【週刊グランドスラム252】3年間で都市対抗8勝のセガサミーが姿を消す
セガサミーは、昨年まで激戦区・東京を4年連続で勝ち抜き、今年は15回目の本大会出場を目指していた。対するHondaは、昨年まで南関東で7年連続の本大会出場を果たし、今季から東京へ引越しした。ともに昨年の東京ドームでは一回戦敗退だったが、全国でも実績は十分である。
都市対抗では、セガサミーが2020年からベスト4、ベスト4、ベスト8。Hondaは、2020年に3回目の黒獅子旗を手にしている。そんな強豪同士の激突は、負ければ“予選敗退”となってしまうことで、より注目度を高めていた。
この両チームの顔合わせで思い出されるのは、2020年の都市対抗準決勝だろう。タイブレークに突入した延長10回表、Hondaが佐藤竜彦の満塁本塁打で劇勝。初優勝に向けて快進撃を見せていたセガサミーにとっては、あと一歩で決勝進出を逃した悔しい記憶だ。一昨年の日本選手権関東最終予選の代表決定戦では、セガサミーが4対3で借りを返したものの、今季は東京スポニチ大会準決勝、東京都企業春季大会ともHondaが勝利している。セガサミーにとってのHondaは、まさに大きな壁と言わざるを得ない。
そうした因縁めいた対戦は、セガサミーが試合を動かす。2回裏、先頭の高島大輝が左中間へ二塁打を放つと、一死後に宮川和人もレフト線に弾き返す二塁打で1点を先制。Hondaの先発を担った片山皓心を早々に攻略したところまでは、セガサミーのペースだ。ところが、片山の連続四球で一死満塁とチャンスが広がるも、後続が凡退して追加点はならず。続く3回裏も四死球で無死一、二塁としたが、犠打失敗に三ゴロ併殺と攻め切れない。リードは奪ったものの、序盤は1点にとどまった。
荘司の快投でも勢いをつけられず
THINKフィットネス GOLD’S GYMベースボールクラブとの一回戦、そして、この試合にも敗れ、二次予選を未勝利のまま終えた西田真二監督は言う。
「やはり、本大会に出場しなければ意味がない。応援団を都市対抗の舞台(東京ドーム)に連れて行きたかった」
10年目を迎え、主将としてチームを支える宮川は「正直言って情けない。結果がすべてなので……。社員の方々、応援してくださる方々、さらに、チームの歴史と伝統を作ってきてくれた方々に対して、本当に申し訳ない」と悔しさを滲ませながら、こう言葉をつないだ。
「この負けの重み、重圧を選手それぞれが受け止め、ここからどう踏ん張ってやっていくか。一人ひとりが180度変わって、チームとして成長していかなければいけない」
あまりにも早過ぎた予選敗退。悔しい……その言葉だけでは表現し切れない表情を浮かべて大田スタジアムをあとにするセガサミーの選手たちを見て、あらためて都市対抗の二次予選を勝ち抜く難しさと厳しさを痛感した。
【取材・文=佐々木 亨】
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