早大競走部 髙須がシニアの舞台でファイナリストに! U20でも3名が表彰台入り

チーム・協会
日本選手権・U20日本選手権 6月27~30日 新潟・デンカビッグスワンスタジアム
【早稲田スポーツ新聞会】記事、写真 飯田諒、草間日陽里、會川実佑、廣野一眞

 4日間にわたり、デンカビッグスワンスタジアムで開催された日本選手権ならびにU20日本選手権。男子200メートルに出場した髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)がシニアの舞台で8位入賞、またU20日本選手権では、男子1500メートルの吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)、男子400メートル障害の権田浬(スポ1=千葉・佐倉)、女子100メートル障害の林美希(スポ1=愛知・中京大中京)がそれぞれ表彰台に乗るなど、若い力が躍動する大会になった。

★髙須が初の日本選手権で8位入賞!(日本選手権男子200メートル)

予選後、電光掲示板を見て笑顔になる髙須(写真左)と西裕大(令6教卒=現MINT TOKYO) 【早稲田スポーツ新聞会】

 男子200メートルには、島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)、千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)、そして繰り上げからの参加となった髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)の3名が予備予選から出場した。関東学生対校選手権(関カレ)以降、快進撃を続けている髙須。予備予選を通過し、予選で自己ベストを更新して決勝に進むと、臆することなく走り切り8位入賞を飾った。

  予備予選1組には、早大3名がそろって出場した。スタートから勢いよく飛び出した早大勢。カーブを抜け、全体が最後の直線に入ると髙須が先を行くかたちに。そのまま後続を引き離した髙須は、20秒87の好タイムで組1着に入った。一方、終盤に鋭いスパートを見せた千田は21秒22のタイムで組2着、島田は21秒25のタイムで組3着に入ったものの、惜しくも予備予選で敗退。総合1位の髙須のみが予選へと駒を進めた。

 予選では名だたる選手がそろう中、「逆にワクワクした」という髙須。予備予選と同じくインレーンのスタートとなったが、「外側の選手を上手く使いながら後半走る」(髙須)ことを意識したという。そのプラン通りの走りをし、迎えた後半。カーブ抜け後の競り合いにも果敢に攻め、20秒79の自己ベストでゴール。今大会で3大会連続の自己ベスト更新となった。そして、注目された決勝への進出。20秒79の同タイムが髙須を含め3人存在し、その中の1人がタイムで拾われることに。その時を待つと、速報に『髙須楓翔』の文字が。見事決勝進出を果たした。

 迎えた決勝。スプリント界のレジェンドが集う大舞台は、「今までにない会場の雰囲気が最高」(髙須)だったという。全体トップのリアクションタイムでスタートした髙須は、「前半から攻めた走りをした」(髙須)通り、序盤からスピードに乗る。しかし、ラストの直線はなかなか伸びきらず組8着でフィニッシュ。シニアの大きな壁が立ちはだかる中ではあったが、堂々とした走りで会場を盛り上げた。

 髙須にとって初の日本選手権。入賞は念頭にあったものの「あまり現実的じゃないのかなと思っている自分もいた」(髙須)ようだった。しかし、そのような懸念をよそに予備予選からの決勝進出という下剋上を果たし、またも自己ベスト更新を成し遂げた。関カレ以降自分の走りを見つけ、着実に力をつけている髙須。「さらに速く強く」(髙須)を追求し続ける彼の飛躍は、とどまることを知らない。

★ラストスパートが光り、吉倉が3位入賞!(男子1500メートル)

スパートをかける吉倉 【早稲田スポーツ新聞会】

 男子1500メートルには、日本選手権の標準切りも果たしていた吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)が出場。予選ではコンディションが悪い中でも後ろから追い上げ5着で決勝進出を決めた。決勝では一時先頭集団から離れる場面もあったもののラスト一周で強烈なラストスパートをかけ3着でゴール。見事表彰台に上った。

