【記録と数字で楽しむセイコーGGP2024】男子200m:32歳・飯塚、25歳・上山、21歳・鵜澤が19秒台の海外勢に挑む

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【フォート・キシモト】

5月19日(日)に国立競技場で行われる「セイコーゴールデングランプリ陸上 2024 東京」。
現地観戦やTV観戦のお供に特に注目される種目について「記録と数字で楽しむGGP2024」をお届けする。
なお、原稿の締め切りの関係で、2024年シーズンの試合結果や情報は4月15日までに判明したものしか盛り込めていないことをお断りしておく。

・記録や情報は、4月15日判明分。
・年齢は、2024年5月19日現在のもの。
・文中、敬称略。

※リンク先は外部サイトの場合があります

【男子200m】32歳・飯塚、25歳・上山、21歳・鵜澤が19秒台の海外勢に挑む

2023年ブダペスト世界選手権代表の飯塚翔太(ミズノ/自己ベスト20秒11=2016年)、鵜澤飛羽(筑波大4年/20秒23=2023年)、上山紘輝(住友電工/20秒26=2022年)が出場。パリ五輪参加標準記録20秒16に挑む。

レースでの目標となる海外選手は、19秒台のR・メナ(キューバ/19秒63=2022年)とB・ロドニー(カナダ/19秒96=2016年)。

メナのベスト19秒63は世界歴代11位タイ、23年も19秒95で走っている。ただ、世界大会では、15年と19年の世界選手権での準決勝進出が最高成績にとどまっている。100mのベストは、9秒99(2022年)。174cmで、19秒80以内で走った歴代35人の中では、最も身長が低い。

ロドニーの19秒台は8年前の1回のみだが、2023年には20秒14と20秒15をマークしており、日本人選手にとってのいい相手になりそうだ。22年オレゴン世界選手権4×100mRで金メダル(37秒48)を獲得した時の3走を担当した。100mは10秒00(2023年)がベスト。190cmでニブラウンをガッチリさせたような体格だ。

200mの公認条件での19秒台は、世界歴代(24年4月15日現在)で103人が丁度500回マークしている。
100mの9秒台は、188人が1263回なので、200m19秒台の方が希少価値がある。アジアでは、F・オグノデ(カタール)の19秒97(2015年)が初19秒台で、それを破った謝震業(中国)の19秒88(2019年)の2回のみである。日本記録の20秒03(末續慎吾/2003年6月7日)は世界歴代116位タイでアジア歴代3位。2003年の世界3位で当時のアジア新記録、2003年末時点の世界歴代32位タイだった。まもなく「21歳」を迎えることになるが、五輪&世界選手権で実施される男女トラック種目の中では、男子400mH(47.89/為末大/2001年8月10日)についで長く残っている日本記録だ。2023年には、1991年から残っていた男子400mの日本記録が32年ぶりに破られた。200mもこれに続いてもらいたい。

100mと同じく、個人別10傑平均記録の日本歴代10傑を紹介する。
日本記録保持者の末續が10傑平均も自己10番目のタイムでも20年あまりトップの座を守っている。43歳になった23年も100m10秒81の走力を維持しているのは素晴らしい。
飯塚が19秒99で走れば、10傑平均で末續と肩を並べられる計算になるが、そのハードルは高い。21歳の鵜澤と25歳の上山は、これからどんどん平均値を上げていくことになるだろう。

<個人別10傑平均記録の日本歴代10傑(2024.04.15現在)>
・氏名の前の「*」は、非現役

【JAAF】

飯塚、鵜澤、上山の直接対決での対戦成績(決勝に限る)は、
飯塚vs鵜澤が、飯塚の1勝4敗。
飯塚vs上山が、4勝4敗。
鵜澤vs上山が、鵜澤の4勝2敗。

このところの対戦成績では、鵜澤に勢いがある。
2023年の静岡国際では、鵜澤は追風2.6mながら20秒10で走り、パリ五輪参加標準記録20秒16を上回るスピードを経験した。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)

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