【#スタジアムを繋ぐ】#004 安光太郎さん(株式会社ネスパ 取締役)ー 新スタジアムへと続く安さんと鎌倉インテルの第二章

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 684の個人と企業の支援を通して完成した「みんなの鳩サブレースタジアム(鳩スタ)@湘南深沢」は3年間の歴史に幕を閉じ、2024年9月(予定)に終わりを迎える。そして今、「みんなのスタジアム構想プロジェクト」の第二歩目となる新しいスタジアム建設に向けてクラブは動き出した。未来への夢を繋ぎ、場所を繋ぎ、文化を繋ぐ。みんなでスタジアムを繋ぐため、プロジェクトの第二章へ向けてみんなの思いを綴っていく。
今回は、鎌倉市内でコワーキングスペース「NEKTON OFUNA」を営み、創設当初からクラブを支えてきた安光太郎さんの思いを聞いた。

(文・本多辰成/スポーツライター)

クラブの歴史が始まったコワーキングスペース

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 安光太郎さんが大船駅近くにコワーキングスペース「NEKTON OFUNA」をオープンしたのは、鎌倉インテルが創設された2018年のことだった。

 ともに第一歩を踏み出そうとしていた安さんと鎌倉インテルはその年、鎌倉地域の活性化にチャレンジするプロジェクトのアイディアを出し合うことを目的に行われていた「カマコン」という集まりの場で出会った。

「鎌倉インテルも私も鎌倉の人たちに自分たちの活動をPRしようということでカマコンに登壇することになっていました。登壇に向けて事前に何度か集まって練習をするのですが、その時にGMの吉田(健次)さんにお会いして、鎌倉からJリーグを目指すクラブをつくって、さらにスタジアムまでつくろうとしているということを聞きました。カマコンの登壇に向けて、何度もお話を聞いているうちにこれは素晴らしい活動だと思い、鎌倉インテルのファンになってしまいました」

「カマコン」での出会いによって、安さんの営む「NEKTON OFUNA」は鎌倉インテルの最初のオフィスとなった。クラブの歴史とスタジアムプロジェクトの始まりを安さんは間近で見ていた。
「一緒に地域を盛り上げていきたいという思いが重なり、鎌倉インテルはNEKTON OFUNAの法人登記第一号になったんです。今は多くのスタッフがいる組織になった鎌倉インテルですが、当時は日本のスタッフは吉田さんのみ。シンガポールにいるオーナーの四方(健太郎)さんとオンラインで朝から晩まで一日中、チームづくりやグラウンドづくりのミーティングを重ねていました。この人、チームを作る前に倒れてしまうんじゃないかと思ったほど頑張っていました」

「鳩スタ」は奇跡的な縁がつながってできたスタジアム

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 安さんは鎌倉に隣接する藤沢市の出身。広告代理店勤務時代には地元のJリーグクラブである湘南ベルマーレと仕事で関わった経験もあり、Jクラブの運営の難しさを肌で感じていた。それだけに、鎌倉にJリーグを目指すクラブをつくるという発想は驚きだったという。

「四方さん、吉田さんたちが考えているような、鎌倉にゼロからサッカークラブをつくろうという発想は私にはなかったです。四方さんがGoogleマップを見て深沢の大きな空き地に目を付けたというセンスもすごいですよね。ゼロの段階から携わっていると、『鳩スタ』は本当に細い糸を奇跡的なご縁で紡いでできたという感じがします。四方さんは明確なビジョンを持っていて、その細くても強い糸を吉田さんを中心に地道に紡いでいった。その姿を間近で見ていたので、いずれ必ずできるだろうとは思っていましたが、まさかこんなに早い時期にグラウンドをつくってしまうとは…。そのスピード感にもまた驚きでした。」

 クラブは創設4年目の秋に計画通りに自前のホームグラウンドを完成。安さんが驚くほどのスピードで誕生した「鳩スタ」は、何もなかった湘南深沢駅前の広大な空き地を一変させ、地域にさまざまな価値を提供してきた。

「あの広大な空き地は地元の人でも知っている人もいれば知らない人もいるような存在でした。将来的には市役所が移転してくることになっていますが、利用されずにいたという意味ではあまり価値がなかったわけです。そこに『鳩スタ』が生まれて、サッカーだけでなくお祭りなどのイベントも開催され、子供からお年寄りまで幅広い層の人たちが集まる場所になった。このエリアにこんなパワーがあったのかと再認識させられましたし、『鳩スタ』の存在によってとてもポテンシャルを持った場所なんだとわかりました」

新スタジアムへと続く安さんと鎌倉インテルの第二章

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 2018年にクラブの歴史が始まった鎌倉インテルと、同じ年にコワーキングスペース「NEKTON OFUNA」をオープンした安さん。奇しくも同時期に鎌倉で新たな挑戦をスタートしたとうこともあり、安さんにとってはクラブの存在が大きな刺激にもなっているという。

「私も同じ年にスタートを切ったわけですけど、鎌倉インテルの成長スピードや勢いは本当にすごいと思います。それを見ていると私ももっと頑張ろうと思えますし、鎌倉インテルのスタッフや選手とともに、楽しい夢を見させてもらっています。高い目標を持って進んでいけば形になるんだということをインテルが見せてくれているので、私も負けないように頑張りたいと思います」

 計画のスタート段階から完成までを間近に見てきた「鳩スタ」。安さんにとっても愛着のあるスタジアムは、間もなくその役割を終える。新たなステージへと進むクラブを今後もできる限り応援してきたいと安さんは話す。

「今では鎌倉インテルも『鳩スタ』も鎌倉の人たちにだいぶ浸透してきていますし、『スタジアムを繋ぐ』ということで次のステージでもさらに発展させてくれると思っています。NEKTON OFUNAも試合前のミーティング会場や、撮影スペースの場所として、鎌倉インテルを支えられたらと思いますし、これからも少しでもチームスタッフや選手たちに貢献できればと思っています」

新たな場所へと移る鎌倉インテルのホームグラウンドとともに、安さんとクラブとの関係も第二章を迎える。

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著者プロフィール

鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル)は、世界で最もグローバルなスポーツであるサッカーを通じて未来の日本を国際化していくため、2018年に設立された新しいサッカークラブです。現在は神奈川県社会人リーグに所属していますが、プロサッカークラブ(Jリーグ参入)、そして世界を目指して活動をしています。『CLUB WITHOUT BORDERS』をビジョンに掲げ、日本と世界を隔てる国境をはじめ、性別、年齢、分野、そして限界、あらゆる“BORDER”(境界線)をもたないサッカークラブを目指しています。

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