移籍馬の多い重賞をどの切り口から狙う?/佐賀王冠賞データ分析
2023年優勝タガノファジョーロ 【撮影:佐賀県競馬組合】
ここではレースが創設された2018年から23年までの過去6回のデータを元に分析する。
上位決着傾向も、3着は中穴も
3連単の平均配当は1万8885円。22年の9万910円(3番人気→7番人気→4番人気)が平均を大きく押し上げており、万馬券が出たのは他にもう1回のみだった。
単勝人気別成績 【表1】
外目の枠からの先行馬が好成績
佐賀競馬場 【コース図】
脚質別成績 【表2】
3歳から高齢馬まで幅広い活躍
馬齢別成績 【表3】
1700m以上で近走勝った馬
実績別成績 【表4】
データからの推奨馬は?
②先行馬
③直近5走で1700m以上での勝利
今年は出走馬6頭中2頭が移籍初戦、または移籍2戦目で、力比較が難しくなっている。その2頭は過去データでの照らし合わせが難しく、悩ましい。
まずは佐賀で3戦以上走ってきた4頭を見てみよう。
その中から有力はアエノブライアン。こちらも佐賀に移籍してきてまだ3戦しか走ってはいないが、重賞・佐賀スプリングカップ(1800m)で2着の実績がある。その重賞では中団前めにつけ、上がり3ハロンは最速タイで脚を伸ばした。1800mの前走も7馬身差で完勝しており、上位人気に支持されるだろう。①②③すべてに当てはまる。
移籍組のブルーアローは高知から転入2戦目。今週9日の霧島賞ではJRA馬も参戦する中、高知所属馬がワン・ツーを決めたように、高知からの遠征馬や移籍馬は佐賀での好走例が多い。その高知時代、本馬は1400mが中心だったがこれは番組編成上の問題で、それ以前に在籍していた園田・姫路や門別では1700m以上を中心に使われて勝利を挙げており、今回の距離2000mは歓迎材料だろう。佐賀初戦の前走の勝ちタイムも優秀で①②に該当。
ダイキチホマレは大井からの移籍初戦。その大井時代は1600m以上の長い距離を使われて6勝。最後までバテずに走りきれる馬で、4走前にはB3選抜(1600m)で勝利。厳密には100m短いが、広い大井コースということを考えると③に当てはまると言っていいだろう。
第7回佐賀王冠賞 【出馬表】
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日や週末は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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