1300mに生まれ変わった一戦も“ゴリマッチョ”に注目?/佐賀がばいスプリントデータ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2023年佐賀がばいダッシュ優勝スーパースナッズ 【撮影:佐賀県競馬組合】

昨年まで佐賀がばいダッシュというレース名でワンターン900mで行われていたが、今年からは「がばい」という名称を引き継いで、1300mに一新。それに伴い、レース名も「佐賀がばいスプリント」と変えて、装い新たに短距離重賞が行われる。
ここでは同時期に実施されてきた佐賀がばいダッシュ(2019年創設)の過去5年のデータや、同舞台の佐賀ダート1300mの直近3年(2021年6月12日~2024年6月11日)のデータを元に分析する。

佐賀がばいダッシュでは上位人気が高い信頼度

まずは同時期に施行されていた佐賀がばいダッシュの単勝人気別成績から見てみよう。2019年に創設されてから昨年までの5回すべてにおいて単勝3番人気以内の馬が勝利と、人気上位馬に信頼の置ける一戦だった。2着も同様だが、3着になると傾向は一変し、5回すべてで単勝5番人気以下の馬だった。連勝系なら上位人気で、3連系を狙うなら人気薄まで手広く、というのが佐賀がばいダッシュの傾向だろう。
ただ、今年から佐賀がばいスプリントに変わり、距離が900mから1300mに延びる分、傾向に変化もあるかもしれない。

単勝人気別成績 【表1】

佐賀がばいダッシュでは逃げ馬が圧倒的有利

同様に佐賀がばいダッシュの脚質別成績を見ると、逃げ馬が3勝を挙げ、3着内率100%。先行馬も3着内率45.5%で、900mのワンターンでは逃げ・先行馬が圧倒的に有利だったことが分かる。

脚質別成績 【表2】

では、1300mに生まれ変わった今年はどうなるのか。同舞台の佐賀ダート1300mの直近3年の脚質別成績を見ると、900m戦ほどではないにせよ、逃げ・先行馬が有利。その一因はコース形態にあり、スタートから最初のコーナーまでの距離が短いため、ダッシュを利かせていい位置を取れる馬が有利に運べるのだろう。

脚質別成績 【表2-1】

佐賀競馬場 【コース図】

細マッチョよりゴリマッチョ

続いては馬体重別の成績。下表は900mで行われた佐賀がばいダッシュの過去5回分の成績で、500kg以上の馬格のある馬が5勝を挙げていた。たとえるなら、細マッチョよりゴリマッチョタイプの方がいい、ということだろう。

馬体重別成績 【表3】

では、1300mに距離延長となる今年の佐賀がばいスプリントではどうか。ワンターンかコーナー4回か、コース形態は変わるが、同じく短距離に分類されるとあってか、最も好成績を収めるのは500kg~550kg未満で同じゾーンだった。

馬体重別成績 【表3-1】

相性のいい種牡馬は?

馬体重に影響を与える要因として、種牡馬の存在が一つにあるだろう。そこで、佐賀ダート1300mでの種牡馬別成績を見てみると、下記の通り。いずれも自身が500kg超えだったホッコータルマエ、ルーラーシップ、ストロングリターンなどが上位を占めた。

種牡馬別成績 【表4】

内枠はやや不利か

今回の舞台となる佐賀ダート1300mは先に述べた通り、最初のコーナーまでが短いコース形態。そこで、馬番別成績を見ると、内枠の成績が芳しくない。好スタートからダッシュがつけばいいポジションを取れるが、そうでなければ位置取りが後手に回るリスクがある枠だと言える。好成績は4~5番より外枠と言えそうだ。

馬番別成績 【表5】

データからの推奨馬は?

①逃げ・先行馬
 (3着には差し馬も狙える)
②500kg以上の馬
③ルーラーシップ産駒
④できれば4番より外の枠

テイエムフェローはJRA2勝クラスから移籍し、佐賀で6戦してオール3着以内。前走・佐賀スプリングカップではダッシュをつけて先手を取ると、押し切って重賞初制覇を飾った。出走馬の中では実績上位で、前走1800mから距離短縮とはなるがダッシュをつけて先行できる点もこの舞台に合いそう。①②④に当てはまる。

アイリッシュセンスも重賞・九州クラウン(ダート1400m)で2着など実績のある馬。前走ではJRA時代に重賞5勝の実績のあるテイエムサウスダンに勝っており、好位または中団からの差しが期待される。レースによっては②に該当し、④にも当てはまる。

フェブキラナは逃げ候補の1頭。3連勝を遂げた近3走からはやや相手関係が強力にはなるが、コース形態を味方につけられる可能性も。①④に該当。

③からはナンヨープランタンが該当で、JRA3勝クラスから移籍3戦目を迎える。

第1回佐賀がばいスプリント 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日や週末は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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