【ラグビー/NTTリーグワン】あの“痛恨”は忘れない。 “何かを起こす男”が初勝利に導く<花園近鉄ライナーズ>
花園近鉄ライナーズ セル ホゼ選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が、4月21日のディビジョン1第14節でリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)を迎え撃つ。
入替戦回避の可能性が残るBR東京には順位でも勝利の数でも劣る花園Lだが、得点数とトライ数ではわずかながら優位に立つ。
前節は横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)相手に33対52で敗れたものの、チームにとっては今季の最多得点数。向井昭吾ヘッドコーチも「昨季のトップ4に対してあれだけの試合ができたことは自信を持っていい」と前向きだ。
未だ勝利がない花園Lだが、日本国籍を取得したフィジー生まれのナンバーエイトが、成長中のチームを支えている。26回のオフロードパスを成功させ、リーグ3位に食い込んでいるセル ホゼである。
197cm、112kgの巨躯でピッチを駆けるセルの右腕にはカタカナで妻と3人の子供の名前がタトゥーとして刻まれている。取材対応中、セルが「これを見てよ」と言わんばかりに自ら右手首のテーピングを外し、誇らしげに示したのが『TOKYO 2020』の文字とオリンピックシンボルだった。
2020年に日本国籍を取得し、2021年の東京五輪ではセブンズ(7人制ラグビー)日本代表としてプレー。フィジー生まれの選手らしい豪快なオフロードパスは、持って生まれたフィジカルの強さだけでなく、「15人制のラグビーに移るまでは、何年もセブンズでやっていました。スキルが上がったのはその経験ゆえです」と胸を張る。
「強いチームや世界的に有名な選手を相手にチャレンジすることには面白みを感じます」。そんな言葉にリアリティーをもたせるのが、今季奪った4つのトライの内訳だ。第7節・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦に続いて、東芝ブレイブルーパス東京を一時追い詰めた第8節でも2トライ。そして前節の横浜E戦でも1トライを記録した。
ただ、そんなセルが悔やむ一戦がある。1点差で競り負けた第10節・三重ホンダヒート戦の後半24分、ウィル・ゲニアの同点トライをお膳立てしたかに見えたが、右サイドを駆け上がったセルの足がタッチラインを踏んでいたとして、痛恨のトライ取り消しとなったのだ。
「エッジのスペースは少ないので難しいところでもあります。ただ、仲間をがっかりさせてしまいました」と悔しさを隠さないセルだが、「彼にボールが回ればトライできる可能性がある。ウチの武器です」と向井ヘッドコーチからの信頼は揺るがない。
今季のビジターゲームでは41対14で敗れているBR東京を相手に「今回は違った試合になりますよ。リベンジします」(セル)と意気込む。
花園Lが今季初勝利を手繰り寄せたとき、必ずセルの輝きがあるはずだ。
(下薗昌記)
入替戦回避の可能性が残るBR東京には順位でも勝利の数でも劣る花園Lだが、得点数とトライ数ではわずかながら優位に立つ。
前節は横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)相手に33対52で敗れたものの、チームにとっては今季の最多得点数。向井昭吾ヘッドコーチも「昨季のトップ4に対してあれだけの試合ができたことは自信を持っていい」と前向きだ。
未だ勝利がない花園Lだが、日本国籍を取得したフィジー生まれのナンバーエイトが、成長中のチームを支えている。26回のオフロードパスを成功させ、リーグ3位に食い込んでいるセル ホゼである。
197cm、112kgの巨躯でピッチを駆けるセルの右腕にはカタカナで妻と3人の子供の名前がタトゥーとして刻まれている。取材対応中、セルが「これを見てよ」と言わんばかりに自ら右手首のテーピングを外し、誇らしげに示したのが『TOKYO 2020』の文字とオリンピックシンボルだった。
2020年に日本国籍を取得し、2021年の東京五輪ではセブンズ(7人制ラグビー)日本代表としてプレー。フィジー生まれの選手らしい豪快なオフロードパスは、持って生まれたフィジカルの強さだけでなく、「15人制のラグビーに移るまでは、何年もセブンズでやっていました。スキルが上がったのはその経験ゆえです」と胸を張る。
「強いチームや世界的に有名な選手を相手にチャレンジすることには面白みを感じます」。そんな言葉にリアリティーをもたせるのが、今季奪った4つのトライの内訳だ。第7節・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦に続いて、東芝ブレイブルーパス東京を一時追い詰めた第8節でも2トライ。そして前節の横浜E戦でも1トライを記録した。
ただ、そんなセルが悔やむ一戦がある。1点差で競り負けた第10節・三重ホンダヒート戦の後半24分、ウィル・ゲニアの同点トライをお膳立てしたかに見えたが、右サイドを駆け上がったセルの足がタッチラインを踏んでいたとして、痛恨のトライ取り消しとなったのだ。
「エッジのスペースは少ないので難しいところでもあります。ただ、仲間をがっかりさせてしまいました」と悔しさを隠さないセルだが、「彼にボールが回ればトライできる可能性がある。ウチの武器です」と向井ヘッドコーチからの信頼は揺るがない。
今季のビジターゲームでは41対14で敗れているBR東京を相手に「今回は違った試合になりますよ。リベンジします」(セル)と意気込む。
花園Lが今季初勝利を手繰り寄せたとき、必ずセルの輝きがあるはずだ。
(下薗昌記)
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