30周年特別コラム vol.2「サンガキッズチアでの経験を次の世代へ」

京都サンガF.C.
チーム・協会
今年設立30周年を迎えた京都サンガF.C.は、設立以来「夢と感動を共有し、地域社会の発展に貢献する」というクラブ理念のもと活動し、試合の勝敗だけでなく、地域やサンガに関わる全ての方と共に「地域の誇りとなるクラブ」を目指してきました。
これからも地域の皆様とつながり、そして愛されるクラブになるよう、活動を続けていきます。

サンガキッズチアでの経験を次の世代へ

【ⒸKYOTO.P.S.】

 それは、幼い頃の自分が変わる後押しをしてくれたもの。仲間とのふれあい、パフォーマンスを成功させた達成感…様々な体験を通じて成長した大人の私が、今度は次の世代へバトンをつなぐための新しい一歩を踏み出す。
 守本優珠がチアリーディングと出会ったのは5歳のとき。友達が参加するチームの練習を見て、両親に「私もチアをやってみたい!」と話したのがきっかけだった。スポーツ好きで、京都パープルサンガ(現・京都サンガF.C.)の2003年元日の天皇杯優勝も現地観戦していた両親の勧めもあり、サンガが展開するキッズチアへ第一期生として通うことになった。

スクール時代(後列右から2人目) 【ⒸKYOTO.P.S.】

 当時は人見知りで、なかなか親から離れることができなかった。全員が初対面で、いろいろな年齢の子どもがいるサンガでも苦労したという。キッズチアの立ち上げから関わる柘植可奈子コーチは「最初はすごく大人しい女の子でした」と当時を振り返る。そして「次第にチアリーダーとしての自覚や責任感が出てきて、最後はサンガチアを代表する存在でした」と彼女の変化を教えてくれた。

スクール時代(最後列左から4人目) 【ⒸKYOTO.P.S.】

 守本も「少しずつ慣れていって、人見知りも無くなっていきました。最初は私が年下でお姉さんたちに憧れていたのが、だんだんと私がお姉さんになっていって、その立場で年下の子にどう接していけばいいのかも考えましたね」と自身の変化を実感する。
 様々な活動を通じて、今では人と接することが好きになった。友達も同世代だけでなく、年上や年下と幅広い年齢層がいる。「それもサンガのチアに通っていたからですよね」と笑顔で話している。

スクール時代(前列右端) 【ⒸKYOTO.P.S.】

 サンガのキッズチアは高校3年生までが対象で、守本は14年間通って、昨年3月に卒業した。進学した大学のチームで現役を続ける選択肢もあった中で、指導者としてチアリーディングに関わることを決めた。
 「サンガでコーチをやりたいと思いました。高校までに現役としてはやりきった感があったこと。そして、先輩たちが卒業後に指導者としてサンガに関わり続けていることへの憧れもありました」。

左から2人目 【ⒸKYOTO.P.S.】

 指導者として、今年で2年目を迎える。現役の頃も後輩を指導してきたが、コーチの立場となれば様々なものが変わってくる。「100人近くいる子どもたちの名前を覚えるのも大変ですが、一番苦労したのは年齢によって伝え方を変えることです。一番年下の5歳の子に、高校生と同じように接しても駄目ですよね。『小さい子には、どんな言葉を使ったらいいんだろう?』と悩みました」。
 指導者として試行錯誤の連続だが「練習で積み重ねてきたことが本番で成功したときの達成感など、裏で支える立場としてもチアの素晴らしさは感じています」という新たな気付きもあった。今年2月には国立競技場で行われたFUJIFILM SUPER CUP 2024で、Jリーグの各クラブのチアリーダーが集合するイベントにサンガの代表として参加した。「あの国立競技場の大観衆の前でパフォーマンスができたことは素晴らしい経験でした」と感動を口にしている。

前列左から5人目 【ⒸKYOTO.P.S.】

 そうした活動の原動力は、自分の経験を次世代へ継承したいという想いだ。小さい頃からいろいろなことをやってきた中で、チアリーダーだけは唯一続けられた。多くの人の前で踊ってキラキラする楽しさや魅力。そして仲間たちと過ごす、かけがえのない時間。「最初は親に勧められて入ってきた子が、少しずつチアを好きになっていくこともありました。サンガのキッズチアで学んだこと、経験したことを生かして、どんな場所でも輝いてほしいです」。
 柘植コーチも「サンガのチアはすごく恵まれた環境だと思います。Jリーグの舞台で、多くの人の前でパフォーマンスができる。そしてサポーターの皆さんは、いつも暖かく迎えてくれます。チアリーディングをする上で、『自分を表現する・伝える』ことはとても大切なことです。その伝え方を、どんな風に行うのか。わからないことを、わからないと言えるかどうか。それはチアを卒業してからも、様々な場所で活かせることだと考えています。」と話している。

写真中央 【ⒸKYOTO.P.S.】

 以前はサッカーにあまり興味が無かった守本だが、キッズチアを初めてからは自然と触れ合うことが増えて、今ではチアリーダーの立場を離れてもサンガを応援している。「5歳でチアに入ったときサンガはJ1でしたが、次の年(2010年)に降格したんです。そこから長くJ2で苦しい時期が続いて…でも私が卒業する前の年(2021年)にJ1昇格が決まったんです!最後の年は新しいサンガスタジアム by KYOCERAで、J1の試合でチアリーディングを披露することができたのは嬉しかったです」。
 試合前にチアリーディングのパフォーマンスがない日は、プライベートで亀岡へ足を運んでピッチで戦う選手たちに声援を送っている。「京都は観光都市として有名で多くの人が訪れますが、サンガをもっと多くの人に知ってもらいたいです。そしてまた、タイトルを獲って欲しいです」と両親が見た優勝の瞬間を、いつか自分も見てみたいという想いをチームに託している。「サンガが大好きなんです。練習場やスタジアムの雰囲気、チームの皆さんの仲の良さなど、このクラブの魅力がもっと多くの人に伝わって欲しいですね!」

写真中央 【ⒸKYOTO.P.S.】

 キッズチアのコーチとしてサンガとの関わりが深まったからこそ、このクラブへの想いを再認識した。これからも子どもたちの成長を裏で支えて、サンガファミリーの輪を広げていく。
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著者プロフィール

日本プロサッカーリーグに加盟するプロサッカークラブ、京都サンガF.C.の公式アカウントです。クラブの最新情報やイベント情報、オリジナルコンテンツなど、様々な情報をお届けします。

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