「石森選手に勝って優勝トロフィーを獲ったら、誰もぐうの音も出ない、なんの文句も出ない状態でしょうね」6.9大阪城の『SUPER Jr.』決勝戦目前、エル・デスペラード選手に直撃ロングインタビュー!

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【新日本プロレスリング株式会社】

いよいよ待ったなし!『レック Presents DOMINION 6.9 in OSAKA-JO HALL ~BEST OF THE SUPER Jr.31 決勝戦~』6月9日 (日) 大阪・大阪城ホール大会。

『SUPER Jr.』の決勝戦に足を踏み進めたエル・デスペラード選手に、ファイナルを前に直撃インタビュー!

撮影/タイコウクニヨシ

■『レック Presents DOMINION 6.9 in OSAKA-JO HALL ~BEST OF THE SUPER Jr.31 決勝戦~』
・6月9日 (日) 14:30開場16:00開始
大阪・大阪城ホール
※ロイヤルシート、1階アリーナは残りわずか。1階ひな壇は完売しました。

※リンク先は外部サイトの場合があります

■「プレッシャーを感じるか?」って聞かれて、「感じない」って言ったらウソになるけど、逆に言えばセミとメインの試合って、俺の感覚としては“手が狭まる”んですよ

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――デスペラード選手、今年の『SUPER Jr.』も残すところ決勝戦だけになりましたが、ここまでを振り返ってみてどんな大会でしたか?
 
デスペラード 単純にセミとメインの数が多かったですね。何年か前から、(高橋)ヒロムか俺のどっちかがメインに立ってることが多くて、それはありがたいし、俺がベルトを持っていた時には「全戦メインイベントのつもりでやる。全部メインで組め」って言ってたから、その時は覚悟していたんですよ。でも、今回フタを開けてみたら、公式戦があった日の大会でセミとメインじゃなかったのが1試合だけっていうのがなかなか。

――それはかなりの数でしたね。

デスペラード 「プレッシャーを感じるか?」って聞かれて、「感じない」って言ったらウソになるけど、逆に言えばセミとメインの試合って、俺の感覚としては“手が狭まる”んですよ。セミやメインでやるべきではないってことが必ず出てくるんですよね。セミだったらまだ許されるけど、メインではやらなくていいだろうっていうことが俺の中にはあるから、セミとメインが多いってことはある種大変ではありました。

――その影響ももちろんあると思うんですけど、今回はファンの方々のデスペラード選手への期待感が、過去最大に出ていた印象があります。それは感じていましたか?

デスペラード やっぱりリングに上がって声援を受けて闘っている人間ですから、そこは敏感に感じていますけど、もともと天邪鬼なんでね。たくさんの人に応援されているから嬉しいっていう気持ちはもちろん否定しないけど、「人は人」っていう感じがあって難しいところですよね。

――なるほど。

デスペラード 日付の話になっちゃうと、今日はDOUKIと準決勝をやった直後なんだけど(※取材は準決勝の翌日の6月4日)、俺とDOUKIの関係性で言ったら、お客さんが求めるものはDOUKIが俺に勝つことなんですよね。俺もまだ『SUPER Jr.』を制覇していないけど、お客さんも新しいものを見たいという気持ちがある。

キャリアとか年齢とか言うのは好きじゃないから本当は言いたくないんだけど、彼は俺の後輩に当たる位置にいて、俺との関係性があって、ここでDOUKIが俺のことを食って決勝に出たら、それだけでドラマになるじゃないですか? 