  1日目の昼、快晴の中行われた男子1500メートル予選。組6着までが着順で決勝に進めるという条件で、2組に登場した吉倉は序盤、集団後方でレースを進めた。コンディションが悪く、良い練習ができていなかったため後ろから6位以内を狙っていたという。ラスト1周に入るまでは後ろから2番手につけていたが、ラスト1周の鐘が鳴る直前にスパートをかけ7位まで位置を上げると、最後の直線でさらにギアチェンジ。前にいた2人の選手を抜き去り5着でのゴール。着順での決勝進出を果たした。そして翌日、迎えた決勝。序盤、予選よりも前で走ることを意識し集団の中程に位置づけた吉倉だったが、400メートル付近から徐々に先頭集団との差が開き始めた。先頭集団は4人で構成され、吉倉は第二集団の先頭を引っ張る。「スピードが出ず、足も重く少し焦っていた」。一時は先頭集団と3秒ほど差が開く場面もあったが、最後の1周でまたしても吉倉のスパートが光った。先頭集団との差をぐんぐんと詰め、最後のカーブで4位の選手の背中を捉える。そのまま加速した吉倉は残り30メートルで前にいた選手をかわし3位でフィニッシュ。ラストの切り替えが功を奏し、表彰台に上った。

 コンディション不良の中でも、ラストスパートが光り表彰台にも上った吉倉。スタミナがついてきたことを実感できるレースとなった。しかし、吉倉の躍進はこれでは終わらないはずだ。ワセダの未来を担う吉倉に、これからも目が離せない。

★権田が自己新で準優勝! 渕上も左手を負傷しながら5位入賞を果たした(U20男子400メートル障害)

決勝で競り合う権田(写真左)と渕上(写真右) 【早稲田スポーツ新聞会】

 U20男子400メートル障害には大前祐介監督(平17人卒=東京・本郷)が大きく期待を寄せる、渕上翔太(スポ1=東福岡)と権田浬(スポ1=千葉・佐倉)のルーキーコンビが出場。権田が予選、決勝で自己新を記録し2位に、渕上は5位だった。

  予選1組に登場したのは権田。「二台目で大きく(ハードルを)当ててしまった」と振り返ったが、残り100メートルをきると猛烈なスパートをかけ組1着。日本学生対校選手権(日本インカレ)A標準記録を切る50秒86のタイムを叩き出し、決勝に駒を進めた。予選2組に出場した渕上は序盤から好位置につけると、最後は後続を突き放しこちらも組1着でゴール。順当に予選を突破した。迎えた翌日の決勝。「左手を負傷している渕上に負けていたらダメだと思っていた」と対抗心を燃やしていた権田のレースプランは後半勝負。スタート直後から先頭に出た渕上を横目に、淡々とハードルを跳んだ。7台目を前に内側から来た渕上に追い抜かれ、9台目では6番手。しかし焦りはなかったという。予選と同様、ホームストレートで、前を行く選手を一気に追い抜いた権田が2位でフィニッシュ。序盤からレースを引っ張った渕上は後半ペースを落とし、5位でゴールした。

 権田の活躍により、日本インカレA標準記録を切っているのが5名になった男子400メートル障害。しかし、日本インカレに出場できるのはわずかに3人。この日、渕上に勝利し2位に入った権田も「自分の持っているタイムだとまだ早稲田の対校選手としては出ることができない」と発言し、400メートル障害が早稲田のお家芸たる所以(ゆえん)を垣間見せた。日本選手権でシーズンベストのタイムを出し復調傾向にある金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘)、関東学生対校選手権(関東インカレ)でダブル表彰台を果たした盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)と渕上、今季好調の平田和(スポ2=鹿児島・松陽)、そして権田。日本インカレに向けて、5名による熾烈(しれつ)な3枠争いが幕を開けた。

★権田が400メートルでも自己新連発 46秒台で4位入賞(U20日本選手権男子400メートル)

スタートする権田 【早稲田スポーツ新聞会】

 400メートル障害(ヨンパー)で準優勝に輝いた権田浬(スポ1=千葉・佐倉)が、大会後半に行われた400メートルでも快走を見せた。ヨンパーに続きこの種目でも予選、決勝で自己記録を更新。決勝では目標としていた46秒台をマークして4位入賞を果たした。

 予選から46秒台を狙っていたという権田。ヨンパーの流れで大台を目指したが、47秒11の組2着となった。3日連続の自己新となったが、権田にとっては悔しさの残る結果であった。迎えた最終日の決勝。レース前から雨が強く打ち付け、トラックには水が浮いたコンディションの中でのレースとなった。4レーンに登場した権田は序盤、周りの選手に遅れを取り後方からレースを進める。4連戦ということで疲れも残る状態だったが、ここから粘りを見せる。本人が「一番得意」と話すように、ラストの直線でスパートをかけて、次々と選手をかわしていく。そのまま最後まで減速することなく、ゴールに飛び込んだ。結果は46秒75の自己新で4位。大会前に目標としていた47秒を突破しただけでなく、ヨンパーと合わせて今大会全てのレースで自己記録更新を達成した。

