「リフレクション」の申し子が待望の支配下・一軍スタメン! 奥村光一に期待できるこれだけの理由
奥村光一選手 【(C)PLM】
埼玉西武ライオンズがファームの若手の人財育成に力を入れている。象徴的な取り組みとして、今季から始めた、勝敗に関わらず試合後にインタビューを行う「若獅子リフレクション」や、試合や練習で得たことをアプリに記して選手・コーチ・人財育成担当間で共有する「リフレクション」があり、日々の反省・内省の時間を大切にすることを徹底している。前編ではこの取り組みについて、西武ライオンズ 人財開発担当兼バイオメカニクス担当の伊藤悠一さんに話を聞いた。
6月9日に支配下登録、即スタメン。迷える獅子に新星現る
「『リフレクション』が自分のためになっていることを、一番感じている選手だと思っています」
そう語るリフレクションの申し子が、育成から支配下へ。そして即日、一番・センターで甲子園の土を踏んだ。
奥村光一選手。東海大静岡翔洋高から東海大、BCリーグ群馬ダイヤモンドペガサスを経て2023年ドラフト育成6位で入団。高い身体能力を持ち、パワーとスピードを兼ね備えて入団を果たした。二軍で18試合に出場し、打率.219ながらも、三塁打2、盗塁6と、足でかき回すプレーで貢献。交流戦後半に入っても今ひとつ調子の上がらない一軍の起爆剤として期待される。
そう語るリフレクションの申し子が、育成から支配下へ。そして即日、一番・センターで甲子園の土を踏んだ。
奥村光一選手。東海大静岡翔洋高から東海大、BCリーグ群馬ダイヤモンドペガサスを経て2023年ドラフト育成6位で入団。高い身体能力を持ち、パワーとスピードを兼ね備えて入団を果たした。二軍で18試合に出場し、打率.219ながらも、三塁打2、盗塁6と、足でかき回すプレーで貢献。交流戦後半に入っても今ひとつ調子の上がらない一軍の起爆剤として期待される。
「『リフレクション』が自分のためになっていることを、一番感じている選手だと思っています」
そう語るリフレクションの申し子が、育成から支配下へ。そして即日、一番・センターで甲子園の土を踏んだ。
奥村光一選手。東海大静岡翔洋高から東海大、BCリーグ群馬ダイヤモンドペガサスを経て2023年ドラフト育成6位で入団。高い身体能力を持ち、パワーとスピードを兼ね備えて入団を果たした。二軍で18試合に出場し、打率.219ながらも、三塁打2、盗塁6と、足でかき回すプレーで貢献。交流戦後半に入っても今ひとつ調子の上がらない一軍の起爆剤として期待される。
前編の村田怜音選手同様、奥村選手も「リフレクション」の時間を大切にする選手だ。人財開発担当の伊藤悠一さんも、「(奥村選手は)リフレクションの大切さがわかっている選手」だと話す。それを本人に伝えると、冒頭の答えが返ってきた。
さらに奥村選手は言う。
「振り返りのない練習や試合は意味がないと思うんですよ。振り返りをやった選手と振り返らなかった選手だったら、明らかに振り返った選手のほうが上達するな、というふうに思っています。振り返り自体は三軍でも二軍でもやっていることは一緒なのですが、三軍の時は試合前に目標設定をする時間があって、試合が終わった後にまた人財開発担当やコーチと振り返りの時間も作っていただいて、それはすごくいい環境だなと思います」
学生時代、独立リーグでは書き留めるということをしてこなかったため、ライオンズ入団後に初めてリフレクション=振り返りをするようになった。いまでは夜の10分間程度をリフレクションアプリの入力に充てる。
書く項目は、Good、Bad、Nextの3つ。そのなかで、奥村選手はNext(次戦の課題)に重きを置く。
「結果はコントロールできないですよね。でも、意識の部分はコントロールできることだと思うので、そういうコントロールできる部分にNextを置くことが多いですね。Nextは『こうしていく』と自分でしっかり書くことができれば、それだけで振り返りにもなるので、そのことについてまた次の日コーチと話します」
