【#スタジアムを繋ぐ】#007 町心平さん（オクトーバーフェスト鎌倉2023 実行委員長）ー 新スタジアムにも鎌倉市民が集まり、楽しめる場所を期待
今回は、昨年「鳩スタ」で開催された「オクトーバーフェスト鎌倉2023」の実行委員長を務めた町心平さんの思いを聞いた。
（文・本多辰成／スポーツライター）
初の「鳩スタ」開催、「オクトーバーフェスト鎌倉」が大成功
鎌倉商工会議所主催の「オクトーバーフェスト鎌倉」はこれまで鎌倉市役所駐車場を会場に行われてきたが、昨年は初となる「鳩スタ」での開催。コロナ禍の中で誕生した鎌倉の新スポットがイベントの舞台となった。
「オクトーバーフェスト鎌倉はもともと被災地の復興支援と鎌倉の夜の活性化をコンセプトとして始まったものです。鎌倉は本当に多くの人が来て賑わいのある場所ですが、夜がどうしても閑散としているということでその一助になれればと。過去8回開催していて鎌倉市役所の駐車場で行われていたんですが、今回は駐車場を使用できないということで代替地を探していたんです。そこで候補として挙がったのが鳩スタでした」
例年とは異なる会場での開催は何かと苦労も多く、立地的にも当初は不安が大きかったと町さんは振り返る。だが、結果的にはこれまで以上に多くの人が集まり、「オクトーバーフェスト鎌倉2023」は大成功に終わった。
「鳩スタのある深沢エリアはどちらかと言うとローカルな住宅地というイメージでしたので、集客の面に関しては正直大きな不安がありました。でも、結果的には3万人オーバーの人が集まり、売上も過去最高を記録しました。鳩スタの雰囲気、芝生の上でビールを飲んで食事を楽しんで、というのが好評で『気持ちよかったよ』『今までよりよかったよ』という声をたくさんいただきました。本当に今までで一番の成功と言ってもいいんじゃないかと思いますし、深沢エリアのポテンシャルを感じましたね」
静岡から鎌倉に移住、通勤路に誕生した「鳩スタ」
「最初は友人から、鎌倉にサッカーチームができるという話を聞いて、スタジアムもつくろうとしているということで注目していました。鎌倉もそれほど多くの場所があるわけではないので、どこにできるんだろうなと。静岡の出身で本当にサッカーが身近な環境で育ったので、昔からエコパやヤマハ、日本平などによくサッカーを見に行っていました。なので、この鎌倉でサッカーが見られるのは本当にうれしかったですし、頑張ってほしいなと応援していました」
「鳩スタ」のある湘南深沢駅前は、町さんにとって毎日車で通る通勤路でもあったという。そんな馴染み深いエリアに誕生した鎌倉インテルのホームグラウンドは、町さん自身にとっても鎌倉の人たちにとっても特別な場所になったと感じている。
「『鳩スタ』ができて、まずは率直にきれいでいいところだなと感じました。規模的には大きなものではなくてコンパクトなスタジアムですけども、逆に言うと皆さんとの距離が近くて地域に根差したスタジアムだと感じています。本当に地元のクラブ、地元のスタジアムだということを肌で感じられる場所ですね。少しずつ地域にとって身近な場所になってきていると思いますし、私自身も今回のイベントを通してより愛着のある場所になりました」
新スタジアムにも鎌倉市民が集まり、楽しめる場所を期待
「やっぱり正直言って今の『鳩スタ』がなくなることに対しては寂しさがあります。でも同時に今後が楽しみでもありますね。次のスタジアムの構想がどんなものになるのかまだ具体的にはわからないですけど、今までやってきた経緯であったりクラブの歴史を見てきたので、これからも非常に楽しいものを見せてくれるんじゃないかと今からワクワクしています」
昨年は4年ぶりの開催で大成功を収めた「オクトーバーフェスト鎌倉」は今年以降も開催される予定だ。実行委員長は持ち回りのため町さんは後任に後を託すこととなるが、「個人的にはもう一度『鳩スタ』で開催したかった」と町さんは言う。
「鳩スタ」はまもなく役割を終えることになるが、町さんは新たに誕生する鎌倉インテルのホームグラウンドもまた地域にとって大切な場所となってくれることを期待している。
「新しいスタジアムも、鎌倉市民が集まるハブになってほしいと思っています。ただ単にサッカーをする場所にとどまらず、今回のイベントのようにスポーツ×食事であったり、フェスのようにスポーツ×音楽であったり、多くの方が集まって楽しめる場所をつくってほしいなと。私自身、二児の父親なんですが、鎌倉は自然はすごくあるんですが、子供と一緒に遊べるような複合施設みないなものはあまりないと感じています。なので、新しいインテルのスタジアムが子供と一緒に体を動かせるようなスペースになってくれれば一市民としてうれしいですし、そんな場所を期待しています」
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