選手を支える学生委員の意義と、低反発バット導入╱大会総括コラム
【関東地区大学準硬式野球連盟】
運営統括として試合の円滑な運営に務めた関東学院大3年の市野清治学生委員(=静岡商) 【関東地区大学準硬式野球連盟】
“裏方”が主役なのではないかとも思える学生だけの運営力
関東連盟は「学生の学生による学生のためのJUNKO BASEBALL」を掲げて学生委員が中心に運営しており、皆んなJUNKOをさらに輝ける競技にできるように懸命に磨き上げている。学生だけで大会を実施できた「運営術」を紹介する。
今大会、運営の統括を務めた関東学院大3年・市野清治(=静岡商)は、
「学生員各自に振り分けがされている各担当の進捗状況をしっかり把握することを意識しました。時間があまりない中で準備がしっかりと進んでいるか、抽選会の方法は公正な方法がとれているかなどをZOOMで会議を何度も重ねて行っていき、統括として自分がすべての状況を把握し、目を向けていました。学生委員は誰でも経験できることではないので、様々な活動が自分自身の成長に繋がっています」と今大会の反省と学生委員としてのやりがいを話す。
筆者自身も、学生委員として活動をしながら、野球の技術向上と結果、社会人に向けて人間性を高めることができる場所が準硬式であると思っている。
例えば、今大会の「海ごみ削減プロジェクト」や「地元中学生との野球教室」は地域・社会貢献活動であり、夜の「キャリアガイダンス」では社会で活躍できる人材について考えさせられた。
大会の運営や企画は“裏方”であると思われがちであるが、学生委員が迅速にスケジュールを決めなければ選手たちは準備できない。連絡の遅れは大会進行の妨げになってしまう。グラウンドでは、選手が“主役”となってプレーを魅せてくれるが、グラウンドに出て活躍する選手たちの環境をつくり、試合の進行を支える学生委員はある意味〝主役〟ではないかと私は思う。
選手がグラウンドに立つまで学生委員は何か月も前から球場の確保や打ち合わせ、大会要項の作成や抽選会・主将会議など事前に選手に説明する場における進行の確認などを何度もZOOMでの会議や直接集まって確認するなど試行錯誤をして作り上げている。自分たちで0から100を作り上げていくことこそ、大学生でなければできないことであり、社会に活かせるスキルを身に付けられる経験ができるのではないかと思う。〝主役〟であることを常に意識をして、運営から広報まで様々な活動に積極的に関わり、自分の成長と準硬式の成長のために活動をしている。
準硬式を進路に考えている高校生には、学生委員が〝裏方〟ではなく〝主役〟でもあることを強く伝えたい。
今大会を運営した関東連盟学生委員たち。今後も準硬式界を牽引する自覚と責任をもち活動していく 【関東地区大学準硬式野球連盟】
低反発・木製。バット選びも自由な準硬式
最優秀選手賞を受賞した慶應大4年・佐藤遼平(=桐朋) 【関東地区大学準硬式野球連盟】
最優秀選手賞打者賞を受賞した國學院大2年・大滝快晴(=新潟明訓) 【関東地区大学準硬式野球連盟】
「学生委員の皆様が企画・運営してくださったオールスター大会を通じ沢山のことを学ぶことが出来たので、今大会で得たことを準硬式野球の発展、私自身の成長に活かしていきたいと思っています」。ますますの飛躍を期待したい。
低反発、木製と、バット選びも多様で、自分の感覚に応じて選択することができるということも準硬式野球の良さだろう。全6チーム計150名の選抜された選手たちが、本気で戦った3日間は選手、スタッフにとっても運営を行った学生委員に思い出に残り、そして連盟の発展の1ページに刻まれるものとなった。
3連覇を果たした東京六大学選抜。異なるユニホームの選手が一丸となって勝利を掴んだ 【関東地区大学準硬式野球連盟】
主管:東京六大学準硬式野球連盟
東都大学準硬式野球連盟(1部所属チームの選手のみのAチームと2部~5部所属チームの選手のBチームの計2チームで参加)
神奈川大学準硬式野球連盟
北関東大学準硬式野球連盟
新関東大学準硬式野球連盟
協賛:株式会社ガーディアンシップ
共栄セキュリティーサービス株式会社
ジャパンシステム株式会社
株式会社イソノ運動具店
JA全農福島
内外ゴム株式会社
(文╱埼玉大3年・山中達也=県川越)
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