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一方でエル・デスペラードという人間の『SUPER Jr.』っていう大会に対しての物語というかドラマもあって、それはここで負けるわけにはいかないんですよ。でも、俺はプロレスを見て楽しむ側の人間でもあるから、ここでDOUKIが勝ったら面白いよなっていうのはありましたね。

――複雑な背景が頭の中で描かれていた闘いだったんですね。

デスペラード ただ、お互いにやることは一緒ですから。俺が勝ちを譲るなんてことは100%ないわけで、そんなことをしたらDOUKIも見ている人も誰も幸せにならない。俺自身も幸せにならないし、譲られた勝ちなんてクソみたいなもんだから。

■ウソをつく気はなかったとしても優勝してなければ、それはウソをついているのと一緒ですからね。だから、「優勝する」って言っているのにしなかったら、それはウソです。

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――それでいよいよ決勝まで来たわけですけど、デスペラード選手はIWGPジュニアのベルトを獲った実績もある。でも、『SUPER Jr.』では優勝したことがないと。タイトルマッチとは違う部分があるのかなと思うんですけど、どういう大会だと捉えていますか?

デスペラード 年に1回しかなくて、ジュニアが1年の中で唯一輝ける大会かな? ヘビー級っていうのは『G1』が年間最大のシリーズになっていて、『NEW JAPAN CUP』もある。タイトルの数からして、どうしたっていろんなストーリーラインができるのがヘビー級なんですよ。

ジュニアはベルトがシングルとタッグの2つしかないし、触れるとしたらNEVER無差別級っていうのがあるけど、後はジュニアタッグのシリーズですよね。でも、結局、公式戦以外は6人タッグ、8人タッグが普通ですから。いい悪いの話ではないんだけど、ジュニアにとって『SUPER Jr.』っていうのは凄く特別なシリーズですね。

――デスペラード選手は他団体の選手とも積極的に闘っていますけど、そういう機会が多いのも『SUPER Jr.』ならではのことですよね。

デスペラード そうですね。今回、田口(隆祐)選手が事故に遭ってしまったので、俺は触れなかったけど、急遽という形でドラゴン・ダイヤ選手が出てくれた。特にドラゴンゲートの選手っていうのは、外との交流がほぼない状態なので、いきなり新日本にボンと乗り込んできてくださったのが非常に嬉しかったし、是非触りたかったなというのが正直なところですけどね。

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――それから凄く印象的だったマイクの1つで、5.15上越大会のメイン後に「これ以上、ウソをつきたくない」っておっしゃったじゃないですか? 何度も優勝するって言っている中で優勝できない。それはウソを言っていることになると。

デスペラード なりますよね。自分にハッパをかける、ケツを叩くという意味で「優勝する、優勝する」ってみんな言うんですけど、できなかった時の悔しさも凄いし、言っておきながらやっぱりまたできなかったというのは、俺からしたら“口だけ”になるんですよ。ウソをつく気はなかったとしても優勝してなければ、それはウソをついているのと一緒ですからね。だから、「優勝する」って言っているのにしなかったら、それはウソです。

――人によっては、結果的に優勝できなかったからと言って、ウソではないでしょうって捉える人もいると思うんですけど。

デスペラード それは受け取り方次第じゃないですか? 肯定的に受け止めてくれるファンの方々っていうのはフォローしてくれると思うんですけど、俺自身は自分で自分をフォローするつもりはないですからね。

――いつぐらいから「俺はウソをついている」って思い始めたんですか?

デスペラード ヒロムの3連覇を止められなかった時ですね。あの時が一番自分にガッカリしているんじゃないですか? ヒロムが3連覇したことで、今後、誰もヒロムに優勝を期待しなくなるんですよ。あれは100%、俺自身のための発言でしたけど、あとになって気づいたら俺が優勝するべきだったのは、高橋ヒロムのためでもあったなと、俺は勝手に言っています。アイツに言わせたら、「ふざけんな」って言うだろうし、アイツのファンの人も「ふざけんな」って叩いてくれていいです。これは俺の独りよがりだから。

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――今回は決勝戦まで来ましたけど、ここで勝たなければまたウソになってしまいますね。

デスペラード なりますね。これ以上同じウソを重ねたら、来年からは「優勝する」って言わなくなるんで、「とりあえず出ます」ぐらいになるでしょうね。モチベーションはなくなるだろうし、それが自分に飽きるっていうことだと思います。自分に期待しなくなったら、それは自分に飽きているのと一緒ですからね。

