今季2度目の「偉大なるダービー」。欧州目指すベティスに対し、低迷セビージャは意地を見せられるか

ラ・リーガ公式
チーム・協会

【(C)LaLiga】

セビージャの町を代表する2大クラブ、ベティスとセビージャは今季を通して対照的な1年を過ごしてきた。それでも両者が直接対峙する「エル・グラン・デルビー(偉大なるダービー)」に限っては、順位上の格差など意味を持たない。直近の3試合がいずれも引き分けに終わったように、両者の対戦はほぼ常に均衡した激戦となる。アンダルシアの州都において、両者のダービー以上に重要な試合は存在しない。ピッチであれスタンドであれ、両クラブに関わる人々はみな神経をすり減らし、闘志をむき出しにしながら、この特別な一戦を体感するのである。

マヌエル・ペジェグリーニ監督率いるベティスは一時4連敗を喫して来季のヨーロッパ行きが危ぶまれたものの、ここにきて2連勝と持ち直した。前節は敵地でバレンシアとの直接対決を制し、勝ち点48の7位に浮上したばかり。選手たちは心身ともに充実した状態で宿敵とのダービーを迎えようとしている。

対照的に、セビージャはシーズン序盤から長らく低迷。2度の監督交代を経た後も降格の危険性を拭えきれずにいた。それでもキケ・サンチェス・フローレス監督の就任後は少しずつ調子を上げ、前節マジョルカ戦では今季初の3連勝を達成。実質的に降格の恐怖から解放された今、ダービーでの勝利は今季残された最大の目標となる。

ベティスは前節、バレンシアとの直接対決を2ー1で制して7位に浮上。4連敗後の2連勝で復調を遂げた 【(C)LaLiga】

セビージャは前節、ユゼフ・エンネシリの2戦連続ゴールなどでマジョルカに2ー1で勝利。ここにきて今季初の3連勝を挙げた 【(C)LaLiga】

注目選手の一人はイスコ・アラルコン。昨季前半はセビージャに所属し、今季からベティスでプレーする彼にとって、このダービーは人一倍特別な一戦となる。怪我から回復し、トップフォームを取り戻した彼は前節バレンシア戦で際立った活躍を見せたばかりだ。レガテ(かわすドリブル)の成功回数はリーグ3位。マラガ時代から信頼関係を築いてきた指揮官の下、輝きを取り戻した背番号22は、今回のダービーでも圧倒的な存在感を放ち、ベティスの攻撃を牽引するはずだ。

一方、セビージャの最終ラインにはイスコのレアル・マドリー時代の同僚、セルヒオ・ラモスがいる。今季セビージャに復帰した38歳の大ベテランは前半戦のベティス戦を出番なしで終えており、今回出場すれば約19年ぶりのダービーとなる。最後にセビージャのユニフォームを着てベニト・ビジャマリンでプレーしたのは2005年5月のこと。この試合は0ー1で敗れており、今回勝てば19年越しに雪辱を果たすことになる。

【(C)LaLiga】

【(C)LaLiga】

両指揮官の対決にも注目したい。キケ監督にとってペジェグリーニ監督は、長い指導者キャリアにおいて最も多くの公式戦で対戦してきたライバルだ。ペジェグリーニ監督にとっても、キケ監督より多く対戦してきたのはウナイ・エメリ監督(19戦)しかいない。過去の戦績はチリ人監督が11勝2分4敗と上回っているが、エル・グラン・デルビーでの対戦は今回が初。どちらが有利と言うことはできない。

スペイン三大祭りの一つ、フェリア・デ・アブリルを終えたばかりのセビージャの町は、偉大なるダービーに向けて再びお祭りムードに包まれはじめている。シーズン終盤に迎えるダービーほど重要性の高い試合はない。ベティスはヨーロッパ行きをかけて、セビージャは苦しみ抜いた1年の最後に意地を見せるために、ベニト・ビジャマリンでの決戦に挑む。

昨年11月の対戦は1ー1のドロー。果たして今回はどのような結末を迎えるのか 【(C)LaLiga】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ラ・リーガ公式サイトです。最新ニュース、各クラブの情報やデータをご覧ください。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント