開幕から２連勝し、来日早々活躍中のアンダーソン・エスピノーザ投手。現在の心境や日本での生活について澤村直樹通訳が直撃インタビューしました。

―開幕から２連勝、おめでとう！

ありがとう！実は、連続で勝利したのはこれまでのキャリアで初めてなんだ。日本の野球に慣れるのはすごく難しいけど、初めてそんなことができて嬉しいよ。とても印象的な出来事だ。

―日本の野球をどんな風に感じている？

日本は１番から９番までみんなきちんとバットに当ててくるし、みんな走れるね。三振を奪うのはなかなか難しいと感じているよ。よりキレのある良いボールを投げなければいけないから、僕にとって挑戦し続けられるとても良い環境だと思っている。

―日本の野球の難しさを感じながらも、早速好調なのはどうして？

来日前から、日本でプレーしたことのある選手に色んな話を聞いていた。しっかりイメージをして準備してきたよ。
それに、パドレスにいた頃からつながりのある中垣巡回ヘッドコーチには、細かく色んなアドバイスをしてもらった。日本の野球に対応できるようにトレーニングプログラムを組んで、努力し続けられたのは大きかったと思う。
ちなみに、中嶋監督のこともパドレスにいたから知っていたよ。契約の話をする時に、今の監督が彼だと聞いてすごく嬉しかったんだ。このチームでプレーできる喜びを感じている。

―この短い期間で、ヒーローインタビューを2回も経験したね。アメリカではなかったと思うけど、どうだった？

本当に特別な経験だったよ。試合が終わってもファンのみんながインタビューを聞くために残ってくれているなんて、本当に嬉しい。
遠く離れて暮らしている家族もその感動的な瞬間をiPadで見てくれているんだ。ファン、チーム、関係者みんなに、心からありがとうと言いたい。

―ヒーローインタビューでは「ありがとう」や「また明日」と日本語も使っていたね。

日本では、ファンが一生懸命英語を使って僕にメッセージをくれる。それがとても嬉しかったんだ。だから僕もファンのみんなに合わせてできるだけ日本語を覚えて返していきたいと思っているよ。

―ほかに覚えた印象的な日本語はある？

キャンプ期間中は若い選手とたくさん話したから、いろいろ教えてもらったよ。「オナカスイタ！メシ、モッテコイ！」とかね。

―エスピノーザ選手も含めてベネズエラ出身の選手が４人もいるね。母国語のスペイン語で話せる選手がチームにいると心強い？

そうだね。みんな母国を背負ってここに来ている意識があって、迎え入れてもらえたからにはバファローズを勝たせないといけないと本気で思っている。お互いに励まし合って頑張っているよ。

―初先発の日にマチャド投手、セデーニョ選手とは一緒にお立ち台に上がったけど、喜びは大きかった？

本当に良い思い出になったよ。想像もしていなかったしね。レオ（セデーニョ選手）が「俺がホームラン打って勝つよ！」とか、マチ（マチャド投手）が「俺が８回を投げて平野さん（平野佳投手）につなげて勝つよ！」なんて試合前に話していたら、本当にそうなったんだ。

―ベネズエラ出身選手同士、仲間意識も強そうだね。

もちろん！ ベネズエラには「アレパス」という伝統料理があるんだけど、活躍できた時はみんなで「『アレパスパワー』だね」なんて言い合ってるよ。日本での「侍魂」みたいな言葉かな。僕たちは「アレパスパワー」で頑張っているよ。

―日本に来て、生活面で何か驚いたことはある？

たくさんありすぎるよ。靴を脱いだり、おじぎをしたり、下着を付けずに裸でサウナに入ったり…。
でも、一番驚いたのはエスカレーターかな。急いで先に行きたい人のために、みんなが片側を空けているんだ。ベネズエラでは考えられないよ！ ガーっと人であふれている感じなんだ。日本で初めてその光景を見た時、思わずスマホでビデオを撮って家族に送っちゃった。『見てよ！日本人はなんて素晴らしいんだ！』ってね。あれには本当に驚いたね。

―いろんな観光地にも行ったんだよね。どんなところに行った？

道頓堀や渋谷に行ったよ。家族ももうすぐ日本に来る予定だから、いろいろリサーチしているんだ。
日本は本当に素晴らしい国だね。有名な場所に行く度に『ついに僕はここに来たのか！』と感動するんだ。
ベネズエラでは「ドラゴンボール」や「NARUTO」がすごく有名だから、日本で生活できることを故郷の友達から羨ましがられているよ。

―好きな漫画は「キャプテン翼」なんだよね？ ベネズエラでも人気なの？

当たり前じゃないか！ 子どもからお年寄りまで誰もが知っている最高の漫画だよ。本当に素晴らしい漫画だ。日本のみんなはこの事実をもっと誇りにしていいと思う！

―ははは！どうしてそこまで「キャプテン翼」が好きなの？

学校が終わってから家に帰って、おばあちゃんのいるリビングでアニメを見ていた。その瞬間は僕にとってとても幸せで大切な思い出なんだ。
それに、たとえケガをしても一生懸命目標に向かって頑張る主人公の姿は、僕にとても大きな勇気を与えてくれたよ。
つい最近、連載を終了しちゃったみたいで、すごくさみしいんだ…。

―本当に「キャプテン翼」を愛しているんだね。

そりゃそうだよ！ ぜひとも知っておいてほしいんだけど、日本は僕や僕の故郷の友達にとって本当に特別な場所なんだ。
子どもの頃、任天堂のゲーム機を持っている友達の家に10人ぐらいで集まって、マリオカートをプレーしたのもすごく楽しかった。日本で作られたものが僕にたくさんの素晴らしい思い出をくれたんだ。
そんな日本に今いられるなんて、夢のように嬉しい時間なんだよ。

―そう言ってくれてありがとう！では、改めて今後の意気込みとファンに向けてのメッセージをお願いします。

みんな、チケットを買ってスタジアムに来てくれて、ありがとう。大きな声で応援してくれて、ありがとう。野球というスポーツを理解してくれて、ありがとう。
ファンのみんなが僕にとってのエネルギーになっているよ。バファローズが優勝できるように、ベストを尽くします。
アリガトウ、アリガトウ、アリガトウ！


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ファンやチームへの熱い思い、日本へのあふれる愛について語ってくれたアンダーソン・エスピノーザ投手でした。これからも「アレパスパワー」で大活躍してくれることに期待しましょう！