 レースを振り返り、「目標は達成できたが、表彰台に上れなかったことや高校生に負けたことが悔しい」と語った権田。目標としていた、自己記録の更新や決勝進出は見事に成し遂げたが、現状に満足することはない。「46秒台前半でいって眞々田さん(洸大、スポ4=千葉・成田)と戦えるような選手になりたい」とさらなる高みを目指す。今年の関東学生対校選手権(関カレ)で本種目の入賞は眞々田のみと、昨年の3枚残し(出場した3選手全てが決勝に進出すること)と比べ苦しむ男子400メートル陣。短長全体が強さを取り戻すために、権田の存在が起爆剤になるか。

★林美希が準優勝 悔しさも残る大舞台に(U20日本選手権女子100メートル障害)

ゴールする林 【早稲田スポーツ新聞会】

 女子100メートル障害には関東学生対校選手権(関カレ)、学生個人選手権(学生個人)で準優勝を果たした林美希が登場。予選では危なげない走りを見せ、組1着で決勝進出を決めた。自己ベストの更新も期待された決勝では、関カレ、学生個人女王の髙橋亜珠(筑波大)にわずか0秒04及ばず準優勝。13秒40というタイムは自己新タイ記録、そして大会新記録であったが自己ベストの更新とはならず、悔しげな表情を見せた。

 日本選手権3日目に行われた女子100メートル障害予選。林は1組に登場した。予選は組1着でないと着順での突破はないという厳しい条件の下行われたが、「プレッシャーは特になく、自分の動きを確実にやろうとした」という。言葉通り落ち着いた走りで危なげなく1着でゴールし、決勝進出を決めた。コンディションが良かった林は予選から自己新を狙っていたものの、体がついてこず予選のタイムは13秒52。自己ベストへの挑戦は決勝に持ち越されることとなった。そして翌日、大雨の中行われた決勝には関カレ、学生個人に続き大学では3度目の対戦となる髙橋亜珠が出場。関カレ、学生個人では髙橋が優勝、林は準優勝という結果だった。3度目の正直、リベンジなるか。林は学生個人の時期から前半から後半にかけて上げていくというレースプランの改善を行っていた。予選では上手くはまらなかったが、決勝では後半まで失速せず最後の1台までトップスピードを保った。最後まで髙橋と競り合いゴールした林は、電光掲示板を見上げ結果を待つ。結果は、13秒40で髙橋とは0秒04差の準優勝。このタイムは自己ベストを更新した関カレ、そして学生個人と全く同じだった。髙橋にまたしても勝てなかったこと、そして自己ベストを更新できなかったことに、林は悔しさを滲(にじ)ませた。

 今回は悔しさも残ったが、13秒40をコンスタントに出せていることは確実に成長をしている証だろう。林が今掲げている目標は13秒3台のタイムで走ること。それが現実になる日は、もうすぐそこまで来ている。

結果

日本選手権結果

男子

▽100メートル
予選(7組3着+3)
島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)  10秒53(1組6着)(+0・1)
井上直紀(スポ3=群馬・高崎)  10秒37(2組2着)(+0・3) 準決勝進出
千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)  10秒56(5組7着)(+0・5)

準決勝(3組2着+2)
井上直紀(スポ3=群馬・高崎)  10秒32(3組7着)(+0・1)

▽200メートル
予備予選(3組0着+6)
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)  20秒87(1組1着 総合1位)(+0・1) 予選進出
千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)  21秒22(1組2着 総合8位)(+0・1)
島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)  21秒25(1組3着 総合12位)(+0・1)

予選(3組2着+2)
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)  20秒79(3組3着)(+0・3) 自己新 決勝進出

決勝(+0・2)
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)  20秒95(8着)

▽400メートル
予選(3組2着+2)
眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)  46秒69(1組5着)

▽800メートル
予選(3組2着+2)
立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)  1分51秒98(3組8着)

▽5000メートル
決勝
伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)  13分38秒20(17着)