――「優勝する」と言えない状態で『SUPER Jr.』に出るっていうのは、モチベーション的にも厳しさそうですね。

デスペラード ハッキリ言って出る必要がないんですよ。そのモチベーションはないんだから。そうなると、自分はもう無理なんで、それこそよその団体の活きのいい人を見つけてもらって、「貸してくれませんか?」ってお願いする枠になるんじゃないですか? (獣神サンダー・)ライガーさんが以前、『SUPER Jr.』に出なくなった時に言ったのが、そうだったじゃないですか。「何年、俺は優勝戦線に残ってないんだ。そんなヤツが出るもんじゃないよ」って言ったのがあの人だったから、やっぱりあの人の覚悟は凄かったですよ。

――今になって、そのライガーさんの言葉の重みを実感しているということですか?

デスペラード そうですね。だって、『SUPER Jr.』はいい試合することは当たり前の状態だし、それだけ求められるものが凄く高いシリーズですからね。ベルトを獲ったことが1〜2回あるとかそういうことじゃなくて、そこに気づくヤツは早い段階で気づくし、気づかないヤツは何年出ていても気づかない。俺はラッキーなことに、いろんなことを教えてくれる人が何人も近くにいたので気づけましたけど、いい試合するのは最低条件。それが『SUPER Jr.』なんです。

■俺はプロレスラーとしてプロレスの技術を凄く追求したいんですよ。誰とやっても凄いものができる技術が欲しいんです。

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――先ほども出ましたけど、デスペラード選手は「飽きる」っていうワードを以前インタビューさせていただいた時にもおっしゃっていました。それは新日本が鎖国というか、他団体と交流をあまりしていない時期だったんですけど、いろんな刺激がないと、今の新日本ジュニアに飽きちまうとおっしゃっていたんですね。

デスペラード 飽きちゃいますよ。まあ、その頃のことはあまり憶えてないし、自分に何を求められていたかもわからないけど、5人しかいないところで10試合やったって、パターンとしては2周ぐらいする。お互いの手、お互いのタイミング、呼吸、何を考えているか、これが来るんだったらこう返そうとか、そのパターンがもの凄く増えると思う。

だから、それが続けばもの凄いクォリティのものができあがっていくんですよ。それも凄いことかもしれないけど、同じ形のブロックが何個もあるだけなんで、組み方を変えているだけだから、そりゃ飽きるよって。俺はプロレスラーとしてプロレスの技術を凄く追求したいんですよ。誰とやっても凄いものができる技術が欲しいんです。だから、いつまで経っても同じヤツとやっているっていうのは、俺自身がどこかで壊れると思います。

――その部分は、ファンはパッと見てもわからないですからね。

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デスペラード だからよく言われるのが、「またヒロムとデスペラードか」って。いろんなところで言われるけど、この間の東京ドームのシングルも実際は1年半ぶりだったんですよ。その間にお互いにいろんなヤツとやってきているはずなんですけどね。逆に言えば、俺とヒロム以外のヤツらの味が薄すぎる。

――薄すぎる、ですか。

デスペラード だからみんなの印象に残っていない。それは俺とお前らは違うよなっていう部分もずっと感じていますけどね。ヒロムも1人であれだけのストーリーを作って、練り上げられちゃう。彼の中には高橋ヒロムっていうストーリーがあるんです。

俺は相手の中に俺との関係性を見つけて、そこでどう闘っていくかを作っていくタイプなんですよ。だから、お互いに両極端なストーリーテーリングができる人間なんですけど、なんか自己完結してしまっている世界の人たちが多いし、そういう人たちは突いても突いても同じ味しか出てこなくなっちゃう。

――そこに気づけないのは、他の世界を知らないっていうのも大きいですか?

デスペラード いや、外から来ていても気づいていない人もいる。センスっていう言葉は大嫌いなんですけど、センスがある人っていうのは普通の人が10分かかるものを3分で描ける。センスがある人は速いし、センスがない人は時間がかかるんですよ。でも、同じものに到達することはできるって思っているから、センスっていう言葉は使わないけど、ここで言うと多分感性っていうことになるんですよね。どう感じるかだと思うし、「なんで違うんだろう?」って、そこから探求しないことが俺は不思議でしょうがない。

――デスペラード選手はその感性が昔からあったということですか?

