無事にコツコツ続けることが名人への道。大相撲。39歳玉鷲が初土俵からの連続出場1630。歴代トップタイに。勝っても負けても戦い続ける姿は偉大だ

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チーム・協会
【これはnoteに投稿されたセイノさんによる記事です。】
無事にコツコツ続けることが名人への道だと思う。大相撲秋場所で39歳の玉鷲が連続出場を1630として、歴代トップタイとなった。勝っても負けても土俵に上がり続ける姿は偉大だ。「無事これ名馬」というけれど、2度の優勝を手にして、40歳目前にしても玉鷲の歩みは止まらない。今場所は東の前頭10枚目。タフな玉鷲を応援し続けたい。

モンゴル出身の玉鷲。力士となった経緯が独特だ。モンゴル相撲で有名な国だが、本人に経験はほとんどなかった。ホテルマンをめざして大学で学んでいたという。大きな体を生かして相撲をやってみたいと考え、日本に住んでいた姉を頼って来日したのだ。

2004年に初土俵。本人にスポーツ経験がほとんどないが、2007年に初の幕下優勝。そして翌年、新入幕を果たした。

ここからが正念場だった。20代後半になると、前頭で勝ち越したり、負け越したりと「相撲ジェットコースター」。玉鷲は相撲を辞めようかと考えたこともあったという。

モンゴル出身の友人に打ち明けると、考え直すように言われたという。その友人は将来を嘱望されていたが、十両に上がれずに引退していた。

「俺の分まで頑張りなさい」。友人からのエールに、玉鷲は「自分に心が欠けていた」と思い直した。相撲がつまらなく感じていた玉鷲の気合が増していった。

コツコツ続けていけば、コツがつかめていく。30代になると、押しに磨きがかかった。

そして、2019年1月場所。玉鷲は悲願の賜杯を手にした。この場所で横綱の白鵬を下すなど13勝2敗で幕内初優勝だ。34歳2カ月での初優勝は年6場所制となって史上2位の高齢記録となった。

そして2022年秋場所で2度目の優勝を成し遂げた。37歳10カ月での達成は年6場所制で史上最年長の記録。コツコツ積み上げていった結果が2度の賜杯につながったのだ。

39歳となった今場所。番付は東の前頭10枚目だ。2日目でついに初土俵からの通算連続出場を1630として、歴代1位の元関脇、青葉城に並んだ。

記念すべき土俵だが、狼雅に下手投げで敗れた。それでも場内から温かい拍手を送られた。コツコツ戦う姿勢を観衆は高く評価してくれたのだ。

通算の勝ち星は821。810の黒星も喫している。大きく勝ち越しているわけではなくても、39歳で戦い続ける姿は偉大だ。

10日の3日目で連続出場は単独1位となる。玉鷲は「あと2年はいきたい」と闘志は衰えない。「お客さんがいるから、自分たちがいる」。自分のため、そしてファンのため、これからも土俵に立ち続けてほしい。コツコツ戦う名人に、これからも盛大な拍手を!
見出し画像:keita
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