▽110メートル障害
予選(4組3着+4)
西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)  13秒72(2組5着)(+0・6)準決勝進出
池田海主将(スポ4=愛媛・松山北)  14秒15(3組8着)(-0・8) 準決勝進出
盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)  DNS

準決勝(2組3着+2)
西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)  13秒79(2組7着)(-0・9)

▽400メートル障害
予選(3組2着+2)
金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘)  50秒65(2組5着)

▽女子

▽100メートル
予選(5組2着+6)
鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)  12秒19(4組6着)(-1・5)

▽200メートル
予選(3組2着+2)
山越理子(人3=東京・富士)  24秒75(3組5着)(-1・0)

▽400メートル
予選(3組2着+2)
清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)  55秒83(3組5着)

▽400メートル障害
予選(3組2着+2)
大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)  58秒76(1組3着)
千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)  58秒78(2組4着)


U20日本選手権結果

▽男子

▽100メートル
予選(5組1着+3)
鶴巻陽太(スポ1=新潟・三条)  DNS

▽400メートル
予選(3組2着+2)
権田浬(スポ1=千葉・佐倉)  47秒11(3組2着) 決勝進出

決勝
権田浬(スポ1=千葉・佐倉)  46秒75(4着) 自己新

▽1500メートル
予選(2組6着+0)
吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)  3分48秒58(2組5着) 決勝進出

決勝
吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)  3分47秒51(3着)

▽400メートル障害
予選(3組2着+2)
権田浬(スポ1=千葉・佐倉)  50秒86(1組1着) 自己新 決勝進出
渕上翔太(スポ1=東福岡)  50秒69(2組1着)決勝進出

決勝
権田浬(スポ1=千葉・佐倉)  50秒20(2着)自己新
渕上翔太(スポ1=東福岡)  50秒64(5着)

▽棒高跳
決勝
佐々木秀晟(スポ1=香川・高松一)  NM

▽女子

▽400メートル
予選(3組2着+2)
正木紗(スポ1=岡山朝日)  58秒47(3組6着)

▽800メートル
予選(3組2着+2)
武田亜子(スポ1=静岡・日大三島)  2分11秒19(3組5着)

▽100メートル障害
予選(4組1着+4)
林美希(スポ1=愛知・中京大中京)  13秒52(1組1着)(+0・2) 決勝進出
野村美月(スポ1=栃木・石橋)  DNS

決勝(+0・4)
林美希(スポ1=愛知・中京大中京)  13秒40(2着)

コメント

髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)

――繰り上げから初の日本選手権出場となりましたが、当時の率直な感想をお願いします

正直通ると思っていなかったので、びっくりしました。出場が決まった時はすぐ家族や、高校の監督に伝えました!

――日本選手権前はどのような点を意識して練習されていましたか

学生個人(学生個人選手権)の疲労がある中だったので疲労を抜きつつ、トップスピードを80メートルに持ってくるイメージを固めていきました。

――今大会の目標を教えてください

初の日本選手権だったので入賞を狙ってはいましたが、あまり現実的ではないのかなと思っている自分もいたので、ちゃんとした目標はこの舞台を楽しむということです!

――予備予選の走りを振り返っていかがでしたか

インレーンはあまり得意じゃないのですが、外側の選手を上手く利用しながらコーナーを抜けて、あとは自分の走りをするだけという感じでいいイメージで走れました。

――予選で自己ベストを更新されましたが、要因はどのようにお考えですか

予選は、陸上をしていれば名前は耳にしたことがあるような選手ばかりでしたが、逆にそれがワクワクしたことで、自分本来のパフォーマンスが発揮できた感じはありました。レース自体は、予備予選と同じく外側を上手く使いながら後半走るということを意識して走りました。レース展開も良かったので、後半、選手と競っても変に動きが硬くなりませんでした。そこもベストの要因だと思います。

――決勝にタイムで拾われた時の率直な感想をお願いします

同タイムが3人いるということを聞いてレースが終わってからはずっとドキドキしていました。今までの人生で一番長い時間だったかもしれません(笑)。通った瞬間はみんな喜んでくれて涙が出そうになりました。すごい嬉しかったです(笑)。