デスペラード 昔からあったら、俺はこんなに時間かかってないんですよ。だからと言って、あの時はキツかった、苦しかったって言って、不幸自慢するのは単純にダサいし、あの時期は俺にとって必要なことだったと思っています。その時期があったからいろんな人に教えてもらって、いろんなことに気づけたし、今こうやって3回目の『SUPER Jr.』の決勝に上がれて、ようやく優勝するしかないって状況まで来ることができた。

時間はかかっていますけど、必要な時間だったんです。プロレスなんてしんどい思いをするのは当たり前じゃないですか? だって、入門した次の日にはスクワット1000回しているんですよ? つらいのは当たり前。

――その現状に満足しない考え方は、昔からですか? 

デスペラード 俺は同じ漫画でも何周でも読むし、同じアルバムを1日に何周でも聴く。でも、確かに飽きやすい人間ではあるっちゃあるし、新しいものを追いかけ続けるっていうのは昔からですね。だから、新日本に所属していて、「ここでプロレスをやっているから満足じゃん」みたいな人はそれでいいじゃないですかっていう感じだけど、ここにいてプロレスが上手くなれるんだったら、みんな達人のはずなんですよ。

――なるほど。

デスペラード だけど、事実として俺は、新日本で教わったことより、金丸(義信)選手と一緒にやってからの方が成長曲線は高いって思っています。角度はついています。それはなんでかって言ったら、プロレスの形って何通りもあって、誰がどのパターンにハマるかわからないじゃないですか? 

ストロングスタイルっていう単語1つとったって、お客さんが思うものと、プロレスラーが思うものと、本質を知っている人とで、みんな多分違うと思いますよ。だからって、俺はストロングスタイルの本質を知っているわけじゃない。でも、俺は俺の思うストロングスタイルはありますけどね。

■(石森は)自分で目指していたトロフィーを壊してみたりとか、話題の作り方がよくわからない。本当にあれが欲しいんだったら、そんな扱いはしないはず。

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――さて、決勝戦の話になりますけど、対戦相手となった石森(太二)選手。今さら聞くのもなんですけどどんな選手ですか?

デスペラード リング上のパフォーマンスに関しては、比類なきものっていう感じですね。リング上で自分の体1つで行えるパフォーマンスに関しては、地球上でもトップクラスだと思います。

――それは今も昔も変わらず、ですか?

デスペラード そうですね。だって、単純にコンディションがめっちゃいいじゃないですか。

――素晴らしいコンディションを保っていますよね。ただ、今回、並々ならぬ思いで臨む決勝戦というシチュエーションで、相手が石森選手っていうのはどうですか?

デスペラード 誰が決勝戦に上がってきても優勝は優勝だし、文句なんか絶対に言わせませんけど、実際に今回、石森選手に勝って優勝トロフィーを獲ったら、誰もぐうの音も出ない、なんの文句も出ない状態でしょうね。

――それぐらい手強い相手だということですね。

デスペラード でも、あの人はコメントで自分のストーリーを作り上げられない人だし、前日会見で自分で目指していたトロフィーを壊してみたりとか、話題の作り方がよくわからない。本当にあれが欲しいんだったら、そんな扱いはしないはず。

――前日記者会見でそういったくだりがありましたね。

デスペラード  SHOに関してはバカだし、「これ俺の」って言ってたら落としたっていう感じだったんで、お前は小学生かとしか思わなかったですけど、本当に目指しているんだったら、落とすはずはないんですよ。だから、あの人は絶対に目指していない。それでインタビューとか普段は全然読まないけど、石森選手に名前を出されていたから読んだんですよ。

