2008年以来のパラ自力出場を決めた! 車いすバスケットボール女子日本代表・最終予選の記憶
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残る4つの出場権を争う
予選グループの激闘の記録
チーム随一の安定したプレーで文字通りチームをけん引したキャプテンの北田 【photo by X-1】
日本は北田千尋(4.5)、網本麻里(4.5)、柳本あまね(2.5)、萩野真世(1.5)、財満いずみ(1.0)が先発。序盤、キャプテン北田のレイアップで勢いづくと、実力に勝るカナダを抑えリードを奪う。だが、強豪相手に力みもあったのかエース網本のフリースローが絶不調。なかなか得点を決められず、第1クォーターを13-21で終えた。その後、高さのあるカナダにリバウンドを取られるなどして差を縮められず、日本は初戦で黒星を喫した。
【予選リーグ第2戦】日本○ 55- 38フランス
「途中交代で入ったときは緊張したが、シュート時はリングだけを見ていつも通りに打てた」と江口。なかなかリードを広げられない、苦しい時間に若手がチームを救った 【photo by X-1】
バースデーゴールを決めた小島は「16歳初日に(国際公式戦で)初めての3ポイント、めちゃくちゃ嬉しかったです」 【photo by X-1】
予選最終戦の相手は、世界選手権(2023年6月/UAE)で勝利したスペイン。序盤は一進一退の攻防が続くが、ターンオーバーも出て日本は苦戦を強いられた。それでも、持ち味のディフェンスは機能。24-28で試合を折り返すが、第3クォーターは、柳本の3ポイントがネットを揺らしたものの、サイドから攻撃を仕かけた日本の柳本と萩野のシュートが決まらない。ゴール下で得点を重ねるスペインとの点差はじわじわと開いていった。
少ないチャンスもしっかり決めて存在感を示した土田真由美(4.0) 【photo by X-1】
勝つしかなかった決定戦
予選グループBを1勝2敗の3位で終えた日本は、グループA・2位で同じアジアオセアニアのオーストラリアと激突した。かつて強豪だったオーストラリアは世代交代の真っ最中。今年に入ってから日本は負けなしだが、最終予選を前に複数のベテラン選手が現役復帰し、不気味さを漂わせていた。
スタンドの声援が選手たちを勇気づけた 【photo by X-1】
日本のシュート成功率は26.4%と低調で大きな課題を残しながらも、全4戦で12人の選手全員が出場。目標としていた2大会連続のパラリンピック出場権を掴んだ瞬間、選手、スタッフ、観客は歓喜にわいた。
司令塔の役割も果たした柳本(右)は、パリ行を決めた後、涙を流した 【photo by X-1】
道は、パリへと続いた
大会途中から調子を上げたベテランの網本。「もう少し点がとれたかなと思う」と反省しつつ、最後まで目標達成への気持ちはブラさなかった 【photo by X-1】
「ロンドンを逃してから、すごく長い時間だった。もう途絶えないように、つなげていきたいと思います」
東京大会で銀メダルを獲得しながらも、1月のAOCで敗れてパラリンピック出場を逃した男子の分も……というプレッシャーも大きかったに違いない。
岩野博ヘッドコーチは「日本の車いすバスケットボール界のために、道を途絶えさせてはいけない責任も持ちながら準備をしてくれた」と選手たちをねぎらった。
「点が伸びていかないなかでもしっかりと我慢し、自分たちのバスケットができた」と岩野HC 【photo by X-1】
「今日みたいな試合をしていればパリでは、1勝もできずに終わる。(メダルという)目標に届くようにあがきたいので、できることはすべてやっていきたいと思います」
小さくとも世界一になれるのか。東京パラリンピック後にスタートしたチームの挑戦は、夏の本番へと続く。
text by Asuka Senaga
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※本記事はパラサポWEBに2024年4月に掲載されたものです。
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