――決勝の舞台の景色はいかがでしたか

少し前までは、テレビで優勝は誰だろうと見ていた景色が目の前に広がっていたので興奮しました。今までにない会場の雰囲気が最高でした。

――決勝の走りを振り返っていかがですか

全ての選手が前半から行くことはもう感じ取っていたので、ちょうどいい位置にいるために前半から攻めた走りをしたのですが、ラスト50メートルからもたついてしまい、大舞台の難しさを感じるレースでした。

――日本選手権全体の振り返りをお願いします

今回の日本選手権は、これからの自分を変えるきっかけとなる大会だなと感じました。結果としては惨敗でしたが、ほんの少しでも日本で1番になる可能性や、世界につながる可能性が見えたことから、夢であった世界大会まで少し近づけた気がします。あの重圧の中で自分のレースができたことが目に見える成長だなと感じました。

――今後の意気込みをお願いします

前半シーズンで大きな大会がこれで終了しました。後半シーズンはグランプリシリーズの大会や、全カレ(日本学生対校選手権)、日本選手権リレーがあります、そのような舞台で勝ちきれる強い選手になる、またタイムを出せる時に出せる速い選手になります。来年の東京世界陸上(世界陸上選手権大会)やユニバーシアードを見据えつつ、さらに速く強くなっていきます。

権田浬(スポ1=千葉・佐倉)

――最初に400メートル障害についてお伺いします。予選の走りを振り返っていかがですか

1戦目ということもあって、スピードを乗せて1台目から行けたのですが、元々ハードリングがそこまで得意ではないということもあって、2台目で大きく(ハードルを)当ててしまったり、少しばらけていくということもありました。それでも目指していたベストのタイムで、組1着で入れたので、結果としてはいいレースだったかなと思っています。

――決勝では、渕上翔太(スポ1=東福岡)選手との対決になりました。意識はされていたのでしょうか

めちゃくちゃ意識していました。今回渕上が左手を負傷していて、ここで(渕上に)試合で負けていたらダメだなと思っていました。しっかり最後の最後まで食らいついて、最後の直線まで(渕上を)射程圏内に入れていれば、元々後半が強いという自信があったので、最後で差し切れると思っていました。しっかりと自分の想像していたレース展開で、最後しっかり差し切れたというのはすごく良いレースだったと思います。ですが、菊田君(響生、法政二高)が速いなと。(一番前まで)差し切れなかったなと思っています。

――決勝では、9台目を跳ぶまで6番手でしたが、焦りなどはなかったですか

レース中は、焦りというのはほぼほぼ考えていなくて。前に(選手が)いたので行かないといけないという義務感の方が強かったかなと思います。

――次に400メートルについてお伺いします。400メートルの目標は自己ベスト更新というところだったのでしょうか

400メートルに関しては、もちろん自己新を目標にはしていました。ですが、チームとしては、46秒台にもう一人入らないと日本学生対校選手権(全カレ)で(400メートルに)3人出られないということもあったので、46秒台には入りたいと思っていました。

――予選の走りを振り返っていかがでしたか

1、2日目のヨンパーの走りから、46秒台は出るだろうと思っていたのですが、46秒台に入れず、この(予選の)走りでも46秒台に入れないのかと心残りはありました。

――決勝は400メートル障害と合わせて4レース目でしたが、疲労などはありましたか

アップの時は、疲れを感じていて、だいぶきついなと思っていました。ですが、少しずつ最後の一本というところで気持ち的にみなぎってきました。スタート前も全然緊張せず、冷静にレースに挑めたなと思います。

――だいぶ雨が降っていたと思うのですが、その点はいかがでしたか

濡れるということはありますが、雨は苦手ではなく、(どちらかというと)暑いのが苦手なので、暑いのよりは全然大丈夫でした。

――決勝のレースを振り返っていかがですか

目標としていた46秒台は達成できたのですが、46秒台でも表彰台に乗れないのかと非常に悔しいですし、高校生に負けたことも悔しいです。ですが、自分が一番得意としている最後に差し切って前に行くというレースはできたので、前半の走りを改善して、最後に一番前まで差し切れるレース展開にできるよう練習していきたいです。

――400メートル障害準優勝という結果や、自己ベスト更新を連発されたことについて振り返っていかがですか

自己新(のタイム)を4本全部出して、目標としていたタイムも出せたのですが、どちらも一番高いところには届かなかったのが非常に悔しいところです。目標が自己新を出していく、決勝に行くというところだったので、目標を達成することはできました。ですが、やはり最後は悔しかったかなと思っています。