そうしたら、「お前はまだ甘い。俺の方が苦労している」と。俺は苦労を売りにしたことはないし、「俺も22年のキャリアだし、そろそろ報われてもいいだろう」とも言っていたんですよ。だったらお前は本隊にいるべきなんだよ。そんな発言しやがって! なんだ、報われたいのか? 報われたいんだったら、なんでそんなとこにいるんだよ? なんで金玉蹴り上げてんだよ? バカじゃねえの…としか思わない。俺たちはNOAHでゴミを投げられているような時でも、報われたいなんて欠片も思ってなかったよ。お前はBULLET CLUBじゃないのかって。本当にわかんねえ。

■これからもジュニアっていうものは多分、続いていくと思うんですよ。その中で大阪城ホールのメインっていう実績があれば、ジュニアのブランドっていうのは強くなると思いますよ。

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――最近、石森選手は「神の恵み、グレイス」っていう言葉を頻繁に使っているじゃないですか? それについてはどう思われていますか?

デスペラード 彼の哲学だから、それに関しては俺は口を出すべきところじゃないですね。ただ、俺らがNOAHに上がっていた時はとにかく腰が悪そうで、動くたびにギックリ腰状態だったけど、今は動けるようになっているし、痛む場所がないんじゃないかな? まあ本人は言わないから多分ですけど、そういう意味では神からいいギフトをもらっているのかなと思いますけどね。

――ただ、神頼みで優勝できるなら、何回も優勝しているのではとは思います?

デスペラード そういう言葉尻を捕まえて、ギャンギャンいうつもりはないですね。誰も幸せにならない結末なので。だから、お前より苦労しているというマウントと、キャリアのマウントと、「報われてもいいだろう」っていう発言だけは許せなかったから言いました。

――なるほど。そして決勝戦は大阪城ホール大会のメインイベントになりました。5.18八王子大会での発表でしたね。

デスペラード なんで八王子だったのか? あの会場は明るくて、モニターがよく見えない。そういう会場の設備的にちょっと微妙なところで発表となったのは不思議だなと思ったけど、『SUPER Jr.』の決勝の会場の規模を落とすと、ジュニアのモチベーションが下がるんじゃないかって会社が考えてくれた結果、『DOMINION』にくっついたんじゃないかって気がしている。多分、どっか押さえられなかったんでしょう。

――ある面、会社が気を遣ってくれたと。

デスペラード だって、いろんな箱があるし、昔で言えば仙台(サンプラザホール)とか、今回シリーズでやった代々木第二もあるし、名古屋とかが決勝でも良かったんだろうけど、だったら『DOMINION』が近いし、そこで決勝もやっちゃおうということでああなったんだろうなって思っています。でも、そこが決勝になると思っていなかったから、翌日の6月10日に興行を入れたという……(『DESPE-invitacional(デスペ・インビタショナル)』後楽園ホール)。マジで6月10日の興行は相棒に任せていて、1個も考えていない。決勝のことしか考えてないです。

でも、どんな興行であれ、IWGP世界ヘビーのタイトルマッチがメインでいいと思っているんですよ。新日本で一番歴史のあるベルトで、それを柱にやっているんだったらそれでいいじゃん。それをひっくり返さないとジュニアのモチベーションが上がらないっていう発想は、俺には今はないんですよ。それでも、『SUPER Jr.』しかないジュニア勢に対して会社が考えてくれた結果、大阪城ホールでメインになったんだと思いますよ。

――もちろん嬉しいというか、プラスの要素ですよね?

デスペラード まあネガティブになることはないですね。俺は会場も試合順も全然関係なくなっちゃった人間で、第0試合で決勝をやれって言われても、他のヤツらがかわいそうだなって思うぐらいのタイプになっちゃったんですけど、これからもジュニアっていうものは多分、続いていくと思うんですよ。その中で大阪城ホールのメインっていう実績があれば、ジュニアのブランドっていうのは強くなると思いますよ。

――そうなると、IWGP世界ヘビーの後に試合するっていうことになるんですけど、特別意識はないですか?

