【コベルコ神戸スティーラーズ/神戸から日本のラグビーを熱くする】 「テストマッチに出られることが嬉しい!」日本代表のバックローとして成長中のサウマキ アマナキ

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マオリ・オールブラックスとの2試合はNO8で出場。「フランカーでも、NO8でも、やることは変わりません」とサウマキ アマナキ。強みであるボールキャリーとタックルでチームに貢献する。(写真提供/平本 芳臣) 【コベルコ神戸スティーラーズ】

4試合を通じてさまざまな課題が出た

エディー・ジョーンズ氏が日本代表ヘッドコーチに復帰し、初陣となった6月22日の「リポビタンDチャレンジカップ2024」イングランド代表戦から5試合が行われた夏の代表活動。

標榜している『超速ラグビー』を随所に見せることはできたが、勝利はJAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)として対戦したマオリ・オールブラックス第2戦のみ。今夏のテストマッチ最終戦となった世界ランキング8位のイタリア代表との一戦は、序盤から接点でプレッシャーをかけられ、思うようなリズムで攻撃が展開できず、14-42と厳しい洗礼を受けた。

この試合、FLで先発出場を果たしたサウマキ アマナキは
「ジョージア代表戦での悔しい敗戦から気持ちを切り替えて、チームは1週間良い準備をすることができていました。自信を持ってイタリア代表戦に臨んだのですが、相手の圧力が思っていた以上に強くて…。セットプレーも安定していなかったですし、攻守で準備してきたことがまったく出せなかったという印象です」と振り返った。

個人としては持ち味であるボールキャリーでチームに勢いをもたらし、激しいタックルで相手の攻撃の芽を摘んでやると気合が入っていたというが、なかなかボールを持つ機会がなかった。タックルも相手にフィジカルで上回られて、ディフェンスのシステム通りに動けなかったと悔しがる。

この敗戦で日本代表はイングランド代表戦、ジョージア代表戦に続いて、テストマッチ3連敗という結果に終わった。テストマッチの経験が少なく、若い選手が多い日本代表としては多くの課題が出た夏の活動。昨年のラグビーワールドカップフランス大会に出場したとはいえ、まだ代表5キャップのサウマキにとっても、ボールを持っていない時の動きなど、さまざまな修正すべき点が見えた。

試合を重ねるごとに成長を感じている

ただ、サウマキは、日本代表として試合に出られることに幸せを感じている。

昨年夏、日本代表入りを果たしたが、ワールドカップメンバーを選考する場となる4試合では出場機会がなかった。それでも常に100パーセントを出し切って練習に励み、必死でアピール。当初はワールドカップに出場する日本代表登録メンバーから外れたが、コンディション不良で離脱した選手がいたことから、テストマッチ経験のないままスコッドに滑り込んだ。テストマッチデビューは、ワールドカップ本番前に敵地で行われたイタリア代表戦だ。大会でも、プール戦初戦のチリ代表戦と第4戦のアルゼンチン代表戦にロックで出場を果たした。

そして自身にとって2度目のワールドカップ出場に向けて、再スタートを切った今年、サウマキはジョージア代表戦を除く、4試合でグラウンドに立つ。

「昨年夏の日本代表の活動と比べると、まず試合に出ることができています。今年は、試合に出て、映像を見てレビューをして、どこが悪かったか確認し、それを次の試合に活かすことができていて、そこが昨年とはまったく違います。こうやって試合に出られることが嬉しいですし、充実した時間を過ごすことができています」

イングランド代表、マオリ・オールブラックス、イタリア代表といった強豪との対戦を通じて課題も出たが、サウマキは試合を重ねるごとにすべてにおいてレベルアップができていると感じている。

また、チームに関しても「『超速ラグビー』をする上で、アタックでもディフェンスでも一人ひとりに役割があります。それをみんながしっかり遂行できれば、もっと良くなると思います」と言い切る。

日本代表は、秋の活動の前に8月23日から9月21日に開催される「パシフィックネーションズカップ2024」に参加する。
この大会でも桜のジャージに身を纏い躍動するサウマキの姿が見られはずだ。

取材・文/山本 暁子(チームライター)
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著者プロフィール

兵庫県と神戸市をホストエリアとして、日本最高峰リーグ「NTTジャパンラグビー リーグワン」に参戦しているラグビーチーム「コベルコ神戸スティーラーズ」。チームビジョンは『SMILE TOGETHER 笑顔あふれる未来をともに』、チームミッションは『クリエイティブラグビーで、心に炎を。』。 ホストエリア・神戸市とは2021年より事業連携協定を締結。地元に根差した活動で、神戸から日本そして世界へ、笑顔の輪を広げていくべく、スポーツ教室、学校訪問事業、医療従事者への支援など、地域活性化へ向けた様々な取り組みを実施。また、ピッチの上では、どんな逆境にも不屈の精神で挑み続け、強くしなやかで自由なクリエイティブラグビーでファンを魅了することを志し、スタジアムから神戸市全体へ波及する、大きな感動を創りだす。 1928年創部。全国社会人大会 優勝9回、日本選手権 優勝10回、トップリーグ 優勝2回を誇る日本ラグビー界を代表するチーム。

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