ある日、奥村選手は練習でできていることが、試合になるとうまくいかない悩みをリフレクションに書いた。それに対する木村文紀さんからの返信を見せてもらった。
なぜ練習ではできることが試合になるとできないのか、もう一度しっかりと振り返ってみること。明日、今日の守備について振り返りをします。試合になるとできない理由を明日までに答えられるように考えてきてください。
「この時は僕のなかでもうまく言語化できていなかったので、このような返信をもらいました。もっと突き詰めろということですね。次の日木村さんと話し合いました。一番嬉しいのは、リフレクションで観点がずれてしまいそうなときに、コーチから『そういう意味じゃなくて、こういう意味で伝えたかったんだよ』って返信があること。次の日に『そういうことだったんですか』っていう会話にも繋がっていくのがいいですね。誰かに見てもらえるっていうのが大きいなって思います」
リフレクションでやりとりを繰り返すうちに、奥村選手の言語化に対する意識も変わってきたという。
「最初のうちは、感覚で物を話したりとか、説明ができないことも多かったのですが、文章化することを続けているうちに、たとえば先に結論から物事を話したりできるようになってきました」
インタビューの中で、リフレクションにコメントをくれるコーチや人財開発のスタッフに、何度も「本当にありがたいです」と感謝を述べていた奥村選手が印象的だった。
奥村選手は勝ち試合の「若獅子インタビュー」しか経験がないが、負けた試合でもマイクを向けられる「若獅子リフレクション」についてはどう考えているのか。
「経験する場を設けてくれているということが、すごく大きいなと思います。そういうのも自分のなかでチャンスだと思ってやるのか、それともただ何となくそういうインタビューを受けるのかは、また違うので。人財開発が行うマインドセットセミナーのなかでは、『可能性思考』と言われているのですが、何事もチャンスだと思って、その時間を過ごそう、と。それがライオンズの中で言われていることなんです」
人財開発担当が選手のマインドセットを助けていると聞いてはいたが、およそ半年でそれらの考えが選手単位で根付いているのを感じた。そこに驚いていると、球団が思考法や考え方についてセミナーを開いてくれるのだと奥村選手が教えてくれた。考え方もマインドセットの方法も入団してからずいぶん変わったことを自覚しているのだという。
球団の育成プログラムを素直に取り入れ、真面目に取り組み、自分の進化を喜び、与えられる環境に感謝する奥村選手。このインタビューの数日後に支配下登録のニュースが舞い込んだが、奥村選手の魅力が今後パーソル パ・リーグTVを通じて全国に伝わることを、筆者は嬉しく思った。
いきなり飛び込んできたチャンス、ぜひものにしていただきたい。もしうまくいかないことがあっても、振り返ることの大切さが身についた奥村選手は、立ち止まることはないだろう。
そう語るリフレクションの申し子が、育成から支配下へ。そして即日、一番・センターで甲子園の土を踏んだ。
奥村光一選手。東海大静岡翔洋高から東海大、BCリーグ群馬ダイヤモンドペガサスを経て2023年ドラフト育成6位で入団。高い身体能力を持ち、パワーとスピードを兼ね備えて入団を果たした。二軍で18試合に出場し、打率.219ながらも、三塁打2、盗塁6と、足でかき回すプレーで貢献。交流戦後半に入っても今ひとつ調子の上がらない一軍の起爆剤として期待される。
前編の村田怜音選手同様、奥村選手も「リフレクション」の時間を大切にする選手だ。人財開発担当の伊藤悠一さんも、「(奥村選手は)リフレクションの大切さがわかっている選手」だと話す。それを本人に伝えると、冒頭の答えが返ってきた。
さらに奥村選手は言う。
「振り返りのない練習や試合は意味がないと思うんですよ。振り返りをやった選手と振り返らなかった選手だったら、明らかに振り返った選手のほうが上達するな、というふうに思っています。振り返り自体は三軍でも二軍でもやっていることは一緒なのですが、三軍の時は試合前に目標設定をする時間があって、試合が終わった後にまた人財開発担当やコーチと振り返りの時間も作っていただいて、それはすごくいい環境だなと思います」