デスペラード 関係ないですね。世界ヘビーがセミで、俺がメインで試合となっても、できることは変わらないですからね。どんな状況であれ、俺ができることって、俺ができることでしかないんですよ。例えば富士山のテッペンでやりますって言われたら、酸素とかいろんな条件があってできないことが増えるっていうことなんですけど、大阪城ホールは普通の会場ですから。本当にどこでやっても変わんないです。新木場でやろうと、新宿FACEでやろうと、日本武道館でやろうと、両国国技館でやろうと、できることは変わんないです。全然大丈夫。

■今回の一番のモチベーションは優勝トロフィーを持って帰ることですし、その相手が石森選手だったら、これは誰が何を言ったって、「じゃあ、テメーが石森に勝ってみろ」っていう話なんで

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――ただ、『DOMINION』は年間の大会の中でもベスト3に入る大きな大会ですし、注目度も毎年高いです。そういう大会で、ご自身の優勝がかかった試合がメインイベントで組まれることになった。そのめぐり合わせについては、どう思われますか?

デスペラード 大阪ってとても縁があるんですよ。飯伏(幸太)選手が持っていたIWGPジュニアに初挑戦したのも大阪府立だったし(2014年2月11日)、IWGPジュニアを初戴冠したのも大阪城ホールで、ファンタズモ、BUSHI相手の3WAYだった(2021年2月28日)。で、そのメイン後に飯伏さんに喧嘩ふっかけて。

――旗揚げ記念日での初代IWGP世界ヘビー級王座決定戦に繋がったんですよね。

デスペラード まあ大きな大会が大阪でよくあるっていうのももちろんなんですけど、なんか面白い縁だなとは思っています。

――その縁のある場所で、今回は大きな自信を持って臨めるように感じます。

デスペラード そうですね。ただ、対戦相手でモチベーションが変わるっていうことはあります。下がるっていうことはないですけど、「コイツとか」っていうことで上がるものもありますし、初顔合わせだとこのシリーズで言えば、HAYATA選手とやるのに昼ご飯を食べて、味がしなかったのは久々でしたよ。全然食べる気がしなかった。

でも食べないと動けないから食べましたけど、全然身になっている感覚はなかったです。ただ、今回の一番のモチベーションは優勝トロフィーを持って帰ることですし、その相手が石森選手だったら、これは誰が何を言ったって、「じゃあ、テメーが石森に勝ってみろ」っていう話なんで。

――文句は言わせねえってことですね。

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――それから決勝とご自身の興行も控えている中で、先のことは考えられないと思いますけど、優勝したら当然タイトルマッチという話が出てくると思います。

デスペラード まあそうですよね。『SUPER Jr.』優勝者はベルトを保持しているのと同じくらい価値があると思っているし、ある種、一番挑戦権を持っている人間ではあると思っています。

――今のチャンピオンはSHO選手ですね。

デスペラード 俺が獲られちゃいましたからね。

――『SUPER Jr.』では後半に4連敗で、準決勝にも出られずでした。

デスペラード 失礼ながら、俺は別ブロックを見ている余裕はないんで見ていないんですけど、チャンピオンは狙われますよ。だって、公式戦で勝った人間は、全員エリミネーターマッチに勝っているのと一緒で、もう挑戦権があるわけですからね。だからその4人には挑戦権がある。俺が優勝して、まかり間違ってSHOに負けるようなことがあれば、その4人の誰かが次の挑戦者でしょう。ベルトを持っている時に決勝すら上がれないんですから、そういうもんです。

――チャンピオンなのにあまりにも負け過ぎじゃないかとか、ナメてんのかとかそういう気持ちはないですか?

デスペラード 全くないですよ。まあ、俺がベルトを持って優勝してたら、好き放題言いますけどね。

――わかりました。それでは決勝戦、期待しています!
(了)
■『レック Presents DOMINION 6.9 in OSAKA-JO HALL ~BEST OF THE SUPER Jr.31 決勝戦~』
・6月9日 (日) 14:30開場16:00開始
大阪・大阪城ホール
※ロイヤルシート、1階アリーナは残りわずか。1階ひな壇は完売しました。

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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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