズ(兵庫)がデュープロセス(大井)との追い比べを制した。そして、距離短縮で挑んだ今月1日のサマーチャンピオンJpnIIIではJRA馬相手に勝利と、活躍を見せている。
今年の出走馬の中にも未来のスターホースがいるか。ここでは当レース過去2回に加え、同舞台の佐賀ダート2000mの直近3年のデータを元に分析する。

※直近3年:2021年9月9日~24年9月8日

遠征馬は前日輸送必須だが、地理的に近い方が有利

当レース過去2回の所属別成績では兵庫と名古屋が各1勝。対して、大井からは3頭が遠征し、2着2回だった。立地的に近い兵庫からでも前日輸送が必要とはなるが、輸送時間が南関東に比べて短いのは利点だろう。なお、過去2回に出走馬はいなかったが、今年2頭が出走する高知からの輸送は瀬戸内海を渡って一旦本州を走行するルートで、こちらも前日輸送となる。

所属別成績 【表1】

3~4番人気まで幅広く狙えるコース

過去2回では5番人気以内の馬が上位3着を占め、ある程度の上位人気で決着したと言える。昨年は1番人気→3番人気→2番人気の順で決まり、3連単は740円。しかし、22年は1番人気タイサイが5着に敗れ、3番人気→4番人気→5番人気の決着で3連単1万4190円と、購入点数をどのくらいまで広げるかが難しい。
そこで、参考までに同舞台(佐賀ダート2000m)の人気別成績を見てみる(表2-1)。全体(全距離)に比べて率が5%以上高い箇所には薄紅色のマーカーを引いた。
1番人気は勝率や3着内率など高い数値をマークしてはいるが、全体よりもすべて低い。対して、2番人気や3番人気は勝率や連対率が高くなっている。2000mという長めの距離では、1番人気のみならず3~4番人気までの上位人気馬に期待ができそうだ。

単勝人気別成績 【表2】

単勝人気別成績(佐賀ダート2000m、直近3年) 【表2-1】

逃げ馬は不利だが、先行有利

同じく佐賀ダート2000mでの脚質別成績は下表の通り。紺色マーカーは全距離を対象とした数値よりも5%以上、低いもので、逃げでは勝率9.7%(全体25.4%)、連対率25.8%(41.6%)、3着内率45.2%(51.9%)と、大幅ダウンしている。2000mを逃げ切るには相当な力が必要ということだろう。
対して、全体より5%以上アップしているのは先行馬の連対率。勝率も10%近くアップしており、「逃げ馬は不利だが、先行有利」と言える。
鳥栖大賞での逃げ馬の成績は22年メイショウワザシ(4番人気)が2着、23年ミスカゴシマ(6番人気)が7着。一方で、過去2回ともひと塊となった先行集団にいた馬たちで1~3着を独占しており、当レースでも「逃げ馬は不利だが、先行有利」が当てはまりそうだ。

脚質別成績(佐賀ダート2000m、直近3年) 【表3】

11番が3着内率50%!

佐賀ダート2000mの馬番別成績では、外枠の11番が勝率、連対率、3着内率いずれも最も高く、3着内率は50%。スタートから最初のコーナーまで向正面いっぱいを使ってポジション争いができるため、外枠からだと狙った位置を取りやすいのだろう。
なお、大外12番はほとんど使われることがなく、直近3年でサンプルは5頭だった。

馬番別成績(佐賀ダート2000m、直近3年) 【表4】

佐賀競馬場 【コース図】

最低条件は近走での重賞好走歴

過去2回とも当レースの1~3着馬は「近5走で重賞2着以内、またはJRAオープンで3着以内」に該当していた。ただ、それなりの頭数が該当し、22年は7頭、23年は6頭がそうで、まずは該当馬をピックアップして、そこから絞っていくのが良さそうだ。

データからの推奨馬は?

①近5走で重賞2着以内
②兵庫、高知所属馬
③先行馬
④上位人気馬(4番人気以内)
⑤11番ならなお良し

グリードパルフェ(高知)は2000m以上のレースでバテない末脚が武器。好位につけて抜け出す競馬で重賞3勝で、4走前にも園田・六甲盃を勝っている。①②③④と、データ的にはほぼパーフェクトに当てはまる。あとは半年近い休み明けがどうかだろう。

コスモポポラリタは大井からの移籍初戦となった前走・九州チャンピオンシップを勝利。南関東時代は2000m未満のレースでは位置取りが後ろになることもあったが、1750mの前走は表記こそ7番手だが、先行集団の直後につけられていた。今回はさらに距離が延びる分、前目の位置につけられるだろうし、こちらも長い距離が得意なタイプ。①③④に該当する。

サンビュート(兵庫)は22年道営記念の勝ち馬。4走前にも門別・瑞穂賞で重賞を勝っている。兵庫移籍2戦目の前走・摂津盃は6着に敗れたが、逃げ馬有利の馬場傾向で中団外目を回らされ、展開が向かない面もあった。①②④に当てはまり、このメンバーなら先行集団に加われる可能性もある。

また、②からはトランセンデンス(高知)、④からはJRA時代に東海Sを勝ったエアアルマス(川崎)、そして⑤の11番枠は九州チャンピオンシップ4着のタケノサイコウが該当する。

第3回鳥栖大賞 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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