学生時代、独立リーグでは書き留めるということをしてこなかったため、ライオンズ入団後に初めてリフレクション=振り返りをするようになった。いまでは夜の10分間程度をリフレクションアプリの入力に充てる。
書く項目は、Good、Bad、Nextの3つ。そのなかで、奥村選手はNext(次戦の課題)に重きを置く。
「結果はコントロールできないですよね。でも、意識の部分はコントロールできることだと思うので、そういうコントロールできる部分にNextを置くことが多いですね。Nextは『こうしていく』と自分でしっかり書くことができれば、それだけで振り返りにもなるので、そのことについてまた次の日コーチと話します」
ある日、奥村選手は練習でできていることが、試合になるとうまくいかない悩みをリフレクションに書いた。それに対する木村文紀さんからの返信を見せてもらった。
なぜ練習ではできることが試合になるとできないのか、もう一度しっかりと振り返ってみること。明日、今日の守備について振り返りをします。試合になるとできない理由を明日までに答えられるように考えてきてください。
「この時は僕のなかでもうまく言語化できていなかったので、このような返信をもらいました。もっと突き詰めろということですね。次の日木村さんと話し合いました。一番嬉しいのは、リフレクションで観点がずれてしまいそうなときに、コーチから『そういう意味じゃなくて、こういう意味で伝えたかったんだよ』って返信があること。次の日に『そういうことだったんですか』っていう会話にも繋がっていくのがいいですね。誰かに見てもらえるっていうのが大きいなって思います」
リフレクションでやりとりを繰り返すうちに、奥村選手の言語化に対する意識も変わってきたという。
「最初のうちは、感覚で物を話したりとか、説明ができないことも多かったのですが、文章化することを続けているうちに、たとえば先に結論から物事を話したりできるようになってきました」
インタビューの中で、リフレクションにコメントをくれるコーチや人財開発のスタッフに、何度も「本当にありがたいです」と感謝を述べていた奥村選手が印象的だった。
奥村選手は勝ち試合の「若獅子インタビュー」しか経験がないが、負けた試合でもマイクを向けられる「若獅子リフレクション」についてはどう考えているのか。
「経験する場を設けてくれているということが、すごく大きいなと思います。そういうのも自分のなかでチャンスだと思ってやるのか、それともただ何となくそういうインタビューを受けるのかは、また違うので。人財開発が行うマインドセットセミナーのなかでは、『可能性思考』と言われているのですが、何事もチャンスだと思って、その時間を過ごそう、と。それがライオンズの中で言われていることなんです」
人財開発担当が選手のマインドセットを助けていると聞いてはいたが、およそ半年でそれらの考えが選手単位で根付いているのを感じた。そこに驚いていると、球団が思考法や考え方についてセミナーを開いてくれるのだと奥村選手が教えてくれた。考え方もマインドセットの方法も入団してからずいぶん変わったことを自覚しているのだという。
球団の育成プログラムを素直に取り入れ、真面目に取り組み、自分の進化を喜び、与えられる環境に感謝する奥村選手。このインタビューの数日後に支配下登録のニュースが舞い込んだが、奥村選手の魅力が今後パーソル パ・リーグTVを通じて全国に伝わることを、筆者は嬉しく思った。
いきなり飛び込んできたチャンス、ぜひものにしていただきたい。もしうまくいかないことがあっても、振り返ることの大切さが身についた奥村選手は、立ち止まることはないだろう。
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