【週刊グランドスラム265】大会連覇へ!! 社会人で編成されたU-23日本代表が始動する

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TDKの佐藤亜蓮は、昨年のアジア・ウインター・ベースボールの経験も生かしたい。 【写真=宮野敦子】

 今季の侍ジャパンは、大学代表がプラハ・ベースボール・ウィークとハーレム国際大会を無敗で制し、女子代表はワールドカップで7連覇を達成。U-15代表はコロンビアでワールドカップに出場しており、間もなくU-18代表がアジア選手権に出場する。11月にはU-12代表がアジア選手権、プロによるトップ代表がプレミア12を控えており、各カテゴリーが世界で躍動している。そんな中、社会人で編成されたU-23日本代表も、9月6日から中国・紹興市で開催される第5回U-23ワールドカップで大会連覇を目指す。
 6月下旬から実施された選考合宿には39名が招集され、川口朋保監督が「できるなら全員を連れて行きたい」と目を丸くするほど、高いレベルで熾烈な競争が繰り広げられた。そして、以下の24名が選出される。

【第5回U-23ワールドカップ日本代表】※指名の前の数字は背番号
◆投手
11 西村王雅(東芝)、12 長久保滉成(NTT東日本)、14 笹森公輔(東芝)、15 谷脇弘起(日本生命)、16 後藤凌寿(トヨタ自動車)、17 佐藤亜蓮(TDK)、18 林田夢大(西部ガス)、21 松田賢大(バイタルネット)、28 松田航瑠(日本製鉄室蘭シャークス)
◆捕手
2 有馬 諒(ENEOS)、9 野口泰司(NTT東日本)、22 小山翔暉(パナソニック)
◆内野手
0 山田拓也(東芝)、1 田浦由亮(ミキハウス)、3 今里 凌(日本製鉄鹿島)、4 髙橋隆慶(JR東日本)、6 石井 巧(NTT東日本)、10 相羽寛太(ヤマハ)、26 髙田幸汰(日本生命)
◆外野手
5 西村進之介(ヤマハ)、7 吉川海斗(日立製作所)、8 浦 和博(パナソニック)、24 林 拓馬(日鉄ステンレス)、25 村上裕一郎(ENEOS)


 早生まれの大学出2年目は、長久保、佐藤、野口、山田、今里の5名。中でも佐藤は、昨年のアジア・ウインター・ベースボールにも選抜され、真っ向勝負の投球で最多勝利と最多奪三振を手にしている。長久保とは仙台大の同期で、左右の両輪となれるかも注目だ。また、NTT東日本で四番キャッチャーの野口には、攻守の要として大きな期待がかかる。

高校出は爆発力を備え、大学出ルーキーには安定感がある

 高校出でキャリアを積み重ねてきたのが、西村、林田、松田賢、相羽の4名。相羽は2022年の前回大会にも出場し、韓国との決勝では四番に座るなど優勝に貢献した。それから2年で攻守ともさらに成熟しており、「もう一度、選ばれたかった」という大舞台で経験値を生かしたい。また、投手の西村、林田、松田賢には揃って勢いがあり、特に東北大会で敢闘賞を手にした松田賢が、どんな場面で力を発揮してくれるか楽しみだ。

高校出でキャリアを積んでいる選手には、想像以上の爆発力がある。写真は松田賢大(バイタルネット)。 【写真=宮野敦子】

 そして、チームの中心を担うのは大学出のルーキーたちだ。笹森は、三菱重工Eastに補強された都市対抗で2試合に先発し、黒獅子旗を経験した。京都大会でも優勝して最高殊勲選手賞に選ばれており、先発の柱になれるか。田浦は一番セカンド、石井は二番ショート、髙橋は四番ファーストに定着し、そのほかの野手もスタメン出場の機会は多い。捕手は3名とも大学までに国際大会を経験しているだけに、日本のストロング・ポイントである堅実な守りから攻撃に移る戦いで、ぜひ世界の強豪を相手に王者の試合運びを見せてもらいたい。
 なお、チームは9月1日に集合し、2日はU-23ニカラグア代表、3日にはHondaとテストマッチを実施。4日に現地入りする予定だ。

大学出ルーキーの野手には、田浦由亮(ミキハウス)をはじめレギュラーを手にした強者が多い。 【写真=宮野敦子】

【第5回WBSC U-23ワールドカップのスケジュール】
◆オープニング・ラウンド(グループA)

9月6日(金)19:00 VSプエルトリコ
9月7日(土)14:30 VS中国
9月8日(日)19:00 VSオーストラリア
9月9日(月)19:00 VSコロンビア
9月10日(火)19:00 VSイギリス

◆スーパー・ラウンド(プレイスメント・ラウンド)
9月12日(木)
9月13日(金)
9月14日(土)

◆3位決定戦・決勝
9月15日(日)

【取材・文=横尾弘一】

【左=紙版表紙・右=電子版表紙】

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著者プロフィール

1949年に設立した社会人野球を統轄する(公財)日本野球連盟の公式アカウントです。全国の企業、クラブチームが所属し、中学硬式や女子野球の団体も加盟しています。1993年から刊行している社会人野球オフィシャル・ガイド『グランドスラム』の編集部と連携し、都市対抗野球大会をはじめ、社会人野球の魅力や様々な情報を、毎週金曜日に更新する『週刊グランドスラム』などでお届けします。

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