【週刊グランドスラム268】大会連覇はなるか U-23日本代表が中国で熱戦を展開中!!
試合を重ねるごとに、一体感を高めていく印象のあるU-23日本代表の選手たち。 【写真=宮野敦子】
そして、大会連覇を目指す今回も、川口朋保監督の下で社会人24名による編成で臨む。オープニング・ラウンドはグループAに入り、第1戦の相手はプエルトリコ。先発を任されたのは、谷脇弘起(日本生命)だ。ただ、日本を発つ直前に行なわれた合宿に台風10号の影響で遅れて合流したため、予定されていたテストマッチの登板もできずに現地入り。調整不足からか、1回表にいきなり5安打で3点を失う。打線も今ひとつ勢いがなく、そのまま押し切られるように1対6。前回王者の黒星発進は、大きなニュースとなった。
第2戦の相手は、ホストの中国。他の試合の10倍の観客が詰めかける中、打線はまだ本調子にはならなかったものの、髙橋隆慶(JR東日本)が勝負強く2本のタイムリーを放ち、何より先発の長久保滉成(NTT東日本)が5回までひとりも走者を出さない完璧な投球。結局、1安打完封の2対0で初白星を手にした。
オーストラリア戦の逆転勝ちから勢いが出てきた
コロンビアとの第4戦も3回表に3連打で1点を先制されたが、その裏に同点に追いつき、5回裏には代打・田浦由亮と西村進之介の連続三塁打で勝ち越し。続く6回裏にも無死一塁から四番・野口泰司の二塁打で1点を追加すると、西村進がダメ押しの3ラン本塁打を放って7対1で快勝する。
そうして、試合前から降り続く雨の中で強行されたイギリスとの第5戦も、先発の西村王がテンポよく投げ、1回表に今里 凌(日本製鉄鹿島)の2ラン本塁打で首尾よく先制。中断があっても集中力を保ち、5回表終了時にコールドゲームで4×1の勝利を収めた。日本はプエルトリコと並んで4勝1敗となったが、当該対戦の勝敗で2位に。また、オーストラリアは中国との直接対決に敗れて3勝2敗で並び、中国は3位でスーパー・ラウンドに勝ち上がった。以下、4位はオーストラリア、2勝3敗のコロンビアが5位、5敗のイギリスが6位となった。
なお、グループBはニカラグアが5勝で1位。3勝2敗で並んだベネズエラが2位、韓国が3位。2勝3敗で並ぶオランダが4位、チャイニーズ・タイペイが5位で、5敗の南アフリカが6位となった。
11日の休養日を挟み、12日からスーパー・ラウンドが始まった。同グループでスーパー・ラウンドに進出したチームとの勝敗を持ち越すため、オーストラリアからの黒星が消えるプエルトリコは2勝、日本は1勝1敗、中国は2敗だ。日本はベネズエラ、ニカラグア、韓国の順に対戦する。12日は、まず韓国が中国を破り、プエルトリコは1対0でニカラグアを下す。ナイトゲームの日本も5対1でベネズエラから勝利を挙げ、現時点では3勝0敗のプエルトリコに次ぎ、ニカラグアとともに2勝1敗となっている。
日本代表には、学生時代がコロナ禍だったこともあり、国際大会や海外が初めてという選手が少なくない。何人かは食事などの環境面を気にしていたが、生活面でも国際大会独自の野球にも、日を追うごとに順応しているという印象だ。このまま右肩上がりの勢いで、決勝でプエルトリコに借りを返して連覇を達成できたら最高だろう。そのレポートは次号で。
【取材・文=横尾弘一】
【左=紙版表紙・右=電子版表紙】
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