医学と野球を両立する防衛医大・奥山(仙台一)が好投╱大会レポ

全日本大学準硬式野球連盟
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【全日本大学準硬式野球連盟】

 体育会ナビカップ「関東JUNKOオールスター大会2024」の大会2日目が6月29日、福島・さつき公園第一球場(泉崎村)、表郷天狗山球場(白河市)の2球場で行われた。各予選リーグから東京六大学選抜と東都選抜Bがそれぞれ決勝戦に進出し、決勝戦は2年連続の同カードとなった。さつき公園第一野球場で行われた3試合をレポートする。

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▽予選A 第1試合(29日・さつき公園第一野球場)
北関東選抜 0 0 0 0 0 0 0 0 0 =0
東都選抜A 0 0 0 0 0 0 2 0 X =2

[戦評]
 両チームがチャンスを生かすことができない中、7回の好機を生かした東都選抜Aが北関東選抜を下した。東都選抜Aは、6回まで毎回走者を出すも得点できず、7回に満塁から中央大・功刀文也(4年=山梨学院)の適時打で2点を先制。その2点を3人の投手の継投で守り抜いた。北関東選抜は1部所属選手で構成される東都選抜A相手に惜敗するも、先発した防衛医科大学校の奥山虎太郎(3年=仙台一)が5回66球を投げ、無失点。インパクトを残した。打線は得点圏のチャンスを4度作るも生かすことができなかった。

北関東:奥山、山浦浩樹(高崎健大2年=小諸商業)、●永井泰行(高崎経済大2年=札幌光星)、溝口結斗(防衛医科大学校4年=北野)-高橋春斗(高崎健大3年=渋川青翠)

東都A:柴崎創(東洋大4年=都広尾)、〇藤田修(専修大4年=浦和学院)、下平秀也(国士舘大4年=花巻東)-高橋秀昌(専修大3年=専大松戸)、岡部匡十(中央大2年=佐賀商)

自衛隊を目指す防衛医科大・奥山(仙台一)が5回無失点

5回無失点と好投した自衛隊を目指す防衛医科大学校・奥山虎太郎(3年=仙台一) 【全日本大学準硬式野球連盟】

 防衛医科大学校3年奥山虎太郎(仙台一)はこの日は5回無失点の好投。「コースを丁寧に投げ分けることと、多少甘くてもボールのキレと出力を重視しました。また、レベルの高い相手と仲間についていけるよう試合を作ることを意識しました。ストレートで押し込めたことで球数を少なくできました。要所のギアチェンジで投球の幅が出せました。三振を狙いにいったところで取りきれないところにレベルの高さを感じました」と話した。自衛隊を目指しながら準硬式野球に取り組んでおり「初心者が多くの女子選手、高校野球経験者まで幅広く選手がいるため、全員が満足できるチーム運営とチームの勝利との両立を目指していて活動をしています」とやりがいを話す。医療と準硬式を両立する選手がいることも、準硬式の特徴であり魅力だ。
▽予選A 第2試合(29日・さつき公園第一野球場)
東京六大学選抜 0 0 0 0 0 1 0 0 0 =1
東都選抜A   0 0 0 1 0 0 0 0 0 =1

[戦評]
 全日本大会出場権を獲得した選手が多く集まる両チーム。白熱した投手戦となった。東京六大学選抜先発の立教大・伊東大夢(3年=東北学院)は2021年夏の甲子園出場投手。4回途中まで1失点に抑え、試合をつくる。一方、東都選抜Aは先発・竹村健太(専修大3年=星稜)が6回に慶応義塾大・吉野智喜(4年=慶応義塾)に適時打を許すものの5回までは無安打投球。その後、立教大・望月響希(2年=清水東)、法政大・遠藤優介(2年=日大藤沢)、立教大・三浦隼太郎(2年=札幌国際情報)が、東都選抜Aは日本大・足立丈(3年・日大豊山)が無失点で9回まで繋いで投げ抜き、試合は引き分けとなった。

東京六大学:伊東、望月、遠藤、三浦-小原(法政大3年=仙台育英)
東都A選抜:竹村、足立-高橋春輝(国士舘大2年=日大三)、高橋(秀)

