【日本選手権】福島千里アンバサダーへのインタビュー~五輪イヤーの重圧や福島的見どころなど~
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パリオリンピックへの切符と日本一をかけた真剣勝負を会場で見よう!
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大会アンバサダー、頑張ります!
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「ビッグスワン=記録が出やすい」というイメージ
日本では珍しい地下通路も
あと、特徴的なのは、ウォーミングアップを行うサブトラックからメインスタジアムまでが地下通路で繋がっているところ。こういう構造のスタジアムは、海外にはあるのですが、国内では、もしかしたら唯一かもしれません。少なくとも、私が行ったことのある競技場では新潟のみで、初めて通ったときには、「珍しいなあ」と、すごく驚いた記憶が残っています。ただ、この通路を利用できるのは、出場する選手だけになりますから、観客の皆さんには想像していただくしかないですね。日本陸連メディアチームに、SNSでのレポートを提案しましょう!(笑)。
五輪イヤーの日本選手権
“即時内定”には特別な気持ちよさがある
オリンピックに向けてという点では、どの選手も、少しでも早く内定を得て、本番に照準を合わせたいという思いが強いはず。今回の場合だと、すでに参加標準記録を突破している選手の場合は、日本選手権で優勝すれば、その瞬間に代表に内定します。上位の結果を残して、いわゆる“当確”状態であれば、数日後(第1次内定選手発表)、待ったとしても1週間くらい(第2次内定選手発表)で代表入りは決まるわけですが、“日本選手権で即時内定”という状態は、選手にとっては、すごく気持ちのいい(笑)ことなんですよね。誰が見ても「100%、決まり!」って、はっきりとわかることなので。
100mで喩えるなら、“ゴールがスタート”といえばよいのでしょうか。日本選手権で1番にゴールすることは、そのまま世界大会のスタートラインに立てることに繋がっている…そういう気持ちよさというのは、標準記録をクリアして日本選手権に勝つという、その瞬間にしか味わえないことなんですね。それは、代表選考会ならではの特別なシーンだなと思います。
そこを突破しないと、世界への挑戦も始まらないわけだから、もちろんプレッシャーはあると思います。ある意味、日本選手権はすごく緊張するし、良くも悪くもストレスのかかる試合かもしれませんね。世界大会はもう「やることをやって、あとは戦うだけ」なので。もちろんそこが一番シビアな舞台ではあるけれど、まずは代表入りというところで、日本選手権は、その関門。選手にとっては緊張感もプレッシャーも大きな大会といえます。
「記録も、順位も」は、すごく大変
でも、最後の最後までチャレンジしてほしい
実は、私自身も、標準記録をクリアしていない状態で日本選手権に臨んだことは何度かあるんです。そのときは、標準記録の突破を考えると、「決勝はどんな条件になるかわからないから、予選から行かなきゃ!」という気持ちでしたね。記録を狙っていた決勝が、思いきり向かい風とかになっちゃって、「ああ、予選で頑張っておけばよかった」と後悔しないようにするためには、予選・決勝、あるいは予選・準決・決勝と、すべてのラウンドを全力で走ったとしても、3位以内とか優勝とかを勝ちとれるような準備が必要だと思っていました。
当時は、まだワールドランキングが採用されていなかったので、今の選手が置かれている状況は、また少し違っているのかもしれません。でも、ワールドランキングの順位を狙っていく場合でも、そこは同じことのように思います。高いポイントを得られる記録(結果)が1本で多く必要なので、記録も順位も求められるラインにいる選手たちは、すごく大変。だけど、ぜひ最後の最後までチャレンジしてほしいですね。もちろん戦略とか戦術、ライバルの存在など、自分の置かれている状況によって全然違ってくると思いますし、そもそも短いインターバルのなかで、そう何本も高い出力を望めるわけではないことはわかっているけれど、ラウンドのある種目では、予選から攻めたパフォーマンスを見せてほしい。それができるような準備をしてきてほしいですね。
“福島的”気になる種目や選手、勝負は?
新潟で行われる実施種目においては、現時点で、昨年のブダペスト世界選手権で金メダリストとなった女子やり投の北口榛花選手(JAL)のほか、世界選手権に入賞して今年に入って参加標準記録を突破した男子110mハードルの泉谷駿介選手(住友電工)、男子3000m障害物の三浦龍司選手(SUBARU)、女子5000mの田中希実選手(New Balance)、男子100mのサニブラウンアブデルハキーム選手(東レ)の全5名が、すでにパリオリンピックの代表内定を決めています。
◎世界で活躍するアスリートを見る貴重な機会!
北口選手は、昨年からダイヤモンドリーグや世界選手権も含めて連勝中。そのこと自体がもう、ものすごいことですよね!北口選手は、海外転戦の数が増えていますから、彼女の“世界一の投げ”が見られるのは、とても貴重な機会ということができます。
5000mで内定を得ている田中選手は、その5000mも含めて、800m、1500mの3種目にエントリー。「4日間で、この3種目!」と考えただけで気が遠くなりそうですが(笑)、全部に出場するのか種目を絞るのかは、パリを見据えた戦略のなかで決めてくることになるでしょう。その点も含めた動向が気になるところです。
◎残り2枠となった種目は大激戦必至!