――最後に、2種目における今後の目標を教えてください

400メートル障害に関しては、自分の持っているタイムだとまだ早稲田の対校選手として出ることができないので、ハードリングをしっかり改善して49秒台に入れる選手になっていきたいです。400メートルに関しては、前半(の走り)を改善して、46秒台前半でいって眞々田さん(洸大、スポ4=千葉・成田)と戦えるような選手になっていきたいです。

吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)

――今大会の目標を教えてください

優勝、最低でも3番以内でした。

――今大会を通してコンディションはいかがでしたか

少し足を痛めてしまいあまりいい練習ができていませんでした。

――予選のレースプランはどのように考えていましたか

引っ張ろうと思っていましたが、足がだいぶ重かったので後ろからいって6位以内に入ることを意識して走りました。

――予選を振り返っていかがですか

ラスト切り替えられたのは良かったと思います。

――決勝のレースプランを教えてください

川口(峻太朗、洛南高)君が引っ張るだろうと思っていたのでそれに着いていってラストで切り替えようと思っていました。

――予選から決勝に向けて修正した点はありましたか

予選よりも前の方で走ろうと心がけていました。

――決勝では前方の集団と一時離れる場面がありましたが、その時の心境を教えてください

全然スピードが出ず、足も重く少し焦りました。

――今回のタイムと結果についてどのように考えていますか

タイムはあまり速くなかったですが、3番以内に入れたのでまずまずの結果だったと思います。

――予選でも決勝でもラストスパートが光りましたが、ラストスパートを磨くためにしていることはありますか

当たり前のことかもしれませんが練習後の流しはやるようにしています。他に特にこれといったものはありませんがスタミナがつき切り替えられたのかなと思います。

――今大会での成果や収穫はなにかありましたか

あまり練習ができていなかったので、初速のスピードは衰えてしまっていましたが、ラスト切り替えられたことを考えるとスタミナがついてきたのを実感できたレースになりました。

――最後に、これからの目標を教えてください

三大駅伝に出場できるようにしたいです。

林美希(スポ1=愛知・中京大中京)

――今大会の位置づけと目標を教えてください

今大会は結構合わせてきた試合だったので、自己ベストを更新したいという思いと、順位も1位を狙った試合でした。

――今大会を通してコンディションはいかがでしたか

体の状態は結構良くて、予選の時は天気も良かったんですけど、決勝は雨でした。でも体は比較的動いたので、良い中でのコンディションだったと思います。

――予選でのレースプランを教えてください

予選はとりあえず落ち着いて通ることを目標にしていました。でも結構コンディションが良かったのでベストを狙っていきたかったんですけど、そこまで体はついてこず、13秒52でまずまずという感じでした。

――予選では着順で突破するには1着を求められる中で、プレッシャーなどはありましたか

プレッシャーは特になく、自分の動きを確実にやろうと思って挑みました。

――決勝でのレースプランを教えてください

決勝では隣の選手がすごく前半早いことがわかっていたので、しっかりそこで慌てずに、後半どんどんスピードに乗っていけるようにという風に思い描いてました。

――日本学生陸上競技個人選手権大会(学生個人)の時におっしゃっていた、前半から後半にかけてスピードを上げていくというレースプランの実践はいかがでしたか

予選はそこがなかなかうまくはまらなくて、後半失速してしまいましたが、決勝は比較的後半まで耐えられたレースだったのかなと思います。

――決勝では関東学生対校選手権(関東インカレ)、学生個人に続き自己ベストタイ、そして大会新記録となる13秒40というタイムでしたが、今大会のタイムについてはどのように考えていますか

13秒3台を狙っていたので、すごく悔しいですが、だいぶ(13秒)4台で安定してきていて、13秒40をコンスタントに出せているので、どこかでポンと3台を出せたらいいなと思います。

――本日の順位についてはどのように感じていますか

関東インカレや学生個人とまた髙橋亜珠さん(筑波大)に負けてきて、今回こそはと思っていたので、悔しい部分が大きいです。

――今大会全体を振り返っていかがですか

全体的な雰囲気も日本選手権なだけあって良くて、その中で走れたのは良かったんですけど、この雰囲気をいかしてもっとベストを出せたら良かったと思います。

――最後に、これからの意気込みをお願いします

もう13秒4台を脱出して、3台に突入して、どんどん上げていきたいなと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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