6回に突き放した東京六大学が連勝で決勝へ

▽予選A 第3試合(29日・さつき公園第一野球場)
東京六大学選抜 0 1 0 0 0 6 0 0 0 =7
北関東選抜   0 0 0 2 0 0 0 0 0 =2

[戦評]
 中盤まで試合の流れが揺れ動く中、6回のチャンスをものにした東京六大学選抜が勝利した。2回に東京六大学選抜が先制。北関東選抜は4回に共栄大・岩崎星哉(3年=鷲宮)の適時二塁打で2点を奪い、一時逆転に成功する。東京六大学選抜は6回にそれまで1点に抑えられ、苦しめられていた相手先発の筑波大学医学群・濱谷翔真(4年=千葉)からチャンスをつくると北関東選抜はここでバッテリーを交代。代わった自治医大・岸川晃大(5年=修猷館)から9番立教大・森川元太(4年=立教新座)や4番早稲田大・松永賢三(4年=早稲田実)の右越え適時二塁打などで一挙6点をあげ、突き放すことに成功。東京六大学選抜が決勝へ進出することとなった

東京六大学:大澤龍登(早稲田大4年=星野)、〇柏野哲哉(東京大4年=桐朋)、岡見大也(慶応義塾大4年=慶應義塾湘南藤沢)、松浦寿和(明治大4年=明治大付属八王子)-森川、佐藤遼平(慶応義塾大4年=桐朋)
北関東:●濱谷、岸川-山中、高橋(春)
二塁打=岩崎、松永、関宮楓馬(法政大4年=静岡)

 決勝進出した東京六大学選抜・久保嶋真也主将(早稲田大学4年=桐蔭学園)は「東京六大学選抜の自覚を持ち必ず3連覇を達成いたします。応援のほどよろしくお願いいたします」。2年連続同一カードが決まり、3連覇に向け意欲を語った。

コラム╱選手兼学生委員としての誇り

 学生委員は試合中、SNSでのライブ配信や、速報サイト(一球速報)の入力、試合進行、整備などを分担して運営を行っている。球場確保や審判の手配も学生委員が務めた。筆者のように、選手兼任で試合運営する学生委員の存在が非常に重要であるということを再認識し、学生の手で開催される大会を誇りに思った。 
 また、普段はライバルとして戦っている選手と同じチームで戦うことは新鮮さや純粋な楽しさが味わえる。今後の課題も発見することができ、非常に貴重な時間を過ごすことができている。明日が最終日となるが、試合だけではなく、野球教室や海ごみ削減プロジェクトといった学生委員企画のイベントも開催されるので、大学で野球をやるか悩んでいる高校生に準硬式の魅力が届くよう、明日も情報発信する。

(文╱埼玉大3年・山中達也=県川越)

第1試合で決勝打を放った、甲子園出場経験のある東都選抜Aの中央大・功刀史也主将(4年= 山梨学院) 【全日本大学準硬式野球連盟】

東京六大学選抜を相手に好投した東都選抜Aの専修大・竹村健太(3年=星稜) 【全日本大学準硬式野球連盟】

北関東選抜戦で逆転打を放った立教大・森川元太(4年=立教新座) 【全日本大学準硬式野球連盟】

選手兼主務として東京六大学選抜戦に出場した埼玉大山中達也(3年=県川越)。準硬式には裏方という概念はなく、プレーと運営、両方のスキルアップが実現できる 【全日本大学準硬式野球連盟】

試合運営を行う学生委員。学生委員がいなければ大会はできないため連盟に欠かせない存在である 【全日本大学準硬式野球連盟】

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著者プロフィール

準硬式野球は大学軟式野球競技として昭和20年代にスタートして以降、大学スポーツとして歴史を重ねてきました。2023年現在は約270校、約9400人が加盟。『学業とスポーツの両立』を体現するため、文系・理系・医歯薬系を問わず学生は活動しており、大学の講義・実験・実習を最優先にしてから本気で野球に取組んでおります。また、野球経験を問わず、未経験者、ソフトボール経験者、軟式経験者、女子選手などを積極的に受け入れ、ダイバーシティ・インクルージョンを実現しております。

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