サニブラウン選手、泉谷選手、三浦選手が出場しなくても、日本選手権がその年の“日本一”を決まる場であることには変わりはありません。100m、110mハードル、3000m障害物の各種目は、チャンピオンの有力候補であったこの3選手が不在となることで、勝負の行方が一段とわかりづらくなりました。代表枠の1つが埋まったことで、残る2枠を巡る戦いは一段と熾烈になるはずですし、選考要項( https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202309/21_112524.pdf )を見るとわかるように、日本選手権で3位以内の成績を残すことは、五輪代表入りに向けて、非常に重要な条件となっています。そういう意味では、このところ毎年優勝者が変わっている男子100mも、泉谷選手のほかに参加標準記録突破者が複数いる男子110mハードルも、大激戦になりそうですよね。「いったい誰が勝つんだろう?」とワクワクしています。
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日本選手権の表彰台に立つことが世界で戦うための土俵に上がることを意味するという点では、3人の選手が参加標準記録をクリアしている男子400mハードルも、すごく面白そうです。個人的には、豊田兼選手(慶應義塾大)がレベルの高い400mハードルと110mハードルの両方に出てくるのかにも興味を持っています。このほか、2選手が参加標準記録を突破している男子400mも、激戦になりそうですよね。
◎さまざまな女子種目に五輪出場の可能性が広がった
女子では、一気に全体のレベルが上がって12秒台で上位が競り合いそうな100mハードルや、昨年、6m97という世界水準の日本記録をマークした秦澄美鈴選手(住友電工)がエントリーする走幅跳、前回大会で女子MVPとなった森本麻里子選手(オリコ)が出場する三段跳などは、記録への期待も大きい種目です。また、参加標準記録のクリアがなかなか難しい状況にあった走高跳や棒高跳でも、髙橋渚選手(センコー)や諸田美咲選手(アットホーム)がワールドランキングによる五輪出場が見えてきています。特に女子フィールド種目は、もともと参加標準記録の水準が高かったこともあり、オリンピック出場を果たすことが難しい状況が長く続いていましたが、ワールドランキング制度ができて以降、うまくポイントを積み重ねてアベレージを上げていくことで、圏内に入る選手が増えています。それは海外転戦ができるような環境とか、理解のある所属先とかが整ってきたからこそ可能になったといえると思うんです。そんな積み重ねによって、女子選手にチャンスの幅が広がっているのは、本当に喜ばしいことだなと嬉しく思っています。
◎地元の応援を背に、飛躍してほしい新潟の選手たち
開催地の新潟に縁のある選手は、地元ならではの声援を受けることで、いつも以上の、自身も想像していないようなパフォーマンスが出るのではないかと期待しています。新潟での開催ということで、会場のビッグスワンを拠点としているサトウ食品新潟アルビレックスRCをはじめとして、大学からのエントリーもあるはず。また、ほかの都道府県に所属していても、新潟出身の選手も少なからずいると思います。地元で日本選手権が行われ、しかもそれがオリンピックイヤーで、4年に1度の代表選考会を兼ねて開催される大会であるというのは、競技をやっている間に巡りあう機会はそう多くないと思います。このチャンスを生かして、ビッグパフォーマンスをつなげてほしいですね。
◎年代の枠を超えて繰り広げられる日本一争い
日本選手権では、若い選手からベテランと呼ばれる選手まで、年代を問わずに戦う場でもあります。今年の場合は、男女800mで、高校生アスリートの躍進が目を引いていますよね。高校生チャンピオンは誕生するのかということや、春先からの勢いに乗ってU20日本記録や高校記録の更新、さらには日本記録に届くようなレースを見せてくれるかという点にも期待が高まります。その一方で、長く競技を続けてきた身としては、年長者の選手たちに思いが寄ってしまいがち(笑)。ぜひ日本選手権にぴったりとピークを合わせてきてほしいなとも願っています。若い選手の怖い物知らずの勢いとベテランならではの調整力が激突するなかで、どんな勝負が繰り広げられるかも見どころになりそうです。
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会場に響く声援は、選手の大きな力となる
リアルだからこそ味わえる空気を知ってほしい
観客の方々にとっては、そうした選手の緊張感も含めて、競技の迫力や、音、風、そのときの空気というのは、会場にいて、リアルだからこそ知ることができるものだと思います。だからこそ、ぜひ、会場に来ていただきたい。そして、その特別な瞬間を、選手と一緒に味わっていただけたら嬉しいですね。(談)
取材・構成:児玉育美(日本陸連メディアチーム)
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今後も、エントリー情報やタイムテーブル等を更新していくので要チェックです!
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既にパリ五輪への切符を掴んでいる
北口榛花 (JAL)・田中希実 (New Balance)
三浦龍司 (SUBARU)・サニブラウンアブデルハキーム (東レ)
日本選手権優勝でパリへの切符を掴む
佐藤拳太郎 (富士通)・村竹ラシッド (JAL)
秦澄美鈴 (住友電工)・橋岡優輝 (富士通)・豊田兼 (慶應義塾大)
それぞれの思いが新潟で交錯する
まさに「運命をかけた決戦」
舞台は、新潟・デンカビッグスワンスタジアム
6月27日、開幕
パリオリンピック 代表選考について
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