「インサイドストーリー夏草の賦」第1回 愛知名港ボーイズ(愛知県中央支部) 〜シリーズ・選手権大会出場チーム紹介~
このシリーズでは開幕に先立ち、各地の予選を勝ち抜き選手権大会への出場を決めたチームのインサイドストーリーを紹介する。
題して夏草の賦(はなし)。
第1回は激戦の愛知県中央支部を勝ち抜き創部11年目で選手権出場を果たした愛知名港ボーイズ。
夏の全国大会初出場。執念でこじ開けた夏の扉
愛知名港ボーイズ、8対3、5点のリードでむかえた最終回の守り。
しかし簡単には終わらせてくれないのが野球そして決勝戦だ。相手は強豪愛知知多ボーイズ。2点を返され、なおも1死1塁。
「やつなら最期はしっかりと締めてくれる」
マウンドを見つめる奥村監督の視線の先には小久保颯弥がいる。
今大会、小久保は全試合で好救援し勝利に貢献した。
結果はショートへの併殺打でゲームセット。
選手全員がマウンドに駆け寄り歓喜の輪が生まれた。
奥村が執念でこじ開けた夏の扉、夏の全国大会初出場をつかんだ瞬間だ。
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11年目に成し得た選手権大会出場
愛知名港ボーイズが優勝。夏の選手権大会出場権獲得!! 【撮影:公益財団法人 日本少年野球連盟】
そのままボーイズリーグに加盟したことにはじまる。
県内のどこにも見られないほど立派な室内練習場(練成館)を建設、元プロ野球選手をコーチとして招聘し日々厳しい練習を繰り返していたと聞く。
1期生、2期生と多くの子どもたちが入団するも全国への道のりは遠かった。
転換期は、2018年9月、4期生の途中から現監督の奥村尚が3代目の監督に就任する。
奥村は従来の指導法を刷新、自分なりのやり方に変更する。
コーチ陣には若手を起用し、自らも進んで子どもたちとの対話を重視した。
監督の存在は選手にも保護者にずっと身近なものとなった。
5期生の時代、秋の支部予選で初優勝、翌2020年の春、全国大会への出場資格を得る。しかしコロナにより全国大会は中止となってしまう。
2年後に入団した7期生に奥村は手応えを感じたという。
2度目の春季全国大会の出場権を獲得、本戦でもベスト8まで勝ち進んだ。
「このチームなら夏も狙える」
意気込んで春夏連続出場にチャレンジするも再び高い壁に跳ね返され支部予選で敗退した。
そして2024年の春、9期生たちは3回目の春の全国へ。
スターゼンカップ春季全国大会で、先輩たちを越える準決勝進出を果たす。
「春に勝っても夏に行けないのが名港。このジンクスを今年こそは、この子たちと絶対に打ち破る」
しかし春季全国ベスト4という実績は、他のチームの目標にされ徹底的にマークされた。
奥村は、また負けてしまうのではないかという不安に何度も苛まれたという。
その度に、大好きな子どもたち、この9期生と絶対に行くんだと心に誓い大会に臨んだ。
11年越しの大悲願、選手権大会出場。子どもたちを信じ、勝ちたいという強い思いが重く大きな夏の扉を開いたのだ。
「未知なる夏の大舞台。大好きな子どもたちと思う存分に楽しむつもりです」
奥村監督は笑顔でこう話してくれた。
※文中敬称略
(原稿:日本少年野球連盟 広報委員会)
悲願の選手権大会出場を決め、喜びを爆発させる愛知名港ボーイズ!! 【撮影:公益財団法人 日本少年野球連盟】
第2回はボーイズリーグの全国大会で春夏合わせて4度目の優勝を目指す、千葉県代表の京葉ボーイズ。
近日公